cinema(2016)

ローグ・ワン スター・ウォーズ・・・
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「エピソード3 シスの復讐」と「エピソード4 新たなる希望」をつなぐ、これまで語られることのなかった物語を映画化したとありました。エピソード4のオープニングで『反乱同盟軍のスパイが、帝国の誇る最強兵器であり宇宙要塞であるデス・スターの設計図を盗み出すことに成功した』 から着想を得て作られたと言うことで、いかにして反乱軍が設計図を盗み出したか?を描いた物語です。フォースの使い手でもなく、ジェダイでもない普通(よりちょっと強いかな、座頭市も出てくるのがよかった)の人が活躍する話しで1~7の本編より違う趣があります。(ここからネタバレ) ラストでローグワンチーム全員が死んでしまいます、設計図を奪還するがためのミッションだったのです。切なく哀しい結末でした。
禁じられた遊び

ビデオ
名匠 ルネ・クレマン監督による1952年のフランス映画。「1940年、機銃掃射で両親を失い、さまよっていた5歳の少女ポーレットは、少年ミシェルと出会い彼の家に連れていってもらう。ポーレットのために死んだ子犬の墓を作るミシェルから、死んだものはこうやって葬る事を教わる、そして二人は次々とお墓造りをしていく・・・」 何十年、何百年経っても色あせない映画の金字塔だと言われるこの映画、アカデミー賞名誉賞、ヴェネツィア国際映画祭サン・マルコ金獅子賞などを受賞しています。何回観ても感動します、特にラストの『雑踏に消えていくポーレットの「ミッシェル、ミッシェル・・・・」という頼りなげな叫び声」は、いつまでも心に残ります。本当の名作とはこんな映画を言うのでしょうね。
永い言い訳

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bookでも紹介した西川監督(原作・脚本)による映画です 「突然の事故で伴侶を喪った2人の中年男、妻が死んだその時、編集者と情事を重ねていた作家・津村と、二人の子を持つトラック運転手・陽一の再生を描く物語」。ハッキリ言って本の方が主人公の心理がよくわかります。特にラストは・・・、映画では 『愛するべき日々に愛することを怠ったことの、代償は小さくはない。人生は、他者だ』 という言葉でで締めくくられますが、本を読んでいるとわかりやすいかな。でも、原作を先に読むと(一般的に)映画が面白くないと感じるのでは(内容を忘れていると別ですが)。本木雅弘はダメ男の複雑な心の動きをうまく演じている。なお、本作はデジタルではなく16ミリフィルムで撮影されています。
ジャック・リーチャー

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『アウトロー』(2013年cinema紹介)の続編です。話しは単純ですがけっこう面白かったです、 『インフェルノ』よりこちらがいいです。お話しは「元アメリカ軍のエリート秘密捜査官ジャック・リーチャー、ある日ケンカ騒ぎの末に保安官に連行されそうになり、自分をめぐる何かしらの陰謀が動きだしているのを察知する。やがて彼は、元同僚であったターナー少佐を訪ねるが彼女はスパイ容疑で逮捕されていた。彼女を助け出し事件の真相を追うことになる・・・」 娘(?)が登場するが、これが流れ者の物語に合っていたかどうか?  原作はイギリスのリー・チャイルドの”ジャック・リーチャーシリーズ”ものを映画化したものです。スーザン役のコビー・スマルダーズがさっぱり系の美人でいいです。
汚れなき悪戯

ビデオ
1955年のスペイン映画。「修道院の門前に捨てられ、フランチェスコ派の修道士12人によって育てられたマルセリーノ坊やに起きた奇跡」を幻想的に描いた不朽の名作です。観た人もいると思いますが『キリスト教の信者であるなしに拘らず、マルセリーノの純真無垢な心と修道士達との貧しくも人間愛に溢れた生活は感動的』という感想がありましたが、まさにその通りです。3回目くらいでしたが”マルセリーノの歌”はいつまでも耳を離れません。本当の優しさとは何か?時にこんな映画を観ると心が洗われます。
インフェルノ

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2014年に読んだ、ダン・ブラウン原作 3作目の映画化です。原作が面白いのでもちろん映画も面白いかな?bookにも書きましたが舞台がフィレンツェ、ヴェネツィアというのもいい、最後はこういう映画には欠かせないイスタンブールです。「人類が人口爆発のせいで滅亡するという説を唱えるある科学者。大災害か何かが起こって世界の人口が激減しない限り、あと百年も生きのびられないだろう、そこにし組まれた遺伝子操作による計画が・・・」 ダンテの”神曲”の”地獄篇”が謎解きの鍵です。原作とラストが違います、ヒロイン・女医シエナとWHO長官シンスキーの扱いに注目です。フィレンツェ、ヴェネツィアに旅された方は是非ご覧ください。トム・ハンクスも60歳です、もう少し痩せないと走るのがキツイ?
シークレット・アイズ
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2009年のアルゼンチン映画「瞳の奥の秘密」を、ニコール・キッドマン&ジュリア・ロバーツというオスカー女優の初共演でリメイクしたサスペンススリラーです。ニコールが好きな私は観ないわけにはいきません。新聞の評に『涼しくなるサスペンス』とありました。「02年、9.11後厳警戒態勢下のLA。FBI捜査官レイは、殺人事件の知らせを受け現場に・・・。被害者は、仕事上のパートナー検察局捜査官ジェスの娘、捜査に乗り出したレイとエリート検事補クレアはやがて容疑者を特定するが、FBI内部の事情により、真相は闇に葬られてしまう。それから13年後・・・」 最後の最後まで面白かったです。ニコールの赤いブラウスとジュリアのパンツスーツ姿が格好いいとありました、二人とも同じ歳のアラフィフ、素敵です。
ルーム

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母親役のブリー・ラーソンが、アカデミー主演女優賞を獲得した映画『ルーム』。「納屋に7年間も監禁された女性と、そこで生まれ育った5歳の息子が、外の世界へ飛び出す冒険と苦悩。それと社会へ適応していく過程で生じる葛藤を描いたドラマ」です。主演のラーソンより子役のジェイコブ・トレンブレイに賞をあげたいほどの名演技です。実際にあった事件(2008年、オーストリアで起きたフリッツル事件:これは24年間監禁)をモチーフに作られているそうです。全体が二つの話(監禁されている部屋とそこから出るまでの話と脱出し前を向いて進めるようになるまで)で構成されています。ラストのまとめ方が実にいいです。 ”一人で部屋から脱出し、警察に保護されたジャックが、母親ジョイに再会する”シーンは涙でした。
ニュー・シネマ・パラダイス
(ビデオ)
1989年製作の映画史に残る至高の名作です。舞台のシチリアに行くので今回デジタルマスター版(完全版)を新たに買って観ました。やっぱりいいですね、あの音楽とトト少年の笑顔とアルフレードの優しさが胸に迫ってきます。完全版でないとブリジット・フォッセー(『禁じられた遊び』の名子役)が出てこないのです。トトとエレナの恋をアルフレードが禁じていたことがわかります。また、完全版では結末が「エレナに囚われて長い年月忘れていた映画を愛する心を取り戻す」という意味合いになるのです。物語の舞台となったアドリアーノ村には”ニューシネマパラダイス館”なるものがあるそうです、それにトト少年を演じたサルヴァトーレの経営するレストランも近くにあるとか・・・。行ってみたいけどなぁ~!
ボーダーライン

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原題のSicarioとはスペイン語で『殺し屋』の意。第68回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品されているが犯罪映画です。アメリカとメキシコの国境地帯で繰り広げられる麻薬戦争の現実を、リアルに描いたクライムアクションとなれば絶対に観ます。しかし、現実にこんなことが起きているとすると怖いどころではありません。メキシコとの国境に壁を作るとか言うバカもいます、そんなことで防げるようなものではありません。「メキシコの麻薬カルテルを殲滅するため、FBI捜査官ケイトは、謎のコロンビア人とともに国境付近を拠点とする麻薬組織撲滅の極秘作戦に参加。しかし、常軌を逸した作戦内容や、人の命が簡単に失われていくのに善と悪の区別がつかなくなっていく・・・』 麻薬は人を狂わせる!
ゴッドファーザーPART III
(ビデオ)
シチリア島に行くので復習するために観ました。
1990年の作品(前作より16年を経て製作)です。「三男・マイケルは父・ヴィトーからファミリーを受け継ぎ、次兄・フレドを殺す(『ゴッドファーザー PART Ⅱ』)。それから20年後の1979年。初老にさしかかったマイケルは、「ヴィトー・コルレオーネ財団」という名のもとに多額の寄付をしてバチカンより叙勲(表彰)されるようになっていた。一切の犯罪から手を引くことを宣言したのだったが・・・」シリーズ最終作で、切ない人間ドラマに仕上がっています。後半部分はシチリア島が舞台で、しっとりしたシチリアの風景が描かれています。ラストのマッシモ劇場に行けるのが楽しみです。若いダイアン・キートンはキレイ!
うつくしいひと

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行定勲監督が、『くまもと映画プロジェクト』で手がけた中編作品。監督のほか、橋本愛、高良健吾ら出演者も熊本県出身者で、熊本城や夏目漱石旧居、江津湖、菊池渓谷など、熊本の名所旧跡で撮影。セリフも熊本弁です。熊本地震で熊本城や阿蘇が被害を受けたばかりで、被害前の美しい風景が見物です。姜尚中がホイットマンの詩”若い女は美しい。でも老いた女はもっと美しい”と橋本愛に言うシーンがあります、どうですか?ミステリアスな部分も含みながら「小さな本屋でアルバイトをしている大学生・透子に常連客の一人が透子の母親・子を怪しげな男がつけていたと知らされる。鈴子が師範をしている華道教室にバイト帰りに寄った透子は黒いロングコートの男が庭先に佇んでいるのを目撃する・・」。
スポットライト 世紀のスクープ 
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アカデミー賞(作品、脚本)を受賞、でも何故か大手では上映されなく名画座などでの上映です。地味な映画というのは儲からない?ところが、目が離せないくらい面白いのです。「ボストンで数十人もの神父による児童への性的虐待を、カトリック教会が組織ぐるみで隠蔽してきたという衝撃のスキャンダルを新聞”ボストン・グローブ”が暴く・・・」 1,000人以上が被害を受けたとされるその事件は、なぜ長年にわたって黙殺されてきたのか? カトリック教会の強い力、教会が地域に対し大きな影響力を持っていた、fまた神父という存在の大きさなど、『神様にはノーと言えない』 社会。巨大な闇に立ち向かう記者たちのお話。ローマ法王・ベネディクト16世は「アメリカ社会の堕落にも責任」があると言及したそうです。権力と人間!
不屈の男 アンブロークン
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この映画は日本の右翼派閥からの抗議の対象となり。日本で配給する予定だった東宝東和株式会社を説得し、日本での公を無期延期としました。 観てみると反戦映画ではあっても反日ではありません。一つの映画が公開できないなんて日本という国がおかしくなったとしか思えません。「1936年のベルリン・オリンピックに出場したルイは、第2次世界大戦に空軍パイロットとして戦地へ向かう。しかし、海に不時着し47日間漂流したのち、日本軍の捕虜となる。捕虜収容所では、ワタナベ伍長(MIYAVI)の非人道的な虐待を受ける…」 不屈の男をしっかりと描いています。日本軍人が人肉を食べるシーンなどありません。ラストには本人・ルイが長野五輪の聖火ランナーとして走るシーンがあります。(写真は監督のアンジー)
愛しき人生のつくりかた

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パリとノルマンディーを舞台に、母と息子、そして孫の3世代が織りなす物語を描いたフランス発のハートウォーミングドラマです。「パリで静かに生活していたマドレーヌの夫は、クリスマスを目前にこの世を去ってしまう。3人の息子に恵まれ、幸せな人生を送ってきたマドレーヌだったが、一人になってふとこれまでの人生に思いをはせる。ある日、彼女は消息を絶つ・・・」 映画も原作も原題が『思い出』となっています、人生に迷ったら過去を見つめ直すといい。高齢者問題や家族の危機等モチーフになっていて、観る人の家庭状況を振り返るきっかけになるかも・・・。心優しきマドレーヌ役を演じるのは、歌手のアニー・コルディ(86歳)、素敵です。観終わってじんわりと心に温かい余韻が残る映画です。フランス映画はおしゃれ!
バットマン vs スーパーマン 
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バットマンとスーパーマンと、どちらが好きですか?私はスーパーマンが好きなんですが、この2人が戦うとなれば・・・、困りますね。スーパーマン前作 『マン・オブ・スティール』の続編に当たります「バットマン(ベン・アフレック)は、両親の殺害現場を目撃したという過去のトラウマから犯罪者一掃に力を注ぎ、一方超人的能力を持つスーパーマン(ヘンリー・カヴィル)は、その力を人類のために惜しみなく使ってきた。だが、その破壊力の強大さゆえに、スーパーマンは人々からバッシングを受けるようになり…」 ラストの闘いでワンダーマン(ガル・ガドット)も登場、花を添えます。actionがすごい!ジャスティスというのはスーパーマン、バットマン、ワンダーウーマンの3ヒーローのチームの名前。ということは続編があると言うこと?
家族はつらいよ

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名作『東京物語』から『東京家族』を製作、そして『男はつらいよ』終了から約20年ぶりの山田洋次監督の喜劇。『邦画はつらいよ、なんて言ってみたくなりますが、いやいやどうして、山田監督絶好調ですね!』という感想がありました。洋の東西を問わずいい映画は何でも観たいkochanとしては寅さん以来笑らった映画でした。お話しは「3世代で同居をする平田家の主、周造。妻・富子の誕生日を忘れていたことに気付き、彼女に何か欲しいものはないかと尋ねてみると、何と離婚届を突き付けられる・・・」ところから始まります。” 感謝の気持ちや相手に対する愛情は、言葉に出してこそ通じるもの”(寅さんでも語られていた) 妻夫木聡、蒼井優がいい、それと、うな重のくだりの夏川結衣は面白かった。
エヴェレスト
神々の山嶺

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1997年に刊行された夢枕獏の小説を映画化。 「かつて天才クライマーと呼ばれながらも、無謀で他人を顧みないために孤立した伝説のアルピニスト羽生を追いかける山岳カメラマンと、羽生を愛するひとりの女性を中心に物語は進む。羽生が前人未到のエベレスト南西壁冬期無酸素単独登頂に挑み。エベレスト登山史上最大の謎”マロリーはエベレストに登頂したのか?”という実際の登山界の謎を絡めながら・・・」もちろんフィクションです。 20年近く前に読んで感動した小説が、まさか映画化・・・。長い話を平山監督はよくまとめています。最後に原作者の言葉『この物語を書いて本当によかった。この映画は原作者に突きつけられた刃物だ。過去のぼくからの挑戦状のようなものだ、なまけないことを改めて誓う』
X-ミッション

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”南北アメリカ大陸、ヨーロッパ、インドを舞台に、陸、海、空でくりげられる生身のアクション。険しい山道を行くモトクロス、特大の波に乗るサーフィン、谷間を抜けて高速で滑空するウイングスーツ、未踏の山岳斜面を下るスノーボード、そしてそびえる絶壁を素手で上るフリークライミング。全てに息をのむ壮絶なスタント” CGを使わずに、実際トップアスリート達により撮影されたというすごい映像に度肝をぬかれます。1991年の『ハート・ブルー』 のリメイク版です「若きFBI捜査官ジョニー・ユタに、超一流アスリートチームに潜入せよとのミッションが下される。エクストリーム・スポーツのカリスマ、ボーディが率いるこの集団には、重大な疑惑がかけられていた・・・」 手に汗握る場面の連続ですがモヤモヤが吹き飛びます!
マネー・ショート華麗なる大逆転
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この映画はリーマンショックが何故起きたかということ、それに関連する金融用語を知らないと、全くチンプンカンプンで終わってしまう映画です。作中でも解説めいたシーンはあるのですが経済金融をかじったことのない私には怖さは感じたもののよく分かりませんでした。 「2005年サンノゼで、バリーは2~3年以内にサブプライム住宅ローンが債務不履行になるだろうということに気が付く。しかし、ウォールストリートの銀行家はそんな予測を信じようともしなかった。バリーはCDSと呼ばれている金融商品に手を出していく」 映画を観る前にサブプライムローン(低所得者に対する高金利の住宅ローン)の不良債権化問題、CDO(債務担保証券)、CDS(倒産保険みたいなもの)いったことを勉強してから観た方がいいでしょう。
ヘイトフル・エイト

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久々のクエンティン・タランティーノ作品 3時間を超える長さでも飽きません。至る所に伏線が張ってあり、しかも相変わらずのバイオレンス、思わず興奮します。サミュエル・L・ジャクソンも格好いいが何と言っても紅一点のジェニファー・ジェイソン・リー(ヴィック・モローの娘)がすごい(アカデミー賞、助演女優賞にもノミネートされていました)。謳い文句は『タランティーノが仕掛ける密室ミステリー』とありましたが、それより逃げ場のない中での生き残りをかけた闘いと言ったところでしょうか、物語は 「全員が嘘をついているワケありの男女8人が雪嵐のため山小屋に閉じ込められ、そこで起こる殺人事件をきっかけに、意外な真相が明らかになっていく」というものです。エンニオ・モリコーネがアカデミー賞作曲賞を受賞。
ニューヨーク 眺めのいい部屋・・・
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今の家を売って新しい住居を得ようと奮闘する熟年カップルの数日間を描いた素敵な映画です。モーガン・フリーマンとダイアン・キートン(私と同年)、二人とも好きな俳優です。「住み慣れた我が家を手放し、エレベーターのある部屋に引っ越すことを決めた夫婦が、愛犬の体調不良や近所でのテロ騒動、不動産相場の大荒れなど様々なトラブルに巻き込まれていく」姿を好ましく描いていて気持ちが暖かくなります。ジャスミンはブログで『オーナーK氏にムカついて憂さ晴らしに見る映画には不向きでした。素敵な夫婦を見ると逆効果(笑)』 と書いていました。そうです素敵な夫婦の方、又はなりたい方は是非2人でご覧ください。(私たちは2人で行ったのかどうか?ご想像にお任せします)。時にはこんな映画も良いですね。
オデッセイ

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「NASAによる火星有人探査計画で、嵐に襲われ、たった1人火星に残された男の物語。気温は-55℃、大気も水も存在しない、食料はわずかな宇宙食だけ、それでも希望を捨てない」 こんな絶望的な状況でも解決策はある?目の前に問題があるなら、それを解決するだけ。水や酸素はジェット燃料から作り出せる。食料は・・・残されたジャガイモがある。この映画から学ぶのは『不可能に思えても諦めない限り可能性はゼロではないということ。絶望の中でも開き直りのチャレンジ精神を持つ』。それに技術オタク達の活躍(科学賛歌)というのも見逃せません。クライマックスてデヴィッド・ボウイの”スターマン”流れ、登場人物の思いと行動がまさに一丸となって動き出すところは最高!思わず涙しました。
ザ・ガンマン

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性格俳優 ショーン・ペンの新境地。今彼はハイチで救援活動をしているそうです。この映画の出演依頼には物語をコンゴの難民支援活動と絡めることでOKしたとのこと。監督は”96時間”のピエール・モレル、話は「元特殊部隊の暗殺者ジム(ペン)はコンゴで鉱山利権が絡む極秘の暗殺任務をやり遂げ、身を潜めるように生きていた。しかし数年後、何者かによってターゲットにされた彼は、敵の正体を突き止めるため、再び銃を手にする…」 ペン(54歳)の鍛え上げた筋肉には驚かされます(スタちゃん真っ青?)。意外に評価は低いようですが私としては面白かったです。舞台はコンゴ、ロンドン、バルセロナ、後半のバルセロナはマドリッドを思い出し、特にラストの闘牛場は懐かしさいっぱいでした。ジャスミン・トリンカがいい!
ブラック・スキャンダル

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”ギャング、FBI、政治家が手を組んだ、アメリカ史上最悪の汚職事件が暴かれる!” 実話をもとにした映画です。「ボストンで生まれ、幼なじみとして育った3人の男たち。70年代、固い友情で結ばれた彼らは進んだ方向は違えど、大きな権力を握るようになり、やがてアメリカの正義の根幹を揺るがす大事件へと変貌する…」 と言う話で、すごく面白そうですが何となく物足りない気がしました。後半は少し盛り上がりますが・・・。主役の3人(ジョニー・デップ、ジョエル・エドガートン、ベネディクト・カンバーバッチ)の絡みも・・・、予告編では期待したのに今一でした。ジョニーの一人舞台、薄毛オールバックに気味の悪い青色の眼、これはすごかった!犯罪映画と言うより人間ドラマの感じでした。アメリカは怖い!
ホワイト・ゴッド少女と犬の狂詩曲
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東欧ハンガリーの映画。第67回カンヌ国際映画祭・ある視点部門賞とパルムドッグ賞を受賞しています。「心ない人間に対する強い怒りを抱えた一匹の犬が、施設に送られた犬たちと一緒に人類への反乱を起こす」という話ですが、タイトルからホンワカものかと思ったら何と『人間がみんな孤独で心が荒んでいたり、犬という弱者の反乱のドラマから多様な寓意が読み取れたりと、いろいろ意味深な作品』と解説がありました。生々しいシーンもあり度肝をぬかれます。人を襲うというのはヒッチコックの『鳥』を思い出しますが、これは『鳥』のように徐々に増えていくのではなく1匹からいきなり250匹に増えることで効果が出ています。少女の優しさが救いです。”猿の惑星”より、こちらの犬の方が切ないです。
ブリッジ・オブ・スパイ
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トム・ハンクスは(上手過ぎて)あまり好きではないのですがスピルバーグの『プライベート・ライアン』以来の傑作とのことと、時代の内幕ものは好きなので観ました。「冷戦中の1957年、FBIに逮捕されたソ連のスパイ。アベルの弁護を引き受けた弁護士ジェームズ・B・ドノバンは様々な嫌がらせを受けながらもアベルの死刑判決から禁固刑への減刑を成功させる。その功績により、ドノバンはアベルと1960年にソ連で撃墜されたU-2偵察機のパイロットとのスパイ交換の交渉を任命され、東ベルリンでの危険な交渉を開始する・・・」 前回の『杉原千畝』も同じですが、表に出ない裏での出来事(活躍)で歴史は動いているのが分かります、一見の価値あり!どうして戦争が地球上からなくならないのでしょうか?
杉原千畝
スギハラチウネ

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「第二次世界大戦中、日本領事館領事代理として赴任していたリトアニアのカウナスで、ナチス・ドイツによって迫害されていた多くのユダヤ人にヴィザを発給し、避難民の救済に尽力した」”日本のシンドラー”とも呼ばれる外交官・杉原の半生を映画いたものです。彼が救ったユダヤ人は、少なくとも6000人にのぼると言われています。1985年イスラエル政府より”諸国民の正義の人”としてヤド・バシェム賞を受賞しているが、日本政府からは2000年になりようやく公式の名誉回復がなされる。それまで―外務省幹部の反対を押し切ってやったことが千畝に対する敵意と冷淡さとなって続いていたのです。組織の中で、人間としての正義を貫くことがいかに難しいか、又執拗なまでの敵意・・。今でも官僚、政治家は同じ!
スターウォーズ
/フォースの覚醒

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”エピソード 6”のラストでデス・スターが破壊されてから約30年後の話。第三世代のレイが主人公。何と言っても嬉しいのはハリソン・フォード、キャリー・フィッシャー、マーク・ハミルが38年前から引き続き同じ役で出ていることです。懐かしぃ~!「銀河帝国は既に過去の存在となり、反乱軍は新共和国へと再編されていた。しかし最高指導者スノーク率いるファースト・オーダーが帝国の後継者として台頭し銀河系は再び戦争の時代を迎えていた」 やっぱり面白い!(ここからはネタバレですから観ていない人は、観てから読んでください)①レイはルークの娘か又はハンとレイアの娘か? ②ダニエルが出演『ファースト・オーダーに拘束されたレイの手錠を外すストーム・ルーパーを演じている。顔は出ないので、声に注目』 ですって!
クリード
チャンプを継ぐ男

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ジャスミンを狂わせているスタローンの”ロッキー”シリーズの新たな物語。「愛する妻や仲間に先立たれ、孤独な日々を送るロッキーの前に突然現れた黒人の若者アドニス。彼はライバルであり、親友だった亡きアポロの息子だった。その純粋な気持ちとボクシングへの覚悟を受け止たとき、ロッキーは己が培ってきたテクニックと熱き魂を叩き込み、ともにチャンピオンへの道を歩むことを決意するのだ・・・」 興奮と感動のストーリーなのでしょうけど、やはりスポ根ものです。人間模様を描いた『ミリオンダラー・ベイビー』とは対極にあります。(結末は想像できていても)観ていてそれなりに興奮して思わず手を握りしめていたりします。このシリーズは『諦めない、勇気をもらう映画』ではあります。落ち込んだ気持ちの時にはいい。
母と暮らせば

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井上ひさしが、広島を舞台にした『父と暮せば』と対になる作品として実現を願いながらもかなわなかった物語を、山田洋次監督が映画化したものです。吉永小百合、二宮和也そして黒木華が出演しています。「長崎の原爆投下から3年後、助産婦の伸子は幸い生きのびて、今も働いている。そこに原爆をあびて即死した息子の浩二が、幽霊になって楽しそうに訪ねてくる。二人は浩二の恋人・町子の幸せを気にかけながら、いろんな話をする・・・」 あの当時の世相をしっかりと描いています。印象に残ったシーンとして復員局という役所に自分の父親の戦死の状況を知りたいと幼い女の子が訪れる。この子の凜とした姿には思わず涙がこぼれます。戦争の悲惨さはもちろん、人としての優しさ、生き方にも感動を覚えます。必見!