cinema(2018)

 
ボヘミアン・ラプソディ

40(637)
1991年に45歳でこの世を去ったフレディ・マーキュリーを描いた伝記ドラマ。このような伝記物語にありがちな栄光に隠された“苦悩”と“挫折”を描いています。あまりロックに馴染みのない私には前半、ちょいと退屈気味でしたがバンドの方向性がおかしくなっていくあたりから人間ドラマとしての面白さが出てきます。また、音楽にも段々はまっていきラストの20分(特にライブのシーンの13分間)は圧巻、感動で震えが来るくらいです。ここで歌われる歌詞が、エイズという病を抱えたフレディの心境を表していると思います。“クイーン”と言うこのグループを当時よく知らなかったのですが、登場人物からライブ・エイドのステージシーンまで、本物そっくり!
アンナ・カレーニナ ヴロンスキーの物語
39(636)

「アンナが鉄道に身を投げてから30年後の1904年、日露戦争が始まった満州。成長したアンナの息子セルゲイ・カレーニンは軍医として戦地に赴いていた。ある日、母アンナのかつての愛人だったヴロンスキーと遭遇し、真実の話を聞くことになる」。原作ではふたつの愛の物語が同時進行しますが本作はヴロンスキーの視点で描かれていますので、もう一つの愛は出てきません。愛が壊れ始めるとわがままで傲慢になっていくアンナが今までのものとはイメージとは少し違います。アンナ役のエリザヴェータの表情、特に横顔が素晴らしい、ヴロンスキーとは実生活でも夫婦とのこと。ロシア制作の映画なので言葉(英語でない)や雰囲気がとてもいい!

赤毛のアン
卒業


38(635)
第三部、これでシリーズが終わります。「教師になることを目指し、ギルバートらとクイーン学院を受験して合格したアンは、下宿先でホームシックになりながらも、大学奨学金を獲得し、無事に卒業することができた。しかし、アンが成長する一方・・・」 アンの成長を見守るマシュウとマリラ、観ている私も同じようにアンの成長に喜びを感じ完全に感情移入してしまいます。しかし、マシュウの死には涙ですがこの物語ではここが一番の重要なシーンになります。悲しみを乗り越える強さとギルバートとの気持ちのすれ違いの解消など・・・。あ~あ、何回観ても素晴らしい!主演のエラ・バレンタインもまさにはまり役です。原作を読み直してみたくなりました。
華氏119

37(634)
ブッシュ政権を痛烈に批判したマイケル・ムーア監督が今度はドナルド・トランプを題材にしたドキュメンタリー。『トランプだけではなく、アメリカのあらゆる暗部を暴く、そしてその先にある希望も・・・』との評、観終わってホントに民主主義が壊れていく怖い思いをしました。大統領選の裏側や、トランプ支持の少数派の望む政策がアメリカ全土の意思へと変わっていく様など。それにトランプの言動が狂気へと突き進んだヒトラーとそっくりなこと。拝金主義がはびこり都合の悪いことは隠す政治家、一方高校生が立ち上がりデモに訴えていく姿には救いを感じました。民主党の駄目さや、まさかのオバマの裏切り行為etcもありますが、トランプを当選させたアメリカ社会にメスを入れています。我が国もアベを見ていると人ごととは言えません。
赤毛のアン
初恋


36(633)
赤毛のアン三部作の2部(1部は2017年公開)初恋です。アンがマシュウとマリラ兄妹の家で暮らすようになって2年、素直に好きと言えない13歳の揺れる心を描いています。「13歳になったアン。夜中に老婦人を驚かせてしまったり、ケーキに間違って薬を入れたりと、いろいろな失敗もあるけれど、親友のダイアナとは友情を深め、溌剌とした少女として日々を送っていた。そんな中、ケンカをしていたゲルバートと和解のチャンスが訪れるのだが・・・」 アンの物語は何回観ても心が晴れ晴れとしてきます。先日『100分de名著』でも取り上げられ認識を深めていたところでした。今回もプリンス・エドワード島の風景が素晴らしい。
1987、ある闘いの真実

35(632)
韓国民主化闘争の実話を描いた映画。「1987年1月、全斗煥大統領による軍事政権下。ソウル大学の学生が取調中に死亡した。拷問を隠蔽しようとする警察に対し、検事や記者、民主化運動家らが、真実を暴こうと動き出す」光州事件からわずか7年後の独裁政権末期の韓国、『社会を変えたのは人々のささやかな良心と小さな勇気だった』 という評がありました。今の日本、やりたい放題の政権に対し検察やメディアがまったく機能していない現状に諦めや無力感を感じるこの頃です。政治に無関心な人も騙されていることに気づいて欲しいものです。映画を観ながら日本は民主化を逆走しているようにも感じました、小さな勇気が欲しい!
判決、ふたつの希望

34(631)
クエンティン・タランティーノ監督の元でアシスタントカメラマンなどを務めたレバノン出身のジアド・ドゥエイリ監督が、自身の体験に基づいて描いた映画です。「レバノンの首都ベイルート。自動車修理工場を営む、キリスト教徒のレバノン人トニーと、住宅補修の現場で働くパレスチナ難民のヤーセル。そんな二人の間に起きた些細な口論が、ある侮辱的な言動をきっかけに法廷へと持ち込まれる」 “謝罪さえあれば!”こんなことにはならなかったのにと。ところが背景に宗教や政治が複雑に絡まりあったパレスチナ情勢があり。ヘイト、排他主義、人間の尊厳、とても深いです。『“心”を揺さぶる骨太な良作』との評がありました。
イコライザー 2

33(630)
世の裁けない悪人を19秒で抹殺していく“イコライザー”シリーズの第2弾(前作2014年)。今回、表の顔はタクシードライバー。主演はもちろんデンゼル・ワシントン(彼の映画では“ザ・ウォーカー”が好きです)、今回も胸のすく活躍 「CIA時代の元上官である親友スーザンが何者かに殺害され、マッコールは極秘捜査を開始。スーザンが手掛けていた任務を探っているうち彼の身の上にも危険が迫る。その手口は身内であるCIA・・・」 善良な人間には優しく、悪人に対しては1秒で首をへし折る、いいですね。スイタンブール発トルコの鉄道の中でのシーンから始まります、トルコ鉄道に乗ってみい!
散り椿

32(629)
モントリオール世界映画祭 審査員特別賞を受賞!原作は葉室麟。清廉に生きようとする侍たちの“凛とした生き様”、そして愛する女性のために命を懸けて闘う、“切なくも美しい愛の物語”なのです。「かつて藩の不正を訴え出たが認められず、故郷を出た瓜生新兵衛は、連れ添い続けた妻・篠が病に倒れた折、彼女から最期の願いを託され、故郷に帰ることに・・・」 まるで黒澤映画を観ているようです、三船敏郎を思わせる岡田准一の振る舞い。久し振りに素晴らしい時代劇を観ました。全編オールロケによる“美しい自然も見もの、海外で『絵画のような美しさ』と評されました。ラストの決闘シーンは凄みがあります。
スターリンの葬送狂騒曲

31(628)
『1953年の旧ソ連を舞台に、独裁者スターリンの死によって巻き起こった政権内部の争いをコミカルに描き、ロシアで上映禁止となって話題を集めたブラックコメディ』 とありました。スターリンの突然の死、だが悲しむ者は皆無、側近たちの仁義なき“イス取りゲーム”が勃発するのです。“逆らえば死という恐怖政治” 実話を辛辣にコメディー化しています。ここまでやっていいのか?この仁義なき戦いの黒幕はフルシチョフ、でも彼も1964年には失脚するのです。舞台はソ連なのに、全員英語を話してると言うのもおかしい。どこの国にもいる身勝手な愚か者たちを、とくとご覧あれ!プーチンの凄さにも通じる怖さを感じます。
ヒトラーを欺いた黄色い星

30(627)
ナチス政権下のベルリンで終戦まで生き延びた約1500人のユダヤ人の実話を映画化したもので、生存者の語りを交えながらキュメンタリーと合わせた構成の映画です。原題は『Die Unsichtbaren – Wir wollen leben見えない - 私たちは生きたい)』 で邦題は少し合わないような気がします。戦後次第に分かってくるナチスによるユダヤ人虐殺の事実、この生き残った人も苦しい人生を送ったのだろうと思います。また、危険を冒しながらもユダヤ人に手をさしのべたドイツ人がいたことも史実なのです。 悪魔の仕業としか思えません、二度と起きて欲しくないものです。日本も含めた世界の指導者が何となく焦臭いのです。
ウインド・リバー

29(626)
『インディアン強制移住法(1830年)』により、先住民の土地を奪ったときから白人社会とネイティブ・アメリカンの対立は続いています。米国の闇を描いたこの映画、クライムサスペンスとしても見応えがあります。物語は「“アメリカ最大の失敗”と言われる先住民保留地を舞台に、差別、偏見が渦巻く閉ざされたアメリカの僻地ウインドリバーで起きた殺人事件」を巡る話し。派遣されたのはFBI女性捜査官一人だけ警察も部族警察で6人しかいない。FBIの専門チームも殺人事件と認められないと出動しないような保留地。こんな事件が起きても失踪者、死亡者数の人数が分からないというのが現実です。トランプは観るかな?
検察側の罪人

28(625)
やはり原作を越えることはできません。特にラストをあんな風に変えてしまっては・・・、読後に残るやりきれなさをまったく感じませんでした。内容はbook(2018年版)をご覧下さい。原田眞人監督が脚本も書いていますが脚本が悪い。それに原作を読んでいないと少し分かりにくのではと思います。検事が早口で大声、セリフが長く観ていてちょいと疲れる。旧友(政治家)の政治的背景を語っているが、もう少し関連性を突っ込んで欲しかった。松重豊がいい味を出しています、ただ山崎努が何だったのと思えるくらい意味不明な描き方になっていた。人気タレントに気を使うとこんな結末になるのかなぁ・・・。
オーシャンズ8

27(624)
1960年に制作された『オーシャンと十一人の仲間』、それが2001年に『オーシャンズ11』としてリメイクされたところですが、今回はダニー・オーシャンの妹デビー・オーシャンが主人公となった女性版です。「仮出所したデビーは犯罪プロの女性に声をかけ、ニューヨークで開催される世界的ファッションイベント“メットガラ”の会場で1億5000万ドルの宝石を盗み出すという前代未聞の計画を実行に移す・・・」 出演はサンドラ・ブロック、ケイト・ブランシェット、アン・ハサウェイなど、女性7人が実に華やかでかっこいい! 58年前のフランク・シナトラ、ディーン・マーティン、サミー・デイヴィスJr.などを思いながら、時代の流れを感じます。ラストに8の意味がわかります。
告白小説、その結末

26(623)
“鬼才ポランスキーが仕掛ける戦慄のミステリー”とありましたが、怖さを感じながらスクリーンから目が離せません、あのラストは一体何だったの?少し混乱しましたが一晩寝たらスッキリと理解できた気がしました。「ある人気作家がいて、書けないスランプに陥って悶々としているところへ、ひとりの女性が現れ、かなり強引に近づいてきます。女性は、ELLEと名乗り、ゴーストライターだと自己紹介します。作家は戸惑いつつも、ELLEに惹かれ、ついには依存するようになっていくが・・・」エヴァ・グリーンの美しさが怖さを増します。張りめぐらされた伏線、ミステリーの真骨頂です。『狂気と、雨と、湿った女の嫉妬の匂い』
30年後の同窓会
25(622)
大義なき・ベトナム戦争とイラク戦争、この二つの戦争を背景に物語は進む 「イラク戦争で息子を亡くしたドクは、ベトナム戦争で共に戦った友人二人を30年ぶりに訪ねる・・・。それは息子の遺体を故郷に連れ帰る旅への同行を頼むためだった」失意の底にいるドク、バーを営む飲んだくれのサル、牧師となったミューラー、この3人、まさに“50歳のスタンドバイミー”。原題は“Last Flag Flying”。邦題は内容に合わない、もっと切なくて深いのです。戦争の意味、真実を伝えることが正しいのか? 主題歌・挿入歌はボブ・ディランです、いい感じ!人生の酸いも甘いもかみ分けてきた、大人の男のドラマです、胸にしみます。
ミッション:インポッシブル/フォールアウト
24(621)
いわゆる“スパイ大作戦”シリーズ、6作目。トム・クルーズではこのシリーズが一番好きです。トムは今回も派手に飛び回ります、バイクでパリ市内を突っ走り、ビルの屋上から屋上へ飛び移り、山岳地帯でのヘリの操縦などスタントを使用せず全て自分で演じたそうです。お陰で足を骨折したとも・・。アクションシーンの連続で2時間28分飽きさせません。「何者かによって複数のプルトニウムが盗まれ、三つの都市での同時核爆発が企てられます。イーサンらIMFのメンバーはそれを未然に防ごうと奔走するが・・・」 ハラハラドキドキでも絶対に負けないということが分かっているので安心です。暑さ解消にぜひ!
ハン・ソロ
スター・ウォーズ・ストーリー

23(620)
“ローグ・ワン”に次ぐスター・ウォーズ アナザーストーリー第2弾です。シリーズ第1作でルークやレイアと出会う前のハン・ソロの成長物語です。従って、チューバッカ以外馴染みのキャラクター(彼と出会うシーンは面白い)は出てこないし、もちろん、ジェダイやフォースも関係しません。SWシリーズと違い、主人公が生まれ持った力に恵まれてはいない普通の人間、一介の青年が夢を実現しようとする姿を描いています。「パイロットを志すハンは恋人のキーラと共に惑星コレリアで借りのあるギャングたちに追い掛け回されていた・・・」シリーズの世界を知らなくてもこれ1本で楽しめます。
タクシー運転手
約束は海を越えて

22(619)
「1980年韓国、多数の死傷者を出した光州事件を世界に伝えたドイツ人記者と、彼を事件の現場まで送り届けたタクシー運転手の実話」を元に描かれた、韓国で1200万人を動員する大ヒットを記録した映画です。ドイツ人記者を『戦場のピアニスト』のトーマス・クレッチマンが演じています。『脱出劇のスリルとサスペンス、体制糾弾、父娘の愛情を描くハートウォーミング』 この三つのバランスがよく取れています。軍事政権下で、民主化を目指した一般の市民は、アカと謗られ“虐殺”されていく・・、怖いです。民主化に至る過程の一つ? 寅さん風(笑)の出だしから後半の地獄絵図へとよく描かれています。
アンロック/陰謀のコード

21(618)
バイオテロから世界を救うべく奔走するCIA取調官をノオミ・ラパスが演じたサスペンアクション。原題は“完落ち”の意味、「あるテロ事件をきっかけに第一線をはずれていたCIA尋問官アリス、彼女が再び呼び戻されるが、それは罠の始まりだった・・・」 誰が敵か味方か二転三転ハラハラドキドキの98分。オーランド・ブルームやマイケル・ダグラスも出演しています。アクションシーンも吹き替え無しとのことで見応えがあります。面白いです! 余談ですが、CIAのお偉方ジョン・マルコヴィッチの部屋にオバマの写真が飾ってあったのは、イギリス映画なのでイギリスはトランプを認めてないのでしょう?
万引き家族

20(617)
第71回カンヌ国際映画祭で、最高賞のパルムドールを受賞。年金の不正受給。子供に万引きさせる親。登場するのは、“ダメな大人”ばかり。「壊れそうな家に、家主である初枝の年金を目当てに、治と信代の夫婦、息子、信代の妹の亜紀が暮らしていた。彼らは初枝の年金では足りない生活費を万引きで稼ぐという一家・・・」 淡々と、日常が綴られていく中に心にジーンとしみ込んできます。ホントの人の繋がりとは何か?考えさせられます。審査委員長のケイト・ブランシェットが、安藤サクラの「泣きの芝居が素晴らしかった。私たち俳優が泣くシーンがあったら、彼女の真似をしたと思って」と言ったそうですが、ホント素晴らしい。
妻よ薔薇のように
家族はつらいよIII

19(616)
シリーズ第3弾、熟年離婚、無縁社会に続く今回のテーマは主婦への讃歌です。今どきこんな亭主がいるのか?と思います。平田家の長男・幸之助“俺の稼いだ金でへそくりをしていたのか!”と心ない言葉を口にする。そんな夫に堪忍袋の緒が切れて妻の史枝が家を飛び出す。掃除、洗濯、朝昼晩の食事の準備など彼女がこなしてきた家事を皆がやる羽目になるが、とんでもない大騒動が持ち上がる。全てを史枝に任せてきた面々、一体どうなることやら・・・。男の私でさえ“これはないだろう”と思うような長男の態度(古い親父は仕方ないにしても)、『人の振り見て我が振り直せ』 老若男女、いずれの方もご覧ください。
ゲティ家の身代金

18(615)
1973年に起こったアメリカの大富豪ジャン・ポール・ゲティの孫が誘拐された事件を、リドリー・スコット監督が映画化。「石油王として巨大な富を手に入れた実業家ゲティの17歳の孫が、ローマで誘拐され、母親のもとに、1700万ドルという巨額の身代金を要求する電話がかかってくる。しかし、富豪であると同時に守銭奴としても知られたゲティは、身代金の支払いを拒否」 ここから富豪の放蕩息子と離婚した母親の戦いが始まる・・・。なぜ、身代金の支払いを拒否したのか?人間いくらお金があっても困らない?孤独に死んでいく人間の哀しさ・・・。見応えがあります。クリストファー・プラマーが急遽代役で出演しています。
弧狼の血

17(614)
2017年にbookで紹介しています。著者が『仁義なき戦い』があったから生まれた小説と言っていますが、まさにその通り、飢えた狼たちの物語。『アウトレイジ』より強烈、久々に興奮した怒濤の126分でした(衝撃的シーンもあります)。昭和63年暴対法施工前の広島が舞台、ストーリーはbookをご覧下さい。役所広司の演技はもちろん新人警察官役の松坂桃李がだんだんと成長しラストに至る凄みも見物です。『“刑事”も“やくざ”も血の通う時代の物語』といった評がありましたが、今の時代と違って情があり、正義があったような気がします。名作『仁義なき戦い』のDNAが引き継がれているようです。
修道士は沈黙する

16(613)
イタリア発の社会派ミステリーですが、経済、キリスト教、数学、政治と絡んでじっくりと考えながら観ないと分かりません、単なる謎解きではないのです。「バルト海に面したリゾート地の高級なホテルで開催されるG8、そこに8カ国の大臣の他に修道士や絵本作家などがゲストとして招かれる。会食後IFの専務理事から修道士に告解がしたいと告げられる、が理事はその翌朝死体で発見される・・」 人を幸せにする為の経済が金儲けの為のマネーゲームになっているという現状、『経済的豊かさよりも心の豊かさが大切だと教えてくれる』。世界を動かす権力者たちよりも鳥や犬のほうがわかっているというラストの皮肉が面白い。
ウィンストン・チャーチル
15(612)
「ヒトラーから世界を救った男」チャーチルの首相就任からダンケルクの戦いまでの知られざる4週間を描いたものです。私の好きなゲイリー・オールドマンがものの見事にチャーチルになりきっています(アカデミー主演男優賞受賞)。また、メイクを担当した辻一弘がメイクアップ&ヘアスタイリング賞も受賞。政治家として尊大で独善的と言われたチャーチルの真の姿を重くならずにコミカルなシーンも含めながら描き出しています。昨年の『ダンケルク』を観た人は、なおよく分かると思います。私利私欲に走る今の政治家をみると、ホントの政治家とは・・・、と考えてしまいます。『ダウントン・アビー』のリリー・ジェームズが秘書役で出演しています。
レッド・スパロー

14(611)
元CIAの作家、ジェイソン・マシューズの小説が原作です。原作がしっかりしていると奥が深く面白いですね、「ハニートラップと心理操作を武器としてミッションの遂行するスパイ(スパロー)として育てられた元バレリーナのドミニカ、ロシア政府内に潜むスパイの名を聞き出すことを命じられる・・・。が、やがて理不尽な国家に反旗を翻す」 というお話し。誰が味方なのか敵なのかだんだん分からなくなり2時間半近くも神経を研ぎ澄まして観なくてはなりません。でも、すごく面白いです。セクシーなジェニファー・ローレンスのスタイルとプーチン似のロシア情報庁の幹部である叔父が見物です。ロシアって怖いっ!。
ザ・シークレットマン

13(610)
“権力には屈しない 相手が大統領であってもー” 日本にもこんな捜査官が欲しいです。『ウォーターゲート事件』の全容と事件を内部告発したFBI副長官を、リーアム・ニーソン主演で実話を映画化したものです。「政府や司法は勿論、FBIの上司ですらも信用出来ない四面楚歌の状況下で、副長官だったマーク・フェルトが取った、“最後の手段”とは」 禁じ手を使ってまでも真実を追及し続けた執念に、頭が下がります。権力側があの手この手を使い色々もみ消し、お友達人事している政権の腐った状況に怒りが増していきます、『 権力に寄らずに正義を貫く覚悟』は難しいものです。今の日本の現状と同じです。
ペンタゴン・ペーパーズ
最高機密文書

12(609)
『報道機関は国民に仕えるものであり、政権や政治家に仕えるものではない』 とラストでの判事の言葉です。「ベトナム戦争を分析・記録したアメリカ国防総省の最高機密文書“ペンタゴン・ペーパーズ”の存在を暴露したワシントン・ポストのジャーナリスト達の実話」を映画化したもの。政治や司法の動き等、今の日本にそっくり置き換えることができます。新聞社の社主と編集主幹が会社の命運をかけて権力に挑む姿に感動すら覚えます。ラストは『ウォーター・ゲート事件へと繋がっていきます。ネットでの情報が実は『裏で操作された誤った情報だった』 という現代、真実とは何なんでしょう?と思わずにはいられない。   
トレイン・ミッション

11(608)
『96時間』のリーアム・ニーソンの乗り物ミステリー。妻子を人質に取られ限られた時間内に事件を解決するというパターンは彼の真骨頂?今度は通勤列車が舞台、ハラハラドキドキはしっかり味わえます。「10年間勤めてきた保険会社をリストラされたマイケル。いつもの通勤電車で帰路につく。そんな彼の前に見知らぬ女が座り、“乗客の中から、ある人物を捜して欲しい”」と持ちかけられる」 ここから仕組まれた罠にはまっていくのです。それにしても65歳のニーソンのアクションはすごい列車から飛んだり、動く車輪の下をくぐったり・・・、現実だったら絶対死ぬ。分からなかったのは女の正体、何者?映画って娯楽なんですね。
北の桜守

10(607)
吉永小百合の120作目となる映画、寒さと貧しさに耐え懸命に生きたた親子の物語。日本人の心に深くしみる素晴らしい映画です。「1945年樺太に住む一組の家族、ソ連軍が突然進行してきたことにより、親子は命からがら網走に辿り着きます。母親てつは厳しい自然環境や飢えに苦しむ貧困と闘いながら家族を守っていきます。時は過ぎて1971年、ビジネスに成功した次男の修二郎が15年ぶりに網走の地を訪れると…」 吉永小百合が母親の優しさとたくましさを見事に演じています、さすがです。このような家族の心の動きは日本人ならではです。“老い”も一つのテーマとなっています。
15時17分、パリ行き

9(606)
「554人の乗客が乗るアムステルダム発パリ行きの高速鉄道タリス車内で、武装したイスラム過激派の男が自動小銃を発砲。たまたま乗り合わせていた幼なじみの若者3人が、テロリストに立ち向かっていく」という実話をクリント・イーストウッド(87歳)が映画化しました。もちろんアクションではなく人間ドラマです。無駄なシーンと思われるような前フリに3人の人生が垣間見え、また戦場に赴く軍人のつかの間の休息中に起きる事件を見事に描いています。ヨーロッパ大好の私には(特にイタリアの旅したことのある各都市が出てきて)最高でした。主演の3人は、本人たちを起用しています。
ロング,ロングバケーション
8
(605)
重い病の夫婦、人生最後の旅!私の好きなロードムービーです。「夫婦生活は半世紀となる元文学教師のジョン(アルツハイマー進行中)と妻のエラ(末期がん)。人生の終焉を迎え迎えようとしているこの2人が最期の旅に出る。愛車のキャンピングカーで、向かうはジョンが敬愛するヘミングウェイの家があるフロリダ・キーウエスト・」 私たちの年齢になると誰もが考えるシリアスな内容です。人の手を煩わせて自分の事を自分で出来なくなった時果たしてどうするのか?ラストは辛いものがありました。この歳でここまでラブラブなのは映画だからでしょう。ヘレンミレンはいいですね~!
ヒトラーに屈しなかった国王
7
(604)
ノルウェー映画、 1940年の第二次大戦中、ナチス・ドイツに最後まで抵抗し続けたノルウェー国王・ホーコン7世の歴史に残る重大な決断を下すまでの“運命の3日間”を描いたドラマ「ナチス・ドイツ軍がノルウェーの首都オスロに侵攻。ドイツ軍の攻撃に交戦するノルウェー軍だったが圧倒的な軍事力によって、主要な都市は相次いで占領される。 最後にナチスに従うか、国を離れて抵抗を続けるか、国の運命を左右する究極の選択を迫られることになる。」 信念をとるのか、国民の安全をとるのか難しい決断です。ノルウェー国家の基礎を築いたと言われるホーコン7世、強いばかりではなく人としての優しさがあった。
スリー・ビルボード

6
(603)
2017年・第74回ベネチア国際映画祭で脚本賞、トロント国際映画祭でも最高賞にあたる観客賞を受賞するなど高い評価を受けている。「ミズーリ州の片田舎の町で娘を殺された主婦が、犯人を逮捕できない警察に業を煮やし、解決しない事件への抗議のために町はずれに巨大な広告看板を設置する。それを快く思わない警察や住民との間に、いさかいが絶えなくなる」 クライム・サスペンスと言うより上質な人間ドラマと言う感じです。憎悪や憤りの連鎖、今の世界で起きている戦争や社会問題につながっている気がします、良い映画です。主演のフランシス・マクドーマンドの演技が素晴らしいし、カントリー・ミュージックもよかった!
デトロイト

5
(602)
1967年黒人たちの不満が爆発したデトロイト暴動の最中に発生したアルジェ・モーテル事件を題材にした映画 「暴動の最中に殺人にまで発展した白人警官による黒人たちへの不当な尋問。この尋問で、誰彼構わず脅迫し自白を強要する“死のゲーム”が展開されていく」 50年経っても変わらないアメリカに残る根強い差別主義、特に現代のトランプの言動・・・。世界どこでも起きている人権問題!日本もその例外ではありません、今の政権になってからの強いものと弱いものの格差、国民がしっかりと騙されているのに気が付きません。50年前の騒動を見てこんなことを考えてしまいました。 権力とは怖いものです。
キングスマン ゴールデン・サークル
4
(601)
2015年公開されたイギリス製スパイ映画『キングスマン』の続編です。前作で主演のコリンファースが生き残っていたか、興味がありましたがこんなことだったのか、よかったです。今回は「キングスマンの拠点が、謎の組織ゴールデン・サークルの攻撃を受けて壊滅。残されたのは、成長したエグジーと教官兼メカ担当のマーリンのみ。2人は同盟関係にあるアメリカのスパイ機関ステイツマンに協力を求めるが・・・」 英国文化とコテコテのアメリカンとの対比が面白い。ジュリアン・ムーアが悪役を演じ、他にハル・ベリーやエルトン・ジョンも出演しています。善とは、悪とは?ハリウッドのスパイものとひと味違います。麻薬撲滅賛成!
スター・ウォーズ/最後のジェダイ
3
(600)
1977年から始まった本シリーズ、第8作目です。全シリーズ映画館で観ていますが40年以上経っているのですね。レイア姫役のキャリー・フィッシャーが2016年に亡くなり本作が遺作となっています。新しいシリーズの第2作目ですが過去の謎解きもあり、やっぱり面白い 「遠い昔、はるか彼方の銀河系で…。帝国軍の残党が結成したファースト・オーダーと新共和国のレイア姫が率いる私設軍隊レジスタンスの戦闘が激化。行方が分からなくなっていた伝説のジェダイ、ルーク・スカイウォーカーが発見され・・・」。出演者に中国系が多いのは、チャイナマネーが幅をきかせているのかしら;;;。ヨーダが出て来て懐かしかった!
オリエント急行殺人事件
2
(599)
アガサ・クリスティーの名作の映画化です。1974年にもショーン・コネリーら名優がずらり出演して映画化されています。アガサファンとしては前作が原作の雰囲気をもっていてよかったです。それと、ポアロはデヴィッド・スーシェ(LWTのテレビシリーズ)の印象が強くケネス・ブラナーではピンときません。原作を読み、前の映画も観て、結果(犯人)は分かっていてもはアガサものは必ず観ます。「ポアロはトルコ発オリエント急行でフランスを目指していたが、豪雪で列車が立ち往生。その夜、列車内でアメリカ人の富豪ラチェットが殺害される・・・」 ミシェル・ファイファーの59歳とは思えぬスレンダーぶりにはびっくりです。
人生はシネマティック!
1
(598)
『映画を愛する全ての人に・・・』イギリスから素敵な映画がやって来ました。戦時中、映画製作に携わった人々を描いたヒューマンドラマです。「1940年のロンドン。コピーライターの秘書として働くカトリンだったが、人手不足で代わりに書いたコピーが情報省映画局の特別顧問の目に留まり、新作映画の脚本陣に加わることに。その映画とは“ダンケルク”」 政府や軍部の検閲や横やりなどトラブル続発の中困難を乗り越え映画造りに情熱を注ぐ人たち・・・。主人公カトリンを『007 慰めの報酬』のボンドガール、ジェマ・アータートンが演じています。『映画って本当に良いもんですね~』と思える映画!