cinema(2020)                                                                     

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スパイの妻

21(691)
第77回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞。実は、NHK・BS8Kで放送された黒沢清監督の同名ドラマをスクリーンサイズや色調を新たにした劇場版として劇場公開したものです。「1940年の満州。恐ろしい国家機密を偶然知ってしまった優作は、正義のためにその顛末を世に知らしめようとする。夫が反逆者と疑われる中、妻の聡子はスパイの妻と罵られようとも、愛する夫を信じて、ともに生きることを心に誓う・・・」 時代の嵐の中、愛と正義を貫く二人を演じる蒼井優、高橋一生が素晴らしい!戦争史、映画史まで盛り込んだ見応えのあるミステリーエンタテインメントとして仕上がっています。
オフィシャル・シークレット

20(690)
『国家の嘘を暴く』 イラク戦争の裏に、世界を欺く国家の不正があったとしたら・・、という実話を映画化。「2003年のイラク戦争前。英国の諜報機関GCHQ(英政府通信本部)で働くキャサリンは、アメリカの違法工作活動を知る、憤りを感じた彼女は告発に乗り出す。元同僚の友人を訪ね、マスコミにリークしたいと相談。2週間後、ある新聞の記事になる。GCHQではリークした犯人探しが始まる中、彼女は自ら名乗り出る・・・」 勇気ある一人の女性により、国家(英・米)が国民をだまして戦争を正当化した経緯がよく描かれています。森友問題の赤木さんの叫び我が国のメディアには聞こえないのか?我が国は権力の暴走が続いています。
ミッドウエイ


19(689)
ミッドウェイ海戦を描いたアメリカの戦争映画、ここでの戦果は、日米のその後の運命をわけたとされている。日本からは豊川悦司(山本五十六役)、浅野忠信、國村隼らが出演。「真珠湾の屈辱から始まり、1942年ミッドウェイ島に、航空母艦、世界最大の大和を含む戦艦、戦闘機による急降下爆撃機、潜水艦が出動、空中、海上、海中、すべてが戦場となった」 。迫力のある戦争シーン、それと『暗号の解読が命運をわけた』と言われる日米による“情報戦”が描かれている。日本人なのに、何故か主演のアメリカ兵に味方していました。やはり、戦争は全ての人間を不幸にする。『戦争なんてあまりに馬鹿げている』そう感じられることが重要と浅野忠信も話しています。1976年にチャールトン・ヘストン、三船敏郎でも映画化!

ジョーンの秘密

18(688)
イギリス史上最も意外なスパイとされたメリタ・ノーウッドの実話を基にしている。「イギリス郊外で余生を送っていたジョーンは、2000年5月、突然家を訪ねてきたMI5のエージェントに逮捕される。50年以上も昔、ロシアのKGBに核開発の機密情報を流したスパイ容疑だという・・・」。ケンブリッジ大学で物理学を学んだジョーンは卒業後、核兵器開発機関で働き、原爆の開発に携わることになる。しかし、ヒロシマの光景を見て、世界平和のために、核開発技術の共有化しようとスパイになってしまう。この当時、アメリカ、イギリス、ドイツ、ロシアが原爆の開発を急いでいたというのは周知の事実ですが、その裏でこんな物語もあったのです。
コリーニ事件

17(687)
ドイツを揺るがした小説“法の落とし穴”の映画化。この小説がきっかけでドイツ法務省は過去再検討委員会を立ち上げたそうです。「普通の市民として生きてきたイタリア人のコリーニが、経済界の大物事業家を殺害する事件が発生。新米弁護士のライネンは、この事件の国選弁護人に、ところが被害者はなんと少年時代の恩人だった。だが、動機について何も語ろうとしない被告人。調べていくうちに、ドイツ史上最大の司法スキャンダルへ・・・」。ドイツの暗部=ナチスの問題を改めて炙り出しつつ人間の“過ちの繰り返し”を描いている。戦争犯罪と向き合うドイツの見応えのある映画です。都合のいいように憲法をいじくろうとする日本は?
ランボー ラスト・ブラッド
16(686)
シリーズ第5弾(1作目が1982年)、スタローンも73歳。物語は「故郷アリゾナの牧場で、古い友人のマリアとその孫娘のガブリエラと共に平穏な日々を送っている。 しかし、ガブリエラがメキシコの人身売買カルテルに拉致された・・・。娘のように愛している彼女を救うために、ランボーは立ち上がる』 と物語は単純なんですが、悪は悪、善は善という考えがあり、過去にとらわれ変わることのできないランボーの心根が主軸です。今の世界の醜さも見せてくれます。一方、串刺しになってほとんど死んでる敵に対し執拗に銃弾を撃ち込んだり、素手での拷問シーンや心臓を取り出す所とか、このシリーズ特有のバイオレンスシーンも健在?
死刑台のエレベーター
15(685)
60年以上も前の1958年制作、ジャンヌ・モロー, モーリス・ロネ主演のサスペンス映画.。ニュープリント版なのでランキングからは外してありますが、間違いなくbest1になる面白さです。完全犯罪のはずだった、エレベータが止まるまでは・・・「社長夫人フロランス(ジャンヌ・モロー)と不倫関係にあったジュリアン(モーリス・ロネ)、二人は社長を自殺に見せかけて殺すことを画策し実行に移す。証拠隠滅のためジュリアは再び犯行現場に戻る途中のエレベーター内に運悪く閉じこめられてしまう」 その後、思わぬ方向へ物語は進んでいく、最後まで全く目が離せません。パリの香りプンプンのフランス映画、いいですねぇ~!
ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語
14(684)
150年も昔の小説“若草物語”を新たに映画化。過去に3回映画化、私は1949年のエリザベス・テイラーが末っ子エイミーを演じたのをしっかりと(可愛かったのを)覚えています。「父親は出征中、中心には懐の深い母親マーミーがいて、個性はバラバラだけど仲のいい四姉妹がいて。隣家にはハンサムな幼なじみもいて、決して裕福ではないマーチ家だけれど、キラキラとした夢とキャッキャとした楽しい時が積み重なって、永遠に続くように思える・・・」 そんな少女時代と現代が行き来しながら描かれます。何と言っても4姉妹の美しさに目を奪われます、それとアカデミー賞衣裳デザイン賞を受賞した素敵な衣装と、田園風景。素晴らしい!
巡礼の約束

13(683)
聖地ラサへ旅する家族を描くチベット人監督の傑作、往年の名作『山の郵便配達』を彷彿とさせます。“中国で最も美しい村”にも選ばれたギャロンからラサへ、仏教で最も丁寧な『五体投地』で礼拝しながら進む巡礼は半年以上かかるとされている 「ある日、突然、ラサへの巡礼の旅に出ると夫に告げる妻。その決意には、ある秘密があった。旅に出た妻を追ってくる夫、そして妻の実家に預けられていた前夫との息子もやってくる。3人は、ラサを目指して旅を続けることにするが・・・」 妻から夫へ、父から息子へ、過去を乗りえ心をつなぐ家族の物語です。話は淡々と語られますがチベットの圧倒的な風景も見所です。心が静まります。
復活の日

DVD
舞台を1982年に設定して角川春樹が25億円もの大金をつぎ込んで映画化したものです。南極を初め、海外でのロケ、豪華な出演者(日本側:草刈正雄、多岐川裕美、千葉真一、夏八木勲、渡瀬恒彦、緒形拳、森田健作。アメリカ側:オリヴィア・ハッセー、ジョージ・ケネディ、ロバート・ヴォーン、チャック・コナーズ、グレン・フォードなど)、なるほど金がかかったのだろうとうなずけます。問題は内容ですが、著者が『ほとんど原作通りに作ってくれて、劇映画としては空前のロケをしてくれただけで、私の伝えたかったメッセージの重要な部分が伝わるはずだ」と言っています。確かに原作に沿ってはいますが、ウィルスの性質や、政治家や軍人の驕りなどは少し弱められてエンターテインメント性が先に出ているように感じましたが、映画としては仕方のないことでしょう。読書が苦手な人は映像でお楽しみください。
イーディ、83歳 はじめての山登り
12(682)
人生を楽しむことに、いつだって“遅すぎる”ことはない--。 「ロンドンで暮らす83歳のイーディは30年間にわたって夫の介護を続けてきたが、娘にはその苦労を理解してもらえず、老人施設への入居を勧められている。しかし、ふとした言葉をきっかけに、かつての夢だったスコットランドのスイルベン山に登ることを決意。夜行列車でスコットランドへ向う・・・」 登山用品店の青年をトレーナーとして雇い、途中で衝突しながらも頂上を目指す姿には感動します。『追加注文に遅いなんて事は無いよ!』 雄大な景色のスイルベン山(標高731m)、自分で歩いて登ってみたい山です。主人公を演じたシーラ・ハンコックは実際に83歳だそうです。
男と女
-人生最良の日々-
11(681)
クロード・ルルーシュ監督が1966年に手がけ『男と女』から53年、当時のスタッフ・キャストが再集結して作られた続編。「かつてのレーシングドライバージャン・ルイ、現在は老人ホームで暮らしている、記憶があいまいになりつつある中で、妻に自殺されたころに出会って強く惹かれ合ったアンヌという女性のことだけは忘れていなかった。アンヌを追い求めるジャンの姿を目の当たりにした息子は、離れてから数十年も経っている二人を再会させるため、彼女を捜そうと思い立つ・・」 呆けていく男、そんな彼を愛した女に後悔はありません、逆に彼の面倒をみるアンヌの美しさが再び輝いていくよう映画でした。往年の映画ファンにはたまりません。
スキャンダル

10(680)
2016年実際に起きた、女性キャスターへのセクハラ騒動。権力に立ち向かうお話しは好きなのです。「FOXニュースの元人気キャスター、グレッチェン(ニコール・キッドマン)が、CEOのロジャーをセクハラで訴える。そんな中、キャスターのメーガン(シャーリーズ・セロン)は、自分の過去を振り返って動揺する。また、メインキャスターの座を狙うケイラ(マーゴット・ロビー)は、ロジャー会うことになるが・・・」“保守”とリベラルに色分けされているアメリカのテレビ会社、舞台のFOXニュースは共和党よりです、トランプ大統領候補を攻撃でもするものなら大変。自分好みのメディアだけ優遇する管官房長官様もこのようにやりたいのでしょう?
大脱走

9(679)
1963年に公開、デジタルマスター版で観られることの幸せを感じます。久し振りにスティーブ・マックィーン、他にチャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーン、ジェームズ・ガーナーなど、懐かしの顔に出会えました。物語は史実を基に「第2次大戦末期、ドイツにある絶対に脱走不可能といわれた捕虜収容所で、連合軍兵士250人の大量脱走の計画が・・・」持連合軍兵士とナチス軍のせめぎ合いや集団脱走を描いていますが、昔の映画はわかりやすくてホンワカします。戦時映画には珍しく、“悪役ドイツ軍”やことさら“反戦”を見せるようなメッセージ性がないところもいいです。172分(途中休憩有り)という長さでもまったく飽きません。
ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘
8(678)
ライアン・ジョンソン監督(スター・ウォーズ最後のジェダイ)が、アガサ・クリスティーに捧げて脚本を執筆したオリジナルのミステリー。ダニエル・クレイグが(少し空気が読めない天然の気がある)探偵役として事件を解決していく。「NYの豪邸でミステリー作家の85歳の誕生日パーティーが開かれた翌朝、彼が遺体で発見される。名探偵ブノワ・ブランは、匿名の人物からこの事件の調査依頼を受け乗り込んでくる。パーティーに参加していた資産家の家族や看護師、家政婦ら屋敷にいた全員が第一容疑者・・・」 面白いですが前半がちょいまどろっこしい感じもします。ミステリーの完成度としては前出の『9人の翻訳家』に軍配が上がるかな・・・。
9人の翻訳家 囚われたベストセラー
7(677)
ダン・ブラウンの「ロバート・ラングドン」シリーズの出版秘話をもとにしたミステリー。出版時、違法流出防止のため各国の翻訳家たちを秘密の地下室に隔離して翻訳を行ったというエピソードを題材に作られています。「全世界待望のミステリー小説を各国同時発売するために集められた9人の翻訳家、彼らは外部との接触を禁じられる。しかし、“冒頭10ページをネットに公開した。24時間以内に500万ユーロを支払わなければ、次の100ページも公開する”との要求が・・。」 実によく練られた物語です、完成度の素晴らしさには驚かされます。真犯人の動機、原作者や翻訳者、出版社の思惑から“文学”とは?との問いかけてもいます。
リチャード・ジュエル
6(676)
1996年に起きた米アトランタ爆破事件を題材にクリント・イーストウッドが監督。メディアリンチの怖さを描いています。「五輪開催中のアトランタで爆弾を見つけた警備員が英雄扱いされた後、FBIが彼を第一容疑者として捜査を開始。それを現地の新聞社とテレビ局が実名報道したことで、取り巻く状況は一転容疑者にされる。」報道機関には個人に社会的制裁を加える機能は与えられていない、なのに・・・。また『情報社会の現代は、私たちの知る事実は99%誰かが書いた物語』という評もありました。まさにネット上にはびこる情報はこのようなことなのですね。監督が『姿なき誹謗中傷がどれだけ人を苦しめるかを感じてほしい』と言っています。
ジョジョ・ラビット

5(675)
第2次世界大戦時のドイツに生きる人々の姿を、ユーモアを交えて描き、トロント国際映画祭で最高賞の観客賞を受賞した人間ドラマ。アカデミー賞6部門にもノミネートされている。「ヒトラーを空想上の友人に持つ10才の少年ジョジョ、青少年集団ヒトラーユーゲントで立派な兵士になろうと奮闘していた。しかし、ジョジョは訓練でウサギを殺すことができない臆病者。 そんなある日、母親と二人で暮らしていた彼は、自宅の屋根裏部屋にユダヤ人の少女がこっそりと匿われていることに気付く」 。一味違ったヒトラーものです。戦争はつらいし、悲しい場面もあるけどいい映画でした。オープニング曲はビートルズの抱きしめたい(ドイツ語版)です。
パラサイト 半地下の家族

4(674)
第72回カンヌ映画祭で韓国映画初となるパルムドールを受賞、今年のアカデミー賞では作品賞や監督賞など6部門にノミネートされている。「全員が失業中のキム一家が身分を偽り、IT企業のCEOであるパク一家に寄生する。最初はキムの息子ギウがパクの娘の英語の家庭教師として、次にキムの娘ギジョンがパクの息子の美術の家庭教師として入り込む。やがて寄生はエスカレート・・」 。『半地上』で暮らしていても“日差しも浴びられるし、希望も見出せる“しかし、逆に失敗したら“日の当たらない”『完地下』に墜落することになる。"資本主義の欠陥を狭く、深くのぞき込んだ”との評もありました、貧富の差から起きる悲喜劇です。
スター・ウォーズ
スカイウォーカーの夜明け


3(673)
第一作(エピソード4)から42年、九作目の今回でスカイウォーカー家の物語が完結する。「レイはレイアからレジスタンスとして戦い続けるための訓練を受けるが、自らの出自と仲間たちへの忠誠との間で苦悩する。一方のカイロ・レンは、パルパティーンにシスの帝国の支配者になれとそそのかされた、“最後のジェダイ”。時に惹かれ、時に反発し合ったレイとカイロのその後二人の運命が描かれます。出生が謎だったレイの秘密も明かされます・・・」 。戦闘シーンなどはさすがに見せますが九作目ともなると新鮮みが欠けるのはやむを得ないのでしょう。話しとしてはうまくまとめてあるという感じです。賛否両論の新三部作ですが40年来のファンとしてはやはり面白い!シリーズを通してみると家族の物語と言うことがよくわかります。
男はつらいよ50

2(672)
“お帰り寅さん”1969年に第1作が公開されてから50年、22年ぶりに帰って来ました。 我が家は正月に家族全員で寅さんを観ることが1年の始まりでした。「団子屋“くるまや”はカフェに生まれ変わっていた。小説家になった満男は亡き妻の七回忌に娘と葛飾に、そこでは寅次郎との日々が蘇る。そんなある日、書店で新作のサイン会を行う満男の前に、初恋の相手イズミが姿を現す・・・」昔のシーンを入れながら よくぞこんなにうまく話が作られたものです。懐かしさ、笑い、それと人の心の優しさが満載で涙です。『困ったことがあったらな、風に向かって俺の名前を呼べ。おじさん、どっからでも飛んできてやるから』 寅さんに逢えて今年は幸せ。
カツベン

1(671)
エンタテインメント!映画好きの人にはたまらない。どこか 『ニュー・シネマ・パラダイス』を思わせます。周防監督は面白い! サイレント映画時代に一流活動弁士(カツベン)になることを夢見る青年を主人公にしたコメディ 「活動弁士なりたい主人公が流れ着いた小さな町の閑古鳥の鳴く映画館、そこには人使いの荒い館主夫婦、傲慢で自信過剰な弁士、酔っぱらってばかりの弁士、職人気質な映写技師とクセの強い人ばかり。そんな中、彼の前に幼なじみの初恋の相手が現れる・・・」 当時(約100年前)の映画“金色夜叉”“不如帰”“椿姫”“十誡”などを作り直して再現しているところがすごい、また、当時の撮影風景などもしっかりと笑わせてくれます。

2020年cinema  ランキング 
 1 位 スパイの妻
 2 位 パラサイト 半地下の家族
 3 位 オフィシャル・シークレット
 4 位 コリーニ事件
 5 位 ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語
 6 位 ミッドウエイ
 7 位 ジョーンの秘密
 8 位 イーディ、83歳はじめての山登り
 9 位 巡礼の約束
10 位 リチャード・ジュエル
11 位 スキャンダル
12 位 男と女 “人生最良の日々”
13 位 ランボー ラスト・ブラッド
14 位 ジョジョ・ラビット
15 位 9人の翻訳家 囚われたベストセラー
16 位 男はつらいよ50 お帰り寅さん
17 位 ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密
18 位 カツベン
19 位 スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け
   死刑台のエレベーター
  ※ 大脱走
 DVD 復活の日
※はデジタル・リマスター版として再上映されたものでランキングから外しています。