cinema(2009)

2012

52
「2012年は古代マヤ文明の暦が告げる、世界終末の年…。2009年、あと3年で地球が壊滅するという驚愕の事実を知った世界各国のリーダーは人類救出の策を練り始める。そして2012年、作家のジャクソンは、ひさびさの子供たちとの旅行の最中に次々と天変地異に見舞われる」というところから物語は始まりますがお話は単純です。ただ、映画もここまで来たか?という感じです。映像の破壊力は前代未聞のレベルの2時間半、この映像を観るだけでも映画代のもとは取れる。とありましたがまさにそうです。観ていて力が入り、結構肩がこります。
イングロリアス・バスターズ

51
『面白くなかったら入場料を返します』という宣伝文句につられて観ました。クエンティン・タランティーノ監督で、主演はブラッド・ピットです。史実とは異なるヒトラー暗殺作戦です。やはり、タランティーノは強烈です。「“イングロリアス”とは『不名誉な、名誉なき』の意。第二次世界大戦、ナチ占領下のフランスで、“バスターズ”と呼ばれるユダヤ系アメリカ人のチームが、ナチ撲滅を企て、各地でナチスを次々と残虐な手口で始末していた。彼らは、ドイツ人女優になりすました英国スパイと共に、打倒ナチスの極秘ミッションに参加することに・・」なかなかです。
ゼロの焦点

50
松本清張の代表作です、48年前高校生の時、原作を読み、野村芳太郎監督の映画を観たのを今でもはっきりと覚えています。舞台になった能登金剛にも行きました(旅の記録)。あらすじは「昭和33年の12月。結婚したばかりの妻を残し、男が失踪。残された妻はその後を追い、北陸へ旅立つが、そこで見たものは夫の隠された一面と、そして時代に翻弄された女たちの、悲しい運命だった・・・。」
ちなみに能登のうら寂しい風景は韓国ロケしたそうです、日本にはこういう風景はないのでしょうね。三大女優の共演が見ものです。
風が強く吹いている

49
今年の1月にbookで紹介した本の映画化です(待ちに待っていました)。
「大学4年で竹青荘の寮長(?)を務めるハイジは、破格の家賃で住まわせる代わりに陸上競技部に入部するという条件で9人の住人を集める。ある日、箱根駅伝への出場を口にしたハイジに9人は反対するも、彼の熱意は9人を変えていく」というもので、本でも泣けましたが(内容はわかっているのに)映画でも泣けます(見に行く人はハンカチを用意して下さい。ハイジを演じる小出恵介(知りませんでした)がすごくいいです。最高にさわやかな映画です、bookもご覧ください。
ミツバチのささやき

48
1973年制作のスペイン映画です。舞台はスペイン内戦がフランコの勝利に終結した直後、1940年の中部カスティーリャ高地の小さな村です。「その小さな村に「フランケンシュタイン」の巡回映画がやってくる。6歳の少女アナは姉から怪物は村外れの一軒家に隠れていると聞き、それを信じ込む。そんなある日、彼女がその家を訪れた時、そこで一人のスペイン内戦で傷ついた負傷兵と出合い……」というもので少女が体験する現実と空想の交錯した世界をたんたんと描き出しています。 風景がすごくいいですが難しい映画です。
沈まぬ太陽

47
1999年bookのコーナーで紹介しています。山崎豊子原作(全5巻)の映画化です。bookの中でも書いていますが「アフリカの夕日は・・・それは不毛の日々に在った人間の心を慈しみ、明日を約束する、沈まぬ太陽であった」と・・。
3時間30分を超える(休憩もあります)大作で、見応えがあります.。
「日本が高度経済成長していく時代、政界、企業、官僚に翻弄されながらも、人間の尊厳を守るために自らの信念を貫く男の生き様」を描いた物語です。10年も前に読んだ本ですが蘇ってきました。御巣鷹山も忘れることはできません。
さまよう刃

46
2008年のbookで紹介した東野圭吾作品の映画化です。かなりよく仕上がっていました。話しは「最愛の娘を、何者かに強姦され殺された父親。進展しない捜査状況に苛立ち、失意のどん底にいた彼は、ある日、留守電に残っていた謎の密告から、犯人の少年を知ってしまう。彼は、少年法という壁への憤りから自らの手で犯人を裁こうと行動に出る」というものでbookにも書とおり重いテーマですが物語にぐいぐいと引き込まれていきます。何と言っても寺尾聡がいいです。
あなたが父親ならどうしますか?bookの感想も併せて読んで下さい。
カムイ外伝

45
白土三平原作の漫画を崔洋一監督が実写化したアクション娯楽大作です。忍びのおきてに背き、たった一人で追っ手から身をかわす主人公・孤高のヒーローを演じるのは松山ケンイチ、また、ヒロインを小雪が演じています。人気脚本家、宮藤官九郎と監督が共同で脚本を手掛けています。漫画は読んでいないのですが長大な原作の中から「スガルの島」編が映画化されたとのことです。「特殊効果や、忍者たちの動きが不自然なのが妙に気になる」とか、「人間味に満ちた物語に圧倒される」という評もありましたが、私は上出来と思いました。面白いです!
3時10分、決断の時

44
久しぶりの西部劇です。アメリカでは2007年に公開され初登場1位、第80回アカデミー賞では音響賞と作曲賞にノミネートされた話題作(1957年公開のリメーク)。冷酷な悪党だが人間的な魅力もある強盗団のボスにラッセル・クロウ、自分の誇りを取り戻すために護送を続ける牧場主にクリスチャン・ベイルと、2大スターの共演です。『お父さんのようにはなりたくないと』と息子に言われた父親が人間(男)として父親としての誇りを貫き通す、それとその生き様を感じる男の物語です。ラストは泣けます。こんな良い映画が何故大手では上映されないのでしょう?
ココ・シャネル

43
人気ブランド「シャネル」の創業者であり、偉大なファッション・デザイナーのココ・シャネルの生涯を描いた映画です。恋愛ドラマでありながらファッションの歴史を楽しむことができます。男性社会の中で女性のスタイルを確立させていったシャネルの生き様に惚れ惚れとさせられるます、素敵な映画です。さすがにシャーリー・マクレーンはうまいです。話は「1954年のパリ。15年ぶりの復帰コレクションを発表したシャネルだがコレクションは不評に終わる。彼女は、孤児からお針子となり、デザイナーとしての地位を築いた日々を回想しながら再起を誓う」というもの。
プール

42
以前紹介した『かもめ食堂』、『めがね』を生み出した制作スタッフによる新作です、。前二作に続き、小林聡美が娘と離れて暮らす母親役として主演を務めるほか、もたいまさこも出演しています。物語は「タイのチェンマイの郊外にあるゲストハウスを舞台に、6日間を描く。4年前からそこで働く母・京子を訪ねて、大学卒業を目前に控えたさよがやってくる。久しぶりに会う母に戸惑いを感じながらも、さよはそこに集う人々に心を開き始める」といったものですが、静かに淡々と・・・。ここまで何も起きない映画は珍しいです。時間の流れが違います。
96時間

40
親ばか映画という評もありましたがこんなすごいパパがいたら安心でしょう。
物語は「元秘密工作員ブライアンの娘キムが旅先のパリで何者かに誘拐された。彼女との通話の音声から犯人一味がアルバニア系の人身売買組織で、過去の事例から救出までの制限時間は96時間と判明。彼は単身、娘の救出に向かう」というものですが実はこの映画もリュック・ベッソンが製作を務め激しいカーチェイスや銃撃戦、そしてマーシャルアーツなど、ノンストップで繰り広げられるアクションはさすがです。続けて2本アクションものでしたが面白かったです。
トランスポーター3

39

リュック・ベッソンがプロデュースする『トランスポーター』シリーズ第三弾。ジェイスン・ステイサム演じる過激でクールな運び屋フランクがヨーロッパを愛車アウディで爆走するお話です。「一度は断った依頼を引き受けるはめになったフランク。“赤い代物”を運ぶというその依頼は、車から25メートル離れると爆発するブレスレットを腕にはめられ、謎の赤毛の女を助手席に乗せての危険なものだった」というものですが、ウクライナの産業廃棄物に絡む陰謀を巡って、政治家とテロ組織、そして警察がスリリングな戦いを繰り広げます。アクション好きにはスカッとします。

サガン-悲しみよこんにちは-
38
フランスの国民的作家、フランソワーズ・サガンのスキャンダラスな人生を描いた映画でタイトルの『悲しみよこんにちは』を映画化したものではありません。
話しは「18歳で執筆した『悲しみよ こんにちは』が瞬く間にベストセラーとなり、富と名声を手に入れたサガン。連日のパーティ三昧に結婚と離婚。さらに自動車事故で九死に一生を得たり、スキャンダルな生き様で世間を賑わす」といったもので若くして名声を得たことから悩む姿が良く描かれています。麻薬にまで手を出さざるを得ない生き様に胸が苦しくなるような感じさえします。
ディア・ドクター

37
笑福亭鶴瓶が映画初主演の映画です。物語は「山あいの小さな村で、唯一の医者として人々から慕われていた男が失踪した。やがて警察による捜査がすすむにつれ、経歴はおろか出身地さえ曖昧なその医師、伊野の不可解な行動が浮かび上がってくる…」で嘘をテーマにしたお話です。
人間の善悪について、じわじわ考えさせられる映画です、「鶴瓶から感じる笑いの中に潜んだ哀しみや畏れが絶妙」とありましたがすごいです。『ゆれる』で数々の賞をもらった西川美和が原作・脚本・監督をこなしています。
ボルト

36
立体3D映画で観ました。ドラマの世界を現実と勘違いしている一匹のタレント犬・ボルトがニューヨークのど真ん中に迷いこみ、“本当の社会”の厳しさを体験しながら自分を見つめ直していくディズニー・アニメです。感動のアニメーションに仕上がっています。「幼い頃に出会った少女ペニーを守るため、特殊な力を駆使して悪者と戦うスーパー・ドッグ、ボルト。ある日、ハプニングでNYへと送られた彼は、これまでの出来事がテレビの中でのものだと知るが、ペニーとの絆を再確認する旅に出ることになる・・」ン十年ぶりに観た立体映画も技術の進歩はすごいです。
つぐない

35
この映画も見逃した名作の一つです。「1935年、英国の令嬢セシーリアが妹ブライオニーの嘘によって愛し合うロビーとの仲を引き裂かれてしまう。4年後、ロビーはセシーリアとの再会を夢見て戦場をさまよい、ブライオニーは罪悪感に苦しむ・・」というものです。映画はこの不幸な出来事と、その後の二人の運命をメロドラマのように描いていきますが、そこに浮かび上がってくるのは、ブライオニーが選んだ“つぐない”の方法にあります。作家となった彼女が人生の終焉を迎えた時に告白する悲痛な真実。メロドラマの奥にあるテーマは、深く、苦しいものがあります。
初恋のきた道

34
こんなにも素朴でシンプルな映画が胸を打ち、涙を誘います。1999年公開のチャン・イーモウ監督の中国映画です(第50回ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞)、主演のチャン・ツィイーはこれがデビュー作で出世作となりました。「都会からやってきた若い教師に恋して、その想いを伝えようとする18歳の少女。手作りの料理の数々に込めた少女の恋心は、やがて彼のもとへと届く。しかしそこには「文革」の波が押し寄せ、二人は離れ離れに。少女は町へと続く一本道で、来る日も来る日も愛する人を待ち続けた‥」人を愛しドキドキした純な時代を思い出します。
ノウイング

33
『knowing』とはもちろん『知る』という意味です。物語は「大学教授のニコラス・ケイジはある日、数字で埋め尽くされた不思議な紙きれを入手した。それは息子が通う小学校で50年前に埋められたものだったが、紙に書かれた数字を解析するうちに、過去に起きた数々の大惨事やこれから起きるあることを予言していることを知る・・・。地球最後の日になにをすべきか?」といったものでかなり興味をそそられる話しです。しかし、序盤の謎解きなどかなりいいできですが、後半というかラストになると今イチという話しになりちょいと残念。暇つぶしにはいいかもです。
アマルフィ

32
原作は真保 裕一(ホワイトアウト、灰色の北壁)が映画のために書き下ろしたもので、3ヶ月におよぶオールイタリアロケをしたという超大作です。
話しは「クリスマス目前のローマで日本人少女が失踪。G8外務大臣会合へのテロの予告を受け、現地入りしていた外交官の黒田は、少女の母親の代わりに誘拐犯からの電話に出たことから、彼女の偽りの夫として事件に巻き込まれれていく・・」というものです、美しいイタリアの風景を見ながら最後まで飽きません。アマルフィとはイタリア南部の美しい都市の名前です。イタリアに行きたくなります。
ニューシネマパラダイス

31
1989年のイタリア映画、映画史に燦然と輝く感動映画の名作です。シネパラダイス(熊本の映画館)10周年ベストヒット特集で十数年ぶりに観ました。
「戦後間もないシチリアの小さな村。この村の唯一の娯楽はパラダイス座という映画館。映画好きの少年トトは、その映画館で働く映写技師アルフレードと知り合い、固い絆で結ばれる。そんな折り、映写室で火事が発生し、アルフレードは失明してしまう」今、観ても更に感動の広がる映画です。少年と老映写技師の友情をノスタルジックに映し出し、映画史に残る名シーンが満載です。たまりません!
この自由な世界で

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「職業紹介の会社をクビになったシングル・マザーのアンジーが、ルームメイトと共に自ら会社を興す。なんとかビジネスを軌道に乗せた彼女だが、やがて成功を焦るあまり、不法移民を雇って、違法行為に手を染めていく・・」といった話しです。
ある評で『この映画を通して資本主義の“謎”—金銭に囚われることの悲喜劇—にまたしても直面するだろう』とありましたが、アンジーの目的は効率的に金を稼ぐことにあり、また弱者としての境遇から脱け出すことにあるのです。現代の経済システムを生きる私たちに「自由」とは何かを深く考えさせる映画です。
ターミネーター4

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男の子はやはりこんな映画が大好きです。シュワちゃんがいなくなっての新シリーズです。『過去の「ターミネーター」シリーズ3作が、未来の“審判の日”を阻止しようとする人間対マシーンの闘いを描いたのに対し、本作は新3部作の第1章として、2018年、レジスタンスのリーダーとなったジョン・コナーが機械の支配する世界に立ち向かう姿を描く』といったもので未来からターミネーターが現代に現れたのと違い未来を舞台にしています。人間対ロボットの派手なアクションも楽しいです。また、初代ターミネーターのシュワもちゃんとCG出演していますよ。
劔岳
点の記

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登山を始めたころに新田次郎の山岳ものを片っ端から読みましたが、これはかなり印象に残った本でした。又、1978年8月に実際に登った山です。物語は『明治39年。陸軍参謀本部陸地測量部の測量手・柴崎芳太郎は、日本地図最後の空白地点を埋めるため、古来その険しさから「針の山」と呼ばれた劔岳の初登頂と測量を命ぜられる』ところから始まります。しかし、初登頂に挑むが、絶壁、雪崩、暴風雨など相次ぐ困難が、彼らの行く手を阻むことになります。大きな自然の中で明治を生きた人が素晴らしいです。忘れかけていたものを思い出させてくれます。
愛を読む人

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何というタイトルを付けたのか?と思います。というのは2000年bookで紹介していますがこの物語は全世界500万人が涙した大ベストセラー小説「朗読者」を映画化したもので、このタイトルに深い意味があるのです。主演のケイト・ウィンスレットはアカデミー賞で主演女優賞ほかいくつかの賞を獲得しています。物語は『15歳のマイケルはある日、21歳も年上のハンナと出会い、恋に落ちる。ところが突然、彼女は姿を消してしまう。数年後、法学専攻の大学生となった彼は法廷でハンナと思いもよらぬ再会を果たす』 bookのページも併せて読んで下さい!
天使と悪魔

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2006年に公開された『ダ・ヴィンチ・コード』の続編です。前作よりこちらがわかりやすいですが、犯人が途中で何となくわかり私的にはちょっと物足りなかったです。『謎の秘密結社イルミナティの復活の証拠をつかんだラングドン教授。イルミナティが最大の敵とみなすカトリック教会の総本山たるバチカンに脅威が迫っていることを突き止めた彼は、バチカンを救うために現地へ向かう・・・』というところから物語は始まります。今回もカトリック教会から「冒涜している」との声があったそうですが宗教と科学というのを考えるだけでも面白いです。
ハゲタカ

25
2007年にNHKで放送されたドラマ「ハゲタカ」を映画版にしたものです。テレビはすべては観ていなかったのですが、映画は今の時代に脚本も書き直したとかで見応えのあるものになっています。経済ドラマですが、人間ドラマとして観た方が面白いです。ドラマでは悪キャラだった鷲津(大森南朋)が中国ファンドを迎え撃つ役になっています。『ハゲタカ”の異名を持つ敏腕ファンドマネージャー、鷲津のもとに、中国系ファンドが企む日本有数の大手自動車会社の買収を阻止せよという依頼が舞い込む。だが、その仕掛け人・劉は鷲津のかつての部下だった』
フィッシュストーリー

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「2012年、地球は彗星の衝突によって5時間後に破滅しようとしていた。静まり返った町のとあるレコード店で流れるのは、パンクバンド、逆鱗が1975年に録音した”FISH STORY”。その曲が思わぬ形で世界を救うことに」 最近、Bookで紹介している伊坂幸太郎の原作です。小さいエピソードが連動してちょっと目には?と思いながら見ることになりますがラストに全てがつながっていることに『すご~い』と思わせてくれます。中村義洋という人が監督しています、先に『アヒルと鴨のコインロッカー』を作っているそうですが伊坂ワールドを上手く映像化しています。
フロスト×ニクソン
23
アメリカの歴史上、任期満了前に自ら辞任した大統領はウォーターゲート事件によって政界から引退したニクソン元大統領が初めてとのこと。この映画は1977年に米国で放送されたテレビの伝説的なインタビュー番組を映画化したものです。なかなか見応えがありました。
「ニクソン元大統領と全米進出をもくろむテレビ司会者フロストは、沈黙を守るニクソンとインタビュー番組で対決し、ジャーナリストとして名を上げようとする」が・・・。脚本がいいのか、悪者めいたニクソンの人間的な部分にも触れていていいです。
60歳のラブレター

22
8万通を超える応募が寄せられた企画「60歳のラブレター」を『ALWAYS 三丁目の夕日』の古沢良太が脚本を書いた映画で、私たち世代には感動の物語です。
「家族や社会のために働いてきて60歳になった人たちが、第二の人生をどう生きるのか」を三組のカップルを中心に描かれています。大人の愛情と幸せとは何かを問いかけて、やはり涙です。特にイッセー尾形のギター弾き語り(「ミッシェル」ビートルズ)が良いです、それと原田美枝子はやはり魅力的ですね。
私たちよりどちらかというと若い世代に観てもらいたい映画です。
グラン・トリノ

21
「年間1、2本あるかどうかの名作」とありました。クリント・イーストウッドの監督&主演作です。「チェンジリング」もそうでしたがこの人の映画は最後まで全く目が離せません。今回は「元軍人のイーストウッドは近所に住むアジア系やラテン系の移民との交流を拒んでいた。だがある晩、愛車(グラン・トリノ)が盗まれそうになる事件が起き、実行犯のアジア系モン族の少年を諭すことに。その一件以来、彼は少年の家族と心を通わすようになるが・・・」というものですが 、報復・『許されざる者』に対するラストの選択には驚き、頷き、感動し、涙します。
レッドクリフ PartⅡ

原作の「三国志」にも記されている“10万本の矢”のエピソードに代表される、孔明のまさに理に適った戦法と、ひたすら物量のパワーで押しまくる曹操軍の攻防が描かれています。とにかく面白い、ジョン・ウー監督には頭が下がります。アクションシーンでも“火の玉攻撃”が、風に煽られて2000隻を炎で包み込んで行くクライマックスは、最高です。また、今回は女性の存在感が物語を面白くしています、女たちが戦いの中で果たす役目も、前作に比べて遥かに大きく見所です。特に小喬を演じる映画初出演というリン・チーリンが素晴らしいです。
スラムドッグ$ミリオネア
アカデミー賞作品賞含む最多8部門受賞した映画です。評も『年間ベスト10圏内に入る秀作』とありました。物語は「巨額の賞金が懸かった人気クイズ番組に出場したスラム街出身の少年が、周囲の予想に反して正解を連発。あと1問を残したところで不正を疑われて警察に拘束された彼は、自らの過酷な生い立ちを明かしていく」というもので、今の時代だからこそ登場した純粋な映画、特に主人公の困難に立ち向かう強い想いに感動します。インドを舞台に無名の俳優が出演したイギリス映画というこの作品が賞を総なめにしたのも画期的なことだそうです。
ザ・バンク
堕ちた巨像


「91年に破綻した国際銀行BCCIの事件。アメリカ銀行史上最大の預金詐欺といわれたBCCIは、不正資金の浄化銀行として存在し、顧客リストには各国の政府高官、実業家、さらにはCIAも深く関わっていたという」現実の事件をヒントに作られた映画です。”プライベートバンク”と呼ばれスイス銀行の他に最近は金融業への法規制の緩いルクセンブルクに拠点を置く銀行が多いそうです。
裏の金を集め、その資金を使い手段を選ばぬ銀行の裏の顔を描いていますが表の顔でもあまり変わらないかなと思います。金融機関への不信!
ウォッチメン

『驚愕のビジュアルで描くリアル・ミステリー!このダークでシニカルな世界観を理解して、2時間40分ほどの長さに耐えうる人にはとてもオススメな作品だ』という映画でした。あまり内容を知らずに観に行ったものですから、この手のものが苦手な葉子ママはがっかりしていました。私はそれなりに面白かったのですが・・。
話は「ケネディ大統領暗殺やベトナム戦争など、歴史的事件の裏側に介在してきた“監視者”と呼ばれる存在。そのうちの1人が何者かに殺されたことから、かつて仲間だった顔のない謎の男が真相解明のために調査に乗り出す」というもの。
ジェネラルルージュの凱旋

bookで紹介した「チーム・バチスタの栄光」の第三弾目の映画化です。原作では心療内科医・田口は男でしたが映画では女医(竹内結子)になっています。こんなミステリーは原作を読んだ直後では面白くないと思って読まずに観ました。
「バチスタでは度重なる心臓手術の失敗が、事故か殺人かを暴く医療ミステリーでしたが、今回は田口が勤める大学病院の救命救急センター長・速水にかけられた医療機器メーカーとの癒着疑惑を、二人が調査していくもの」です。『医者とは金儲けに走るビジネスマンではなく、すべての人を助けられる神でもない』と。
7つの贈り物

『謎めいた男の“贈り物”をめぐる意外なドラマが衝撃と感動を呼ぶ』という文句につられて観に行きました。観終わってほんとに衝撃を受けます。
内容については、絶対にネタを明かすことができないので語るのは難しいですが「7人の名前が載ったリストを持つ一人の男(ベン)が、その7人に近づき、彼らの人生を調べる。ベンは、彼らに特別な贈り物をしようとしている。一体、何のために彼らに贈り物をしようとするのか。そしてその結果が何をもたらすのか」と 最後までしっかりと観てください。この結末を受け入れられますか?
チェンジリング

クリント・イーストウッド(監督)とアンジェリーナ・ジョリーが組んだ(1928年に米国で起こった実話に基づいた)映画です。2時間20分を超える映画ですが全く飽きません。クリント・イーストウッドが[監督][製作][音楽]をこなしていますが、この人の才能にはびっくりします。話は「シングルマザー、クリスティンの息子ウォルターが突然失踪した。5か月後、警察がウォルターを発見するも、その少年はまったくの別人だった。そのことを信じてもらえないクリスティンは、警察の横暴の中思わぬ運命を運命をたどることに・・・」 権力に負けない母親に感動します。
チェ39歳別れの手紙

チェ、2部作の後編です、第1弾は「キューバ革命」までを描いていましたが今回はキューバからボリビアへと活動の場を移した彼が、やがて39歳で迎える悲劇的な結末までが描かれています。「南米大陸の自由を夢見て独裁政権下にあるボリビアの地に潜伏、しかし、ボリビア共産党との協力がたたれ、地元民に裏切られ、アメリカの大々的な支援を受けたボリビア軍に抵抗するも、食料・医薬品・武器・弾薬全てが尽きかけてしまう」 あまりにも無力な革命軍となってしまいます。
ラストは、何とも辛さが残ります。今の時代に観るべき映画だと思います。
ベンジャミン・バトン

最新鋭の映像技術がなければできない映画です。80歳で生まれ年を取るごとに若返る男の物語です「1918年、生まれつき年老いていた赤ん坊が黒人女性に拾われ、ベンジャミンと名付けられる。老人たちの養護施設で育てられた彼は、年を重ねるごとに若返り、デイジーという美少女と運命的にめぐり合う・・・」
逆行する人生の悲しさとは、つまり、人と共に老い、共に死んで行くのではなく、愛する人々を見送らなければならないのです。『人生の出会いと別れ』逆の人生でも一緒です。ブラッド・ピットとケイト・ブランシェットのメイクがすごいです。
007慰めの報酬

6代目ボンド・ダニエル・クレイグの二作目です。前作は、ジェームズ・ボンドが愛した女性に裏切られ失うという、哀しみのドラマが描かれていましたが、今回は、その直後のジェームズ・ボンドを描いています(前作から1時間後という設定とのこと)。オープニングからすごいです。海岸線の道路を走る車の激しいカーチェイスから始まりますが、いい車が惜しげもなくぶっ壊れます。
復讐に燃えるボンドと、そこにもう一人復讐心に駆られる女が登場します。舞台は英国、イタリア、南米、ロシアと駆けめぐり利権を争う世界の思惑も面白いです。
マンマ・ミーア!
心をハッピーにする映画です。メリル・ストリープやピアース・ブロスナン(007ボンドをかつて演じた)が歌って踊るのです。『人気グループ、ABBA(私は知りません)の曲を全編にちりばめ、世界的ヒットを記録したミュージカルを映画化したもの』物語は「ギリシャの小島で母ドナと暮らすソフィは、自分の結婚式で会ったことのない父親とヴァージン・ロードを歩こうと決意する。そこで、密かにドナの日記を盗み読み、父親の可能性のある昔の恋人3人に招待状を送ることから起こる騒動」を描いています。肩のこらない素敵な映画です。
チェ 28歳の革命

『年間1・2本あるかの名作』、チェ・ゲバラ伝記ドラマ2部作の第1弾です。今回はキューバ革命までを描いています。先日紹介した「モーターサイクルダイアリーズ」から観るとなおチェがよく理解できます。「南米大陸の旅の、ほぼ4年後から始まる。キューバ行きを決めたメキシコでのカストロとの出会い、82人で海を渡ったキューバでのゲリラ戦、1964年にニューヨークで開催された国連総会での演説、という3つの時代を交錯させながら、革命の日々とその意味を描いています」。この映画を観るとチェがなぜ革命を続けたのか、人々に敬愛され信頼されたのかわかります。
大阪ハムレット

原作はコミックですが、かなりの秀作です。『人生色々あるけど、生きとったらそれでええやん。ありのままを受け入れて明るく生きる一家。お母さんと三人の息子に変なおっさん・・』観終わったら元気をもらいます。
話しは「いつも笑顔を絶やさない肝っ玉母さん房子の家に、死んだ夫の弟と称する男が転がり込んできた。そんななか、房子の長男である中学生、政司は女子大生と恋仲に。次男の行雄、三男の宏基にもそれぞれ問題が持ち上がる・・・」といったものです、松坂慶子と二男役が何ともいい。人の優しさが身にしみます。
レッドクリフ PartI

言わずとしれた三国志の「赤壁の戦い」をジョン・ウー監督、トニーレオン(周瑜)、金城武(孔明)主演で映画化したものです。
見せ場見せ場の連続です、「天下統一を企てる権力者・曹操が率いる80万の大軍に立ち向かった、劉備軍と孫権軍から成るわずか5万の連合軍がどのような奇跡を戦場で起こしたのか・・・」亀の甲羅模様にヒントを得た兵法「九官八卦の陣」等、ワクワクする戦闘シーン、でもこれはまだPartIです、赤壁の戦いである水軍戦のクライマックスはPart.2へと続きます。面白いですよ!
その土曜日、7時58分
1957年の『十二人の怒れる男』を撮った84歳のシドニー・ルメット監督作の作品です。「ニューヨーク批評家協会賞」など数々の賞を取っています。
物語は「NY郊外の小さな宝石店に強盗が現れ、店主の女性と2人組の犯人の一人が死亡。この犯罪計画を3日前に決めたのは宝石店の息子兄弟だった。人生に行きづまった彼らの境遇と秘密がだんだん明らかになる」というものですが、何ともやるせない物語です。誰もが簡単に感情移入できるキャラクターではないし、しかも最後まで救われません。緊張感の中に、哀れな人間の業が見えてきます。
モーター
サイクル
ダイアリ
ーズ

今年『チェ28歳の革命』『チェ39歳の分かれの手紙』が公開されますが、この映画は2004年の作品で伝説の革命家エルネスト・チェ・ゲバラの若き日の旅を描く青春映画です。南米大陸縦断の旅を通して、ゲバラが自らの歩むべき道を見出してい様子を描いたロードムービーです。「23歳の医学生ゲバラが友人と二人バイクで1000kを超える旅に出ますが途中、バイクの故障や食料確保に苦労しつつも、さまざまな人々と出会っていく」中でゲバラの中で何かが変わっていきます。
観終わっても爽やかな感動の残る映画です。(原作はゲバラの回想記からです)
怪人二十面相
・伝


江戸川乱歩の小説でお馴染みの怪人二十面相の物語、幼かった少年のころ心躍らされた二十面相の『伝記』です。今回は乱歩の原作ではなくTVの「明智小五郎」ものや「金田一耕助」ものの脚本を手掛けてきた佐藤嗣麻子が監督も兼ねて映画化したものです。物語は「太平洋戦争が起こらなかった架空の日本を舞台に、上流階級と労働階級に分かれた世界で、二十面相が活躍する」というものです。
『ルパン三世、スパイダーマン、バットマンなど』いろんな話しを思い出しますがエンターテインメントとしては面白いです。松たか子がなかなか良いです。
寅次郎・恋やつれ

1974年公開、シリーズ第13作目マドンナは2回目登場の吉永小百合です。キャッチコピー『兄ちゃんは恋をしたんじゃねえただ、あの人が幸せになればいいなそう願っただけよ』。歌子(吉永小百合)の自立する姿といつまでも自立できない寅さんを通して『幸福と何か』をテーマに描いています。この映画の中で歌子が心の通わない父に対して『いくら心の中で思っていても、それが相手に伝わらなかったらそれを愛情と言えるかしら』というセリフがあります。35年前のこのセリフは今でも私の中にしっかり残っているのですが寅さんと同じように実行できていません。
ワールド・オブ・ライズ
世界を代表する監督リドリースコット(「ブラックホーク・ダウン」)とディカプリオ×ラッセル・クロウという組み合わせです。これだけだ何となくワクワクします。
『世界中で巻き起こるテロや組織犯罪に対して各国の諜報機関は絶えず情報戦を行っているが、その実態がいかなるものかを知る人は少ない。モラルを捨てて嘘をつくことで、テロの脅威から世界を守ろうとする男たちの物語』という紹介がありましたが、この映画を観たあとは誰のことも信じられなくなるでは・・、という感じを持ちます。中東が私たちにとっては怖く、いかにすごいかというかわかります。
男はつらいよ・望郷編
1970年公開、シリーズ第5作目です。寅さんが現役のころ我が家の1月2日は毎年寅さん映画で幕開けでした。今回久しぶりに家族5人で観に行きました。
山田洋次監督3作目ですが、これで終わりにするつもりだったとか・・・。でもこれから48作まで続くのです。話しは『テキヤの政吉親分が危篤になり寅さんは会いに行く。会いたがっていた息子に拒絶され、死んで行く様子を見て、寅さんは堅気になることを決心する。裏の工場の労働者となるが半日ともたずに、結局、浦安の豆腐屋の住み込みに。そこの娘、節子に惚れて一所懸命に働くのだが・・・。』