cinema(2003)

ラスト サムライ 映画評には「殺陣に関して言えば、戦いの『間』がない」などとありましたが、そんなことは抜きにしてすごく面白かったです。
物語は「明治維新直後の近代化を進める日本に、西洋式の戦術を教えに日本政府に雇われてアメリカからやって来たトム・クルーズ、捕らわれの身となった彼はやがて忠義を尽くして名誉を重んじる武士道精神に強く惹かれていく」というものです。渡辺謙、真田広之、小雪といった日本人俳優がなかなかいいです。
完全に武士道を描ききっているわけではありませんが、何故か涙が出ます。
マトリックス・レボリューション 現実世界と仮想世界を逆転させる着想の妙などA級SFの第1部、B級アクションの第2部、そしてC級戦争ファンタジーの第3部と辛口の評論がありました。
私も思いました、やはり第1部の感動は回を重ねるたびに薄くなってきます。ホント狐に包まれたような気分になります。やたらと長い戦闘場面、無数の奇怪なマシンが、うねり、旋回し、乱舞し、人間を襲う。人間は巨大ロボットを操り(何故かガンダム風)応戦する。新鮮味は全くありません。70億円を費やしたというラストの14分間(写真のシーン)がとりわけ見ものだということらしいですが・・・。(でも、完結編!やはり観ました)
阿修羅のごとく 「阿修羅」とは、言い争いの象徴とされるインドの神のこと。表面的には仁義礼智信をかかげながら、実は猜疑心が強く、互いに事実を曲げ、他人の悪口を言い合う…。
向田邦子の原作ということはご存じと思いますが、とってもすばらしい映画でした。あれもこれも紹介したいのですが・・・、とにかく観てください。
「男にとって、女は愛らしくて、怖くて、嫌らしくて、なまめかしい・・? 恨みつらみだらけの四姉妹が不幸(70を過ぎた父親の不倫など)があると誰よりも心配するという不思議な関係・・」笑いと涙の物語です、又出演者が最高です。こんな映画は大好きです。
リーグ・オブ・レジェント 「七人の侍」や「荒野の七人」と同じように。今、前代未聞の7人のヒーローたちが世界を救う、アクション・アドベンチャーとして誕生しました。(ショーン・コネリーが格好いい)
秘境冒険小説『ソロモン王の洞窟』のアラン・クォーターメイン、海洋科学小説『海底二万里』のネモ船長、『吸血鬼ドラキュラ』のヒロイン=ミナ・ハーカー、怪奇科学小説『透明人間』のロドニー・スキナー、『トム・ソーヤーの冒険』のトム・ソーヤー、『ドリアン・グレイの肖像』のドリアン・グレイ、『ジキル博士とハイド氏』のジキル
この七人が19世紀末に実在し、世界の滅亡を救うために結束したら……。という物語です。面白い!
シモーヌ なかなか傑作な映画です。CG女優シモーヌがデビューします。
「落ち目の監督(アル・パチーノ)に訪れたチャンスとピンチ。完全無欠の女優シモーヌを作り出す。プログラム完了」。そうです、お金がかかり我が儘ばかり言う女優に逃げられた監督が作り出したのがCG女優。バーチャルの彼女に世界が熱狂します。今の世の中をしっかりと皮肉っています。ラストも面白いです。
「トゥールマン・ショウ」の監督アンドリュー・ニコルが作っています、脇役人もウィノナ・ライダーなどが出て見せます。発想がすごいですね!
人生は、時々晴れ 原題は「All or Nothing」、今年のベスト1になりそう。切なく、やるせない愛の物語です。
ロンドンのタクシー運転手フィルは、スーパーで働く妻ペニーやふたりの子供たちと集合住宅でつましい毎日を送っている。結婚生活が長い妻とは、最近、距離を感じることが多く、今では家族4人が心から語り合うことも、優しく笑い合うこともなかったが、ある日息子が発作で病院に担ぎこまれてしまう・・。「起きてしまったことは受け入れよう、明日はきっといいことがある。これも運命だ」「愛はまるで蛇口から漏れる水の滴だ、バケツに滴がたまっても独りでは愛のバケツは満たせない・・」。ロードショーではなく単館上映です。
座頭市 「もはや敵なし!映画『座頭市』〜最強!とありましたが、ホント強いです。
北野武:監督・脚本・編集そして主演です第60回ベネチア国際映画祭監督賞を受賞しました。たけしの才能にはびっくりします。エンターテインメント満載で面白いです。
「居合い斬りの名人座頭市は、とある宿場で幼い頃に両親を盗賊に殺され、その復讐を誓う芸人姉妹と、故あって浪人する剣の名手、服部源之助に出会う。宿場を仕切るヤクザの銀蔵が、姉妹の親の敵らしいと判明するが・・・」という話ですが、黒澤明の「用心棒」を感じてしまいます。映画の原点は、やはり世界の黒澤なんですね。
パイレーツ・オブ・カリビアン 「カリブの海賊」、古くて新しい海賊映画です。
ディズニーを思わせるような映画で、文句なしのエンターテインメントです。
物語は「決死の救出劇。孤児の青年と令嬢との身分違いの恋。呪いの金貨と《永遠の生命》という地獄を生きる海賊達に秘められたミステリーなど」で見せ場いっぱいです。
主演は「ロード・オブ・ザ・リング」で人気がブレイクしたオーランド・ブルーム。一匹狼の海賊ジャック・スパロウ役にスター俳優ジョニー・デップとスター揃いも話題の一つです。
夏休みにはもってこいの映画です。
マトリックス・リローデッド やはり観ました、私も男の子です。面白かったです。
前作を観ていないとわかりにくいかもしれません、めったやたらとアクションシーンが派手になっていました。私としては前作がよかったです今回は第三作目への途中経過という感じもありこれだけ観た人はわかりにくかったかもしれません。
「現実だと思っていた世界が実は人工知能が作り上げた仮想空間<マトリックス>ネオ(Neo)はマトリックスの謎を解き明かし、人類を解放することができるのか…」少しずつ謎が解き明かされていきます。三作目をお楽しみに!
ムーンライト・マイル 70年代音楽をバックに心に残る感動の物語です。ダスティン・ホフマン、スーザン・サランドンという名優二人がさすがです。
『結婚式の直前、婚約者のダイアナが流れ弾にあって死んだ、悲劇の花婿となったジョーは、そのまま彼女の両親の元に残り、理想的な娘婿の役目を果たそうとする。が、彼にはどうしても言い出せなかった。事件の3日前、婚約を解消していたことを・・・』という物語です。人の優しさが胸にしみます。「大人の映画はこうでなければ、現代の名優が極上のワインのように酔いしれさせてくれる映画である」唯川恵(作家)
ソラリス ’72年の名作『惑星ソラリス』をリメークしたものです。30年前この映画を観たときのラストの衝撃はまだ私の心に残っていました。SFですが派手なアクションはありません。『人間とは、生とは死とは・・・』どちらかというと哲学的要素をいっぱい含んでいます。
「惑星ソラリスの探査衛星で起きた異変を解決するために心理学者クリス(ジョージ・クルーニー)が派遣される、そこでは多くの乗組員は自殺し生存する二人は怯えきっていた。その夜クリスは亡くなった妻がベッドにいるのを発見する。ソラリスの周辺では、記憶が実体化するのだった・・」最後まで目を離すずに観てください、観応えありです。
二重スパイ 「シュリ」(00年)「JSA」(01年)に継ぐ北と南の悲しい物語です。若者に観て欲しい!
1980年代、冷戦下。脱北者を装い韓国に潜入した北朝鮮スパイ(ハン・ソッキュ)は、次第に韓国側の信頼を得ていく。そして3年目、ラジオDJ(コ・ソヨン)と接触することになるが彼女もまた、韓国国内に潜伏して活動する北のスパイであった。孤独と緊張のなか、協力して任務を遂行した2人のスパイは次第に惹かれていくが、「国が死ねと言えば死ぬだけだ」と信じた男と「北でも南でもない場所で愛に生きたい」と願った女の激しい葛藤は、北の罠を見落とし、南に正体を知られるという状況を生んでいく・・・。
XーMEN2 大ヒットした前作(00年制作)に引き続き、超能力を持ったミュータント同士が人類支配をめぐって戦いを繰り広げる一方で、新たに人類が彼らの壊滅作戦に出て、三つ巴の戦いを展開。「チョコレート」「007」で活躍したハル・ベリーは天候を自在に操るストームとして、大活躍です(相変わらずセクシーで格好いい)。
原作のコミックブック『X−MEN』を生み出したのは、1963年、人種差別に反対する公民権運動の高まりに対し、アメリカが偏見と恐怖にとらわれているときだったそうです。映画で見る限りアメリカという国は面白いです。
シカゴ アカデミー賞最優秀作品賞他6部門賞を受賞しました。
「1920年代、シカゴ。スキャンダルを逆手に取り鮮やかにスターダムを駆け上がる二人の歌姫と、彼女たちの運命を操る辣腕弁護士。甘美な悪の魅惑に彩られた、大人のための刺激的なドラマが今幕を開ける・・・。」どうです、観たくなりますね。
しかし、うたい文句とは別に人間のたくましさを描いたマジメで素敵な映画でした。

「ブリジットジョーンズの日記」のレニー・ゼルウィガーが素晴らしい。それに50代になったリチャード・ギアが軽やかにタップを踏みます。日本ではこうはいきません。
手紙 50円の葉書の重さをしっかりと感じた出来事が我が局でもありましたが、この映画は一通一通の手紙の大切さを教えてくれる愛の物語です。
30年間配達の仕事をしてきた主人公恒一、ある日配達するはずの郵便物がバイクごと盗まれてしまう。 「手紙を届けるのが私の仕事だ」恒一は命懸けで手紙を探す。残雪の金沢を舞台に繰り広げられる、郵便配達員の物語です。人の手で書かれた字の美しさ、温かさ、やっと書かれた字、きたない字、でも心が伝わる手紙やハガキ。

『手紙を届ける、ただそれだけ。そして手紙は人をつなぐ』 プロにも観てもらいたい・・。
ドリームキャッチャー 大好きなスティーブン・キング原作なので観に行きましたがやや期待はずれでした。
キングの映画化でもっともやってはいけないことは何かというと「原作をそのまま映画化すること」だそうです。01年に発表された原作は、悪趣味な侵略SFの寓話として書かれているが、それをそのまま2時間の枠に収めようとしたら無理があるとのこと。
「ある特殊な能力を持った子供たちが大人になり、何かに引き戻されるように故郷の町に帰ってくる。彼らは人類の命運を決するある役割を担ったいた・・・」ストーリーとしては面白いけど演出がまずいのか?興味があったら観てください。
刑務所の中 崔洋一監督(写真の人)の傑作喜劇。1時間33分クスクスしっぱなしです。
ベストセラー、獄中実録コミック「刑務所の中」を山崎努主演で映画化したものです。あと香川照之、田口トモロフ、大杉漣、窪塚洋介、椎名桔平など個性派俳優が笑わせてくれます。特に受刑者最大の関心事である『食事シーン』は最高です。シンプルかつヘルシーなメニューは見ていて食べたくなります。こんなところなら一週間くらいなら入ってみたい(?)人間の面白さがでた映画です。
02年キネマ旬報ベスト・テン「たそがれ清兵衛」に続いて2位を獲得した作品です。
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン 『本物の偽物を描いた真実のドラマ』とありました。それは、一枚の小切手から始まった……。パイロット、医師、弁護士になりすまし、あっというまに身をひるがえす天才詐欺師(高校生)。追いつめて、追いつめて、地球の裏側までも行く覚悟のFBIのカタブツ捜査官。さあ、この頭脳戦、どっちの勝ちか!?
60年代、世界中を騒がせた実在の詐欺師にレオナルド・ディカプリオ、それを追う執念の捜査官にトム・ハンクス、監督がスティーブン・スピルバーグ。それに脇役もクリスファー・ウォーケン、マーティン・シーン等豪華な顔ぶれです。肩の凝らない映画です。
007
ダイ・アナザー・デイ
007が映画となって早40年。第1作「殺しの番号」の時は高校生でした。
20作目の今回はボンドが裏切りの陰謀で極秘任務に失敗するところから始まります。復習と名誉挽回のため北朝鮮、キューバ、イギリス、アイスランドと世界を股にかけて活躍します。ボンドガールは「チョコレート」のハル・ベリー。ビキニで登場するシーンは最高です。相変わらず奇想天外な秘密兵器はもちろん、巨大波でのサーフィン、氷上のカーチェイス、壮絶な空中戦などなど・・・。北朝鮮から猛反発を受けた映画です。
イラク戦争が始まった今、複雑な気持ちで観ました。
ロード・オブ・ザ・リング
二つの塔
「指輪物語」第2部です。私は「ハリー・ポッター」よりこちらの方が好きです。
第1部のラストで3つに別れてしまった旅の仲間それぞれに待ち受ける更なる危険と新しい出会いが描かれます。しかし実はここからが本当の旅の始まりだったのです。一瞬たりとも目が離せないのは白の勢力と闇の勢力の壮大な戦いだけではなく、登場人物一人一人の生い立ち、哀しみと喜び、夢と希望が切々と語られます。怒涛の戦闘シーンにも目を見張るものがあります。50年も前に書かれたのにいつの時代も人間は同じです。自然破壊も・・・。1年後の第3部「王の帰還」が待ち遠しいです。
戦場のピアニスト 2002年カンヌ国際映画祭パルムドール賞を受賞しアカデミー作品賞にもノミネートされている。監督のロマン・ポランスキーは実際に自分の母を収容所で亡くしているが、今回自らの原体験に向き合った映画となった。原作はポーランドの名ピアニストW.シュピルマンが自らの奇跡的生還を描いた回想録です。『1939年ナチスドイツがポーランドに侵攻、シュピルマンはワルシャワの放送局で演奏するピアニストだったがワルシャワ陥落後、何十万人ものユダヤ人の移送が始まる。家族と離れ辛うじて収容所行きを逃れるが隠れていた廃墟の中で一人のドイツ人将校に見つかってしまう』 人間の尊厳
8人の女たち カトリーヌ・ドヌーブ(昼顔)、エマニュエル・ベアール(美しき諍い女)、イザベル・ユペール(ピアニスト)など仏映画界を代表する新旧人気女優8人のの競演です。
舞台は1950年代のフランス。クリスマスイブの朝、雪に閉ざされた大邸宅で一家の主が殺された。容疑者は主の妻、妹、義母、メイドなど妖しく美しい8人の女達。一家は団らんムードから一転、疑心暗鬼で腹のさぐり合いを始める。次々と発覚していく秘密。浮気、不倫、妊娠、同性愛、出生の真相、金銭問題など・・・。女性は怖いですよ。
フランス香と女の何とかが一杯詰まった素敵な映画です。歌と踊りも素晴らしいです。
黄泉がえり 阿蘇が舞台です。ある日突然、すでにこの世を去っている何人もの人々が生前の姿のまま阿蘇のある地域に黄泉がえります。厚生労働省に勤務する主人公(草なぎ剛)は生まれ故郷で起きたこの事件の調査に乗り出しますがそこで死んだ親友のフィアンセ・葵(竹内結子)と再会します。彼女も最愛の恋人が黄泉がえることを願っているのですが・・・。やがて『黄泉がえり』の人は三週間しかこの世にいられないことがわかります。
切ないラストへと続きますが・・・、たんたんと描く中に胸にしみるものがあります。久しぶりに映画館が一杯でした。
ボーン・アイデティティ 久しぶりにマット・ディモンを観ました、それもアクションです。
「嵐の海で漁船に救われた男は、身元も経歴もわからない。しかし、彼は強靱な肉体と闘うすべを身につけていた。。唯一の手がかりは、チューリッヒの銀行で見つけた、6カ国のパスポートと思いもよらぬ大金。次々と現れる暗殺者たち・・。彼の正体は?」
いろんなスパイものがありますが、これは一味違って面白いです。
チューリッヒ、パリを中心にTGV(フランス新幹線)など、見覚えの町などがでてきますが、ヨーロッパが舞台だと情緒溢れる映画になります。CIAが敵なのがいい。
壬生義士伝 2時間17分の中で2回涙しました。色々書くより次の感想を読んでください。
「愛する者、心を通わせた者のためにひたむきに生き抜いた主人公吉村貫一郎は新選組の中でも無名の一隊士にすぎない。しかし、その生き方には永遠の輝きがあり、人の心を動かす。・・・誰もが心の奥では大切にしている『人をまっすぐに信じること』『人を思いやること』こそ吉村の生き様そのものだし、幕末でも現代でもそこが大事なのは変わらない」と浅田ファンの私には最高の映画でした。物語は2000年版(7.29
)bookのコーナーをご覧ください。原作者・浅田次郎もこの映画を観て涙したそうです。
まぼろし ’73年伊映画「愛の嵐」に主演したシャーロット・ランプリングが30年経った今も美しい。
25年連れ添った夫がバカンス先の海で、手がかり一つ残さず消えてしまう。事故なのか失踪なのか。それとも自殺なのか・・・。幸せな日常を壊された妻マリーに『夫の不在』が重くのしかかる。かけがえのない存在を失った者の心の動きをじっくりと追っていきます。現実を『受け入れない』ことでバランスを保とうとするマリー。
意味深なラストシーン!観る人によってはそれぞれ違ったエンディングになるかも・・・。
フランス語の響き、音楽、風景等など・・・良質なフランス映画です。
ハリーポッターと秘密の部屋

正月向きと思い観にいった(?)。実は『史上最高の全国820館』で公開されているため観たい映画が熊本に来ていないので仕方なくというのが本音です。
でも、面白かった!CGをふんだんに使った魔法が楽しい。映画評に書いてありましたが、『物語全体からハートに迫ってくるものがない』と、もちろんそういうものがあった方がいいけどこの物語はこれでいいと思います。ホグワーツ魔法学校の2年生になったハリー・ポッターの活躍です。屋敷しもべドビーから『学校に危険が待ち受けている・・』と警告されるところから冒険の物語が始まります。
2時間41分飽きさせません。