cinema(2011)

ヒマラヤ
運命の山



42
話は「1970年にヒマラヤ山脈のナンガ・バルバートト(標高8,125m)のルバール壁初登頂に成功したメスナー兄弟の実話を映画化。この登頂では弟ギュンターが命を落としたが、実際に山で何があったのか。今、真相が明らかになる」といったもので、ラインホルトの原作を元に映画化されたものです。山に登るということ、いかなる場合も『山をなめてはいけない』と教えてくれます。遭難の原因は『山で起きる一つ一つの問題(我が儘や、勝手な行動など)を放置することによって負の連鎖が起きる』と言ったことかな・・。
ゴーストライター

41
『戦場のピアニスト』の名匠ロマン・ポランスキーによるサスペンスです、ベルリン映画祭で監督賞を受賞しています。ユアン・マクレガー主演で文筆家が直面する政界の暗部をスリリングに描いていてすごく面白いです(007のビアース・ブロスナンも出ています)。 「ゴーストライターとして元英国首相ラングの自叙伝の執筆を依頼された文筆家。米国にあるラングの別荘に招かれ、取材に当たった彼は、自分の前任者が不審死したことに疑問を抱く・・」観ている方にだんだんと緊張感が伝わってきます。CIAは怖い・・。
コンテイジョン

40
超豪華キャストで作られた映画ですが、すごく地味です。そんなにすごい山場があるわけではなくウイルスの恐怖を淡々と描いています。とにかく出演者がすごい、マリオン・コティヤー/マット・デイモン/ローレンス・フィシュバーン/ジュード・ロウ/ケイト・ウィンスレット等々。「接触感染により、数日で命を落とすという非常に強い新種のウィルスが香港で発生する。その感染は、アメリカ、ヨーロッパ、北アフリカ、南米、そして日本と世界中に散らばっていく・・」ラストにもう一工夫あればと思いますが『SARS』を思い起こすと身近な恐怖です。
カウボーイ&エイリアン 

39
製作総指揮スティーヴン・スピルバーグ、『アイアンマン』のジョン・ファヴロー監督というのに、タイトルが悪いのかあまり話題にになりませんがかなり面白く仕上がっています。007のダニエル・クレイグにハリソン・フォードの豪華競演、それにオリビア・ワイルドがすごくいいです。「西部劇定番の悪徳牧場主(ハリソン・フォード)との対決から始まりますが、19世紀のアリゾナに宇宙からの侵略者が現れ死闘を繰り広げる」お話です。さてこの時代どうして戦うのでしょう?ラストは定番に戻り一人去っていくカウボーイ!
三銃士

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『三銃士』は、1844年にアレクサンドル・デュマにより書かれた文学作品です。今回は奇想天外というか剣による決闘や銃撃戦に加えて、空中戦も飛び出すといった具合です。これが面白い!オーランド・ブルームが初の仇役というのもいいし、ミラ・ジョヴォヴィッチが素敵です、もっとも旦那様が監督ですからね。「17世紀のフランス。青年ダルタニアンは、ひょんなことから三銃士への仲間入りを果たす。やがて、王妃の首飾りをめぐる怪事件が発生」 三谷幸喜の人形劇を観ていたからすんなり入れました。
フラガール

WOWOW
2006年公開で、日本アカデミー賞、ブルーリボン賞、キネマ旬報ベスト1など数々の賞を受賞しました。今頃になって観ましたがいい映画でした。「昭和40年、閉鎖に追い込まれた福島県いわき市常磐炭坑。危機的状況の中、炭鉱で働く人々はツルハシを捨て、北国のまちを常夏の楽園に変えようと立ち上がります」。実話を元に作られています、感動の物語です。
今回の大震災でもフラガールたちは、復興への願いを込めて“全国きずなキャラバン“を実行していて、健在です。
一命


37
1962年仲代達矢で映画化されています。前作(切腹)は高校生の時に観たのですが筋立てとラストの殺陣はしっかりと頭に残っていました。今回のものも全く見劣りがしません。「徳川の世、大名の取り潰しが相次ぎ、困窮する浪人が続出する。そして、大名の屋敷に押しかけては切腹すると言い、職や金をせびる“狂言切腹”が流行する。そんなある日、一人に武士が切腹を願い出てくる・・」武士の面目とは何なのか、形式に生きる姿勢を問うています。良質の映画です。役者としての海老蔵はいいですね。
猿の惑星/創世記〈ジェネシス〉

36
そうか~、チャールトン・ヘストンが不時着した宇宙船の中で眠っている間に地球ではこんなことが起きていたんだ。1968年の名作『猿の惑星』シリーズの“エピソード0”ともいえるお話です。「神経科学者のウィルは、アルツハイマー治療薬を開発していた。妊娠していた実験台のチンパンジーが凶暴化し射殺される。ウィルは赤ん坊をシーザーと名付け、可愛がっていた。シーザーは驚異的な知性を発揮するが、ある誤解から施設に入れられ、人類を憎悪するようになる・・」。 人類が滅びるのは細菌?核?
ミケランジェロの暗号

35
アカデミー賞外国語映画賞を受賞した『ヒトラーの贋札』のスタッフによる歴史サスペンス映画です。お話は「1930年代のウィーン。ユダヤ人の画商一族はナチス・ドイツの併合を前に国外脱出を試みるが失敗し強制収容所に。一家所有の国宝級絵画(400年前にバチカンから盗まれたというミケランジェロの幻の名画)は没収され、ムッソリーニへの贈答品となるはずが贋作と判明。家長が残した本物の在り処を示す“暗号解読“に息子が挑む」というもので結構面白かったです。ベルリン国際映画祭に正式出品された作品です。オーストリア映画です。
ワイルド・スピード MEGA MAX

34
シリーズ第5弾ということでしたが、シリーズ最後にして初めて観ました。車好きにはたまらないですね、高級車によるド派手なカー・チェイス最高でした。『トランスポーター』シリーズよりこっちの方が面白い。「服役中のドミニクを刑務所から脱獄させた元FBI潜入捜査官ブライアン。今やかけがえのない相棒となった2人は、ブラジルで高級車の強奪を重ねながら、永遠の自由を求めていた。そのためには、裏社会の黒幕から1億ドル奪う必要があった。連邦捜査官との対決も・・・」いやー、スカッとしました。
赤い靴


33
1948年に作られたもののデジタルリマスター版です。2年半かかって修復したとのことすごくきれいに仕上がっていました。内容も今観ても新鮮です。「世界一のプリマを夢見るヴィクトリアは、バレエ団主宰者レルモントフに見出され新作『赤い靴』の主役に抜擢。公演は成功し、作曲家クラスターとの恋も実らせ結婚を誓う。しかし、彼女に踊り続けることだけを強いるレルモントフ。両立は不可能だ、不確かな人間の愛に頼るダンサーは決して芸術家にはなれないと、彼女に言い放つ。苦しみ、そして悲しい結末へ・」
一枚のハガキ


32
撮影当時98歳という新藤兼人が、自らの実体験をもとに引退作として製作した反戦ドラマです。「戦争末期に召集された中年兵士の啓太は、1人の兵士から『自分は戦死するだろうから生き残ったらハガキは読んだと妻を訪ねてくれ』と一枚のハガキを託される。終戦後、啓太はわずかな生き残り兵士となり故郷に戻るが、妻は父と出奔し、村で生きる道はなかった。ハガキを書いた友子を訪ねると、彼女は家族を亡くし、貧しい農家でひとり懸命に生きていた」戦争に翻弄され全てを奪われても・・・。
世界侵略
ロサンゼルス決戦



31
ロサンゼルスを舞台に、地球を侵略してきたエイリアンに立ち向かう海兵隊員の死闘を描いたSFアクション。ドキュメンタリー調の戦争映画のスタイルに未確認飛行物体の実録映像などを盛り込み、壮絶な地上戦が展開するのですが、始めから終わりまで戦闘シーンばかりで筋立ても想像できるもので新鮮味はありませんでした。私的には「SUPER8」の方が夢があって良かったです。特に年寄りには、このドキュメンタリータッチがいけません。画面に酔ってしまいます。
人生、ここにあり!


30
イタリアで法律によって精神病院が閉鎖された実話をもとに作られたコメディタッチの映画です。イタリアでは動員数40万人超、54週ロングランの大ヒットを記録し、イタリア・ゴールデングローブ賞を受賞しています。地味な感じですが段々と引き込まれていきます。「元精神病患者の受け入れ先の施設に、労働組合から異動を命じられた男が左遷されてくる。彼には病に対する知識はないが、解放された者たちの人格を認め、彼らの根気や細部へのこだわりを活かした寄せ木細工の事業を立ち上げる・・・」 あきらめない心!
日輪の遺産


29
2000年に読んだ浅田次郎原作の映画です。この作家のものでは好きな本です。物語は「終戦間近の昭和20年8月、帝国陸軍の真柴少佐に密令が下る。それは敗戦を覚悟した上層部が祖国復興の資金としてマッカーサーから奪った巨額の財宝を、陸軍工場へ隠匿せよというものだった。真柴は2人の部下と20人の少女を使って、その極秘任務を遂行。無事終わったかに見えたとき、軍は少女たちに非情な命令を下す」というものです。浅田ファン必見の映画です。最近、終戦前後を描いたのが何故か面白いです!
SHANGHAI


28
『愛が命取りになる街・上海』 1941年、太平洋戦争開戦直前の上海を舞台に米国謀報員の死から始まった列強国の陰謀に巻き込まれる男女の姿を描くサスペンスです。上海共同租界・中国マフィア・日本軍・米国諜報員とワクワクするような舞台装置です。特に3カ月前に行ったばかりの街・上海・・・。渡辺謙、菊池稟子もいい味を出していますが、やはり、コン・リーがいいです。佐々木謙の『ワシントン封印工作』を読んでいたので、遠く離れた上海でもこんなことが起きていたのと興味深く観ました。
ツリー・オブ・ライフ

27
『父さん、あの頃の僕はあなたが嫌いだった』 ブラッド・ピットとショーン・ペンの共演、40年の時を経て親子を演じています。2011年カンヌ国際映画祭でパルムドールに輝いた感動作です。「1950年代、オブライエン家の長男ジャックは、両親と2人の弟たちと何不自由なく暮らしていた。だが男が成功するためにはが必要と考える父と、慈愛に溢れた母との間で揺れる。40年後成功したジャックは少年時代を振り返り人生の意味を探ろうとする」宗教的な考え方、人間の存在、幻想的な宇宙など『2001年宇宙の旅』を思い出します。
コクリコ坂から

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宮崎駿が企画&脚本を担当し、息子の宮崎吾朗が監督しています。。
舞台は1963年の横浜、16歳の女子高校生が主人公です(葉子ママと同級生になります)。話は「東京オリンピックの前年、古いものは壊され、新しいものがすばらしいと信じられていた時代。海が通う横浜の高校では、明治時代に建てられた由緒ある校舎の取り壊しを巡って小さな紛争が起こっていた。その中で海は、1年先輩の俊と出会う・・」 私達の生きた青春時代を思い出し、もう一回観たくなる映画です。
トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン

25
ものすごい迫力で、劇場の座っている椅子が震えました。ただ、2時間34分3Dの眼鏡をかけていると観終わったときにはかなり目が疲れていました。ご存じトランスフォーマーシリーズ第三弾、完結編です「1969年のアポロ11号による月面着陸という歴史的偉業の裏で起きていた出来事を40年近く政府が隠し続けてきたことと関係し、度重なるディセプティコンによる地球侵略が行われる。この危機に立ち向かっていくサムとオートボットのトランスフォーマーたち・・・」。最近の映画はすごいですね。
アンダルシア 女神の報復

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『アマルフィ 女神の報酬』に続く「外交官・黒田康作」織田裕二主演のサスペンスです。大規模なスペインロケを敢行したとかで、そちらも見ものです。誰かさんが好きな福山雅治が前作に続き、女好きなジャーナリスト役で登場しています。黒木メイサ、伊藤英明も好演。「黒田は、日本人投資家が殺された事件の調査を依頼され、第一発見者の銀行員・結花、事件を担当するインターポール捜査官・神足に会う。だが結花は何かを恐れて口を閉ざし、神足も何か隠しているようだ・・・」 スペインはいいですね。
ジュリエットからの手紙

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『ロミオとジュリエット』の舞台である愛の都・ヴェローナ。その街にはジュリエットの生家があり、年間5000通もの恋の悩みが届けられている。そして“ジュリエットの秘書“と呼ばれる女性たちが、その手紙に返事を書いている。この映画はジュリエットからの手紙が導いた感動の実話を基にした愛の物語です。「ジュリエット・レターから始まる50年前の初恋を探す旅に出る」話です。アマンダ・セイフライト、゙ヴァネッサ・レッドグレーブ(73歳)に懐かしのフランコ・ネロ、それぞれがいい味を出しています。時にはこんなラブストーリーも素敵です。

ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2

22
PART1はかったるかったですが、この2は面白かったです。2001年の第1作『~賢者の石』から足かけ11年にわたり製作された『ハリー・ポッター』シリーズ完結編。主役の3人も子役から10年もこの役を演じきったことになります。話は「“分霊箱”を探す旅に出たハリー、ロン、ハーマイオニーに、ヴォルデモートと死喰い人たちが襲いかかる。彼らはだんだんと追いつめられていく・・」 その中であらゆる真相がわかってきます。4・5作目は見損ねましたましたが、完結編を観ると物語がよくわかりました。
パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉

21
ヒットシリーズの4年ぶりとなる第4弾。ペネロペ・クルス扮するセクシーな女海賊アンジェリカなど新たなキャラクターを迎え、史上最強の敵“黒ひげ”とジャック・スパロウとの対決を描いています。第一作が2003年です、その時はディズニー作品とは思わずに観ていました。今回も面白いのは面白いですが筋の先が読めるので少し物足りなさもありました。やはり最初に作られたものがいいですね、もっともヒットしたから続きを作るのでしょうが・・・、私は一作目が新鮮でよかったです。
SUPER8

スティーヴン・スピルバーグ製作のSFサスペンスです。物語は「14歳のジョーは事故で母を亡くしたばかり。寂しさの中、仲間たちと8ミリ映画の撮影中、列車事故に遭遇し、軍が隠すある秘密を目撃してしまう。そこで、少年たちは未知との出逢いを経験し、その想像を超えた状況の中で成長していく」というもので『E・T』 『未知との遭遇』 『スタンド・バイ・ミー』を思わせます。、アメリカの空軍基地「エリア51」にまつわる都市伝説と実際に起きた事件をモチーフにして作られたそうです。
ヤコブへの手紙


『すべて、疲れた人、重荷を背負っている人は、わたしのところに来なさい。わたしがあなたを休ませてあげます(マタイ伝の福音書11章28~30節』 フィンランド映画です、第66回フィンランド・アカデミー賞作品賞、監督賞など受賞した作品で1時間15分の小さなお話です。「70年代のフィンランドの片田舎を舞台に、刑務所から出てきたレイラと、人々からの手紙を待ち続ける盲目の老牧師ヤコブ、手紙を届ける郵便配達人の3人が紡ぐ、手紙を巡る物語」で静謐ながらも温かな視線で綴られた秀作です。
ブラック・スワン

ナタリー・ポートマンがアカデミー主演女優賞はじめ数々の賞をもらった映画です。「ニューヨークのバレエ団に所属するニナは『白鳥の湖』のプリマに抜擢されるが芸術監督の演出で、純真な白鳥と邪悪な黒鳥との二役を演じなければならない。優等生タイプのニナは黒鳥をうまく演じることができず、しだいに精神的に混乱していく」というもので観るまではプリマの座を射止めるまでの話と思っていましたがすごい心理サスペンスでした。ポートマンは9キロ減量し、次第に精神が壊れていく役を熱演してます。
アジャストメント

アジャストメント・ビューロー(運命調整局)なる謎の集団により自分の“運命“が操作されていることを知った主人公が、支配されない運命を手に入れようと抵抗する姿を描いたサスペンス&ラブ・アクションです。人間はまだ自分では運命を決められるほど成熟していない、歴史の合間合間に彼らが現れ人間社会の運命を変えていく中にマット・デイモン、エミリー・ブラント、二人の恋までもが決められているのか・・。人は運命のままに生きるのか、それとも自分の運命は自分で開いていくのか・・・あなたはどちら?
アンノウン


『unknown』とは未知数の意味?ということで冒頭から”不思議”に巻き込まれていきます。昏睡状態から目覚めた主人公が、自分の名前や家族などアイデンティティのすべてを他人に奪われているです。あなたならどうします?「アメリカからベルリンにやってきたマーティン博士は自動車事故に遭遇。その4日後、昏睡状態から覚めるが、妻が自分のことを知らないと言い、見知らぬ男がマーティン・ハリスとして存在していることを知る。さらに謎の暗殺者からも命を狙われて…」と、ネタバレにならないように・・。
ザ・ファイター

アカデミー賞助演男優賞・助演女優賞受賞作品です。『実在する伝説のボクサー、ミッキー・ウォードと異父兄弟のディッキー、ふたりのリングでの熱き闘いと、兄弟愛を描いた感動作』とありました。「ミッキーは天才的ボクサーの兄ディッキーと違って、なかなか勝つことができない。そんなある日、ディッキーは薬物に手を染め、監獄送りになってしまい、家族はバラバラに。恋人の支えもあり、再びリングに上がる決意を固めたミッキーは、出所してきた兄をトレーナーに迎え、世界の頂点を目指す」見応えあります。

ーガクー

椎名誠の息子『岳』の話ではありません。小学館漫画大賞を受賞した石塚真一の人気コミック「岳 みんなの山」を実写で映画化したものです。
「北アルプスに、こよなく山を愛するエキスパート、島崎三歩がいた。長野県警山岳救助隊に配属された椎名久美は、三歩と出逢い、その大らかすぎる人柄に戸惑いながらも、多くのことを学んでいく。そんな時、猛吹雪の冬山で多重遭難が発生する・・」。三歩の『山で捨ててはいけないものはゴミと命』という言葉がグッときます。山を愛する人は必見の映画です。
まほろ駅前多田便利軒

2006年にbookで紹介した三浦しをん原作(直木賞受賞)を瑛太&松田龍平ふたりの主演で映画化したものです。「東京郊外の地方都市“まほろ市“で便利屋を営む多田のもとに、ある年の正月、高校の同級生・行天が転がり込んでくる。多田の手伝いをするのを条件に行天は彼の家に住み着き始めるが、そんなふたりの店には曲者の依頼人が次々と訪れるのだった」。bookにも書きましたが話が進むほどに引き込まれて人の優しさが胸にしみてきます。人間何が大切か・・・、教えてくれます。
わたしを離さないで


2009年book(⑮)で紹介した本の映画化です。まさかこれが映画化されるとは思っていませんでしたが原作どおり素晴らしい映画になっていました。沢木耕太郎が『宿命を静かに受容する。その態度は美しく気高いが、同時に悲しく無惨でもある』と書いています。「痛切な運命を背負いながら、懸命に生きる3人の若者彼女たちの絆を繋ぐ<秘密>とは?純粋培養さながらに大切に育てられた若者たちは、見知らぬ誰かのためにこの世に生を受けた<特別な存在>だったのだ」 人間の尊厳とは?
ザ・ライト −エクソシストの真実−

カトリックの総本山であるバチカンを舞台に、悪魔払いの教室に通う神学生と、その教師となる神父が、実際に悪魔に憑かれた少女から悪魔を祓おうと奮闘する話です。アカデミー賞受賞の名優、アンソニー・ホプキンスが悪魔と戦う神父役を演じていますが、これがまた恐い。しかもこれは実話に基づいていることで、悪魔ばらいを行う司祭エクソシストという神父が実際にいるということも初めて知りました。
ホプキンスの鬼気迫る演技には「ハンニバル」を思い出します。
白いリボン


カンヌ国際映画祭パルム・ドール、ゴールデングローブ賞外国語映画賞をはじめたくさんの賞をもらっています。2009年の映画ですが全編モノクロ映像です。話は「第1次世界大戦直前の北ドイツを舞台に、教会や学校の指導でプロテスタントの教えを守って暮らしてきた小さな村の住人たちが、次々と起こる不可解な事故によって不穏な空気に包まれていく」様を描いています。宗教、大人のエゴと子供の怖さが観終わって、じわーっと胸にしみてきます。ミステリーの部類?ナチス台頭前夜の話です。
アンチクライスト

2009年のカンヌ国際映画で上映され、賛否両論を巻き起こした映画です。実際にうつ病を患った監督が、一種の治療として脚本を書き、撮影を行ったとか。正視に耐えないようなシーンも出てきます。「愛し合っている最中に息子を事故で失った夫婦。深い悲しみと自責の念から次第に神経を病んでいく妻。セラピストの夫はそんな妻を山小屋に連れて行って治療しようと試みるが、事態は次第に悪化・・・」登場人物は男と女と子供の3人だけです。サイコスリラーか、エクソシストものか理解できない映画でした。
ツーリスト


ジョニー・デップとアンジェリーナ・ジョリーが初共演した話題作です。ジョニーが全く普通の役です、それにしてもアンジェリーナがキレイでした。「イタリアを訪れたアメリカ人旅行者のフランク。ヴェネチア行きの列車の中で上流階級の美女エリーズと知り合った彼は、誘われるままにアバンチュールを楽しむ。ところが、そこに仕組まれた罠に落ち、フランクは巨大な陰謀に巻き込まれてしまう…」。というもので軽めのミステリーです。派手なアクションがあるわけでもなくおしゃれな映画という感じです。どんでん返しあり。
英国王のスピーチ

今年のアカデミー賞で、作品賞、監督賞、主演男優賞などを受賞しました。受賞する前から関心を持っていましたが「ソーシャル・ネットワーク」よりこちらの方が遥かに見応えがありました。現エリザベス女王の父ジョージ6世をモデルに実話を映画化したものです。「供の頃から重度の吃音に悩まされてきたジョージ6世は、自分に自信が持てず、内向的な性格だった。しかし英国の王として、言語障害の専門医ライオン・ローグを雇い吃音の克服に挑戦・・・、次第に国民の支えになっていく」というものです。
REDレッド


RED(Retired Extremely Dengerous)とは、引退した超危険人物という意味です。CIAを引退して年金生活をしている男達(女も)が活躍するアクションエンターテイメントです。「ブルース・ウィリス、モーガン・フリーマン、ジョン・マルコヴィッチらが引退したCIAエージェントに扮し、彼らを抹殺しようとする巨大な陰謀の黒幕を追い詰めていく姿を描く痛快アクション。“若造には負けん!”とばかりに老体をムチ打ち過激なアクションを展開します」胸がスカッとして面白いです。興業収入はエクスペンダブルズを抜きそうとか?
ソーシャル・ネットワーク

ハーバード大学の青年が、世界最大のSNS“Facebook”を創設する過程を追う話し。わずか数年で億万長者になった青年の葛藤や苦しみを描いています。「'03年、名門ハーバード大学の学生マークは機能に富んだ大学内のネットワーク・サービスを設立。それはたちまちま評判となり、世界的な規模に広がった。だが、それにより友人を失ったり反感を買ったり・・・」。
実際にあったことを映画にしていますが、ネットの世界に興味がないと会話が意味不明になることも・・・。興味のある方はどうぞ!
アンストッパブル

私の好きなデンゼル・ワシントン主演で話は2001年にアメリカで起きた列車暴走事故を基に、大災害を阻止すべく立ち上がる2人の鉄道員の奮闘を描いたアクションです。「CGの使用を抑えたリアルなアクションの連続はもちろん、仲間や家族との絆を描いた感動のドラマにも注目」とありましたが、観ていてグッとくるものがありました。操車場に停車していた貨物列車が整備員のミスで暴走を始めるのですが、私達の周りでも『ちょっとしたこと』にいろんな事故が起こります。基本を大事に頑張りましょう。
SPACE BATTLESHIP ヤマト

ご存じ、アニメ「宇宙戦艦ヤマト」を古代進役に木村拓哉、森雪役に黒木メイサを起用して作った実写版です。ストーリーは「’74年に放映されたアニメシリーズ第1作をベースに、放射能に汚染された地球を救うために遥か遠いイスカンダル星へと旅立つ宇宙戦艦ヤマトの冒険」を描いています。
『ALWAYS 三丁目の夕日』を大ヒットさせた山崎貴監督ということもありそれなり面白くできていました。ヤマトのファンとしてはテーマソングがバックに流れるだけでジーンき来ます。
武士の家計簿

歴史教養書としてベストセラーとなった新書を、森田芳光監督が堺雅人主演で映画化したものです。「幕末から明治維新の激動期を背景に、御算用者(会計処理の専門家)として代々加賀藩の財政に携わってきた下級武士の猪山直之が、家財道具を処分し、倹約生活を実行しながらも、妻と協力して家族を支え、家芸を守りながら力強く生きていく」姿を描いたものです。今の私達の生き方に警鐘を鳴らしているような気がします。2時間を超える映画ですが飽きません、面白いと同時に考えさせられます。必見です。
ノルウェイの森

'87年に刊行され記録的なベストセラーとなった村上春樹の同名小説を、ベトナム出身のトラン・アン・ユン監督が映画化したものです。2008年bookで紹介しています、映画の出来としてはいいのですがこんな微妙なお話はやはり難しいのでは?という感じがしました。本では『ドイツ行きの機内で“ノルウェイの森“という曲を耳にしたワタナベは、18年前に恋に落ちた直子のことを思い出す』。といったところから始まるのですが、それはありません。松山ケンイチ、菊池凛子を始め出演者はいい味が出ています。