CINEMA(2022)                                                                     

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ペルシャン・レッスン/
戦場の教室


28(745)
『戦場のピアニスト』『シンドラーのリスト』と並び人間の狂気と希望を、そして本作は女の嫉みもを描いた人間ドラマとなっている。「ナチスに捕まったユダヤ人青年のジルは、処刑される寸前に、自分はペルシャ人だと嘘をついたことで一命を取り留める。彼は、終戦後にテヘランで料理店を開く夢をもつ収容所のコッホ大尉からペルシャ語を教えるよう命じられ、咄嗟に自ら創造したデタラメの単語を披露して信用を取りつける。こうして偽の<ペルシャ語レッスン>が始まるのだが・・・」 実話をもとに作られている。戦争の残酷さ、ナチスの非道さを描きながらナチス側の複雑な思いをもつ人間も描かれている。見終わって『ショーシャンクの空に』を少し彷彿させた。
ミセス・ハリス、パリへ行く

27(744)
「1950年代、第2次世界大戦後のロンドン。夫を戦争で亡くした家政婦ミセス・ハリスは、勤め先でディオールのドレスに出会う。その美しさに魅せられた彼女は、お金を貯めてフランスへドレスを買いに行くことを決意・・・」 女性には堪らない映画では?『オートクチュールなんて縁もゆかりもないけれど内見会で人種もスタイルも様々なモデルたちが華やかで美しくモダンで華麗なドレスを身にまとい登場するシーンにうっとり!』ハリスの親切が引き起こした奇跡が積み重なり温かい作品になっている。ご都合主義みたいな感じもするけど、つらい目にあっても、強烈な純粋さと明るさで打ち消していく主人公・ハリスに拍手!。こんな映画を観るとホッコリする。
ザリガニの鳴くところ

26(743)
“2年連続アメリカで一番売れた本”“本屋大賞第一位”のミステリーとあったので即観に行った。「ノースカロライナ州の湿地帯で、男性の変死体が発見される。やがて、ザリガニが鳴くといわれる湿地で育った1人の少女カイアが容疑者として浮上する。彼女は6歳のころ両親に捨てられ、それ以来たった1人で自然の中を生き抜いてきた。そんなカイアの運命は、彼女の世界に迷い込んできた心優しい青年との出会いによって大きく変わってしまう・・・。」 湿地帯と聞いてとても暗そうな映画だと思っていたが、風景の美しさや自然の素晴らしさにも引き込まれていく。またサスペンスがメインの物語かなと思ったが、人の優しさ・生きるとは何か?をも考えさせられる物語。
終電車

25(742)
フランソワ・トリュフォー監督、生誕90周年記念上映。1980年の作品、主演はカトリーヌ・ドヌーヴ 「1942年、ドイツ軍に占領されたパリ。モンマルトル劇場の看板女優マリオンは、ユダヤ人であるため国外へ逃れた支配人兼演出家の夫ルカに代わって劇場を切り盛りしている。実はルカは劇場の地下に身を潜めており、毎夜のマリオンの訪問を心待ちにしていた。しかしマリオンは、新作舞台で相手役に起用された新人俳優ベルナールに惹かれていく」 。戦時下サスペンスとしてはゆるめの作りだが、パリの香りが漂うおしゃれで昔懐かしい映画、やはりドヌーヴはきれい。セザール賞10部門を受章、トリュフォーがフランス映画界を代表する正統派作家として認められた作品.。
エリザベス/女王陛下の微笑み
24(741)
2022年に96歳を迎え、在位70周年となったイギリス君主エリザベス2世(今年9月に死去)の初の長編ドキュメンタリー、「1930年代から2020年代までのアーカイブ映像からエリザベス2世の足跡をたどり、これまでにあまり見られることのなかった女王の素顔にも迫っていく。ザ・ビートルズ、ダニエル・クレイグ、マリリン・モンローといったスターのほか、歴代政治家やセレブなど、そうそうたる人物も数多く登場する」 とあったが過去のニュースやネットで拾ったような映像を、ただただ時系列完全無視で繋いだだけの作品で、新鮮みも何もなかった。退屈で眠かった。
キングメーカー/大統領を作った男

23(740)
金大中(キム・デジュン)と彼の選挙参謀だった厳昌録(オム・チャンノク)の実話をベースに、大統領選の裏側を描いた映画。「1961年、野党から立候補したキム・ウンボム。苦戦が伝えられる中、ソ・チャンデという男が選挙事務所を訪れる。彼は北朝鮮出身の自営業者だったが、現政権打倒を願いウンボムに入れ込み、戦術の弱点を指摘し選挙スタッフに志願する。チャンデの際どいゲリラ戦略は高い効果を上げ初当選を果たす。しかし、勝利のためには手段を選ばないチャンデに、理想家肌のウンボムは次第に理念の違いを感じるようになっていく」 裏側で辣腕を振るう“闇”と呼ばれる男と表の大統領候補の対比が面白い。政界の裏にうごめく権力闘争、どこの国でも同じ。
戦争と女の顔

22(739)
bookで紹介の『戦争は女の顔をしていない』を原案に作られたロシア映画、カンヌ国際映画祭ほか30を超える映画賞を受賞。「第2次世界大戦に従軍したイーヤは、1945年荒廃したレニングラード (現サンクトペテルブルク)の病院で、看護師として働いていた。しかし、PTSDによる発作のせいで面倒をみていた子どもを死なせてしまう。そこに子どもの母親で戦友でもあるマーシャが戦地から帰還。彼女もまた、イーヤと同じように心に大きな傷を抱えていた・・・」 原作とは若干趣が違うが戦争の悲惨さはしっかりと伝わってくる。家族も戦争で失い、癒えない傷を負ってしまっていても生きていかねばならない。『戦争より悪は存在しない』 と戦争を知らない世代の監督の言葉、製作は2019年。
君を想い、バスに乗る

21(738)
妻を亡くした90歳の男性が、路線バスのフリーパスを利用してイギリス縦断の旅に出るロードムービー。「最愛の妻メアリーに先立たれた90歳のトムは、メアリーと交わした約束を胸にイギリス縦断の旅に出る。長年暮らした家を離れ、妻と出会った思い出の地を目指す。道中さまざまな人たちと出会い、トラブルに巻き込まれるが、約束を果たすために旅を続ける・・・」 。スコットランドの最北端からイングランドの最南端 ランズエンドまでの約1300キロの旅。途中、トムを助けてくれる人々が何人も登場するが、そのほとんどが移民や有色人種。“アメイジング・グレイス”を歌うシーンは素晴らしい。色んなバスも見られるも楽しい。観終わって心地よい余韻に浸ることができる映画。
ベイビー・ブローカー

20(737)
半地下の家族”の名優ソン・ガンホを主演に是枝監督が韓国で撮った映画。子どもを育てられない人が匿名で赤ちゃんを置いていく『赤ちゃんポスト』を介して出会った人々の物語。「クリーニング店を営みながらも借金に追われるサンヒョンと、赤ちゃんポストのある施設で働く児童養護施設出身のドンスには、“ベイビー・ブローカー”という裏稼業があった。ある土砂降りの雨の晩、2人は若い女ソヨンが赤ちゃんポストに預けた赤ん坊をこっそりと連れ去る・・・、が」 日本では赤ちゃんポストの絶対数が韓国に比べ圧倒的に少ないということもあり韓国を舞台にしたらしい。疑似家族3人、それを追う2人の女刑事、スリリングな展開。人身売買と言うテーマを扱っているが何故か暗くない。
破戒

19(736)
1962年に市川崑監督で映画化(市川雷蔵、藤村志保主演)した島崎藤村の名作“破戒”を新たに間宮祥太朗主演で60年ぶりに映画化。高校生の時に見た映画を鮮明に覚えている、さて今回は・・・。「亡くなった父から自身が被差別部落出身である出自を隠し通すよう強い戒めを受けていた瀬川丑松は、地元を離れてある小学校の教員として奉職する。教師としては生徒に慕われる丑松だったが、出自を隠していることに悩みを抱いている・・・」 いい映画に仕上がっている。当時この映画に影響を受けて住井すゑの『橋のない川』へと進んでいったことを思い出す。『人間はみな等しく尊厳をもつものだ』 『差別するのは弱い人間だ』。静かに流れる映画なので、映画館で観ないといけない邦画。
オフィサー・アンド・スパイ

18(735)
19世紀末にフランスで起きた冤罪事件ドレフュス事件をロマン・ポランスキーが映画化。「1894年、ユダヤ系のフランス陸軍大尉ドレフュスが、ドイツに軍事機密を漏洩したスパイ容疑で終身刑に。対敵情報活動を率いるピカール中佐はドレフュスの無実を示す証拠を発見し上官に訴えるが、隠蔽を図ろうとする上層部から左遷を命じられてしまう.。しかし、彼は作家ゾラらに支援を求め、腐敗した権力や反ユダヤ勢力との過酷な闘いに身を投じていく」 反ユダヤ主義、冤罪、組織内隠蔽、公文書改竄、政治、裁判官腐敗、偏見から有罪を下すメディア、あらゆる問題が詰め込まれていた。いつの時代、権力者の隠蔽体質というのは変わらないもの。ベネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞!
PLAN 75

17(734)
実に厳しく寂しい映画、でもすごく心に沁みる。『PLAN 75』とは“75歳以上の高齢者が自ら生死を選択することができ、それを国が支援する制度”「夫と死別し、一人で暮らす78歳の角谷ミチは、ホテルの清掃員として働いていたが、突然、高齢を理由に解雇される。住む場所も失いそうになった彼女は“プラン75”の申請を検討し始める。一方、市役所の申請窓口で働く青年や、死を選んだお年寄りにその日が来るまでサポートするコールセンターの女性は、制度の在り方に疑問を抱くようになる・・・」 少子高齢化が一層進んだ近い将来の日本、年寄りは邪魔者扱い。年齢による命の線引きが始まる。現代日本の恥部をみているよう。カンヌ国際映画祭・ カメラ・ドール特別表彰を受章!
ベルイマン島にて

16(733)
巨匠イングマール・ベルイマンの傑作を生んだスウェーデン・フォーレ島を舞台に、映画監督のカップルが織りなすひと夏の物語、カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。「フォーレ島を訪ねたクリスとトニー。映画監督の二人は、互いの関係も創作活動も停滞している。敬愛するベルイマンが名作を生みだした島で夏を過ごし、彼らは作品のきっかけを得ようとしていた。やがてクリスは自身の初恋を投影した脚本を書き始めるのだが…」 虚構と現実が入り交じり、その境目が曖昧になっていく・・・、ミア・ハンセン=ラブ監督の体験を元に作られている。ベルイマンファンには堪らない一作。こんな伝説の島があると知らなかったが、夏のフォーレ島の美しい景色も見物!
トップガン
マーヴェリック

15(732)
1986年公開「トップガン」の続編、残念ながら前作の女性2人(ケリー・マクギリス、メグ・ライアン)は出ていない。「アメリカ海軍のエリート飛行士訓練校に、かつて天才パイロットと呼ばれたマーヴェリックが教官として帰ってくる。生徒の中に、彼がかつてタッグを組み、訓練中に命を落としたパイロットの息子もいた。父の背中を追いかけてきた彼は、マーヴェリックに対し恨みを抱いていた。」 絶対に映画館で観るべき映画、戦闘機のバトルシーンはCGではなく本物だとのこと、スカイ・アクションが素晴らしい。また音響も凄い。特殊な世界に生きる者たちの葛藤も描かれていて戦争ものというより人間ドラマ。前作を観てから観た方がいい。最高のエンターテインメント!
ひまわり

14(731)
ソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニの2大スターを主演に1970年に公開。2020年に『50周年HDレストア版』として復活。「第2次世界大戦下、ジョバンナとアントニオは結婚するが幸せもつかの間、アントニオはソ連戦線へ送られる。終戦後も戻らない夫の行方を追ってジョバンナはソ連へ向かい、アントニオの居所を探し当てる。しかし、戦場で遭難した彼はソ連の娘に助けられ彼女と結婚・・」 不朽の名作!何とも切ない、誰が悪いわけでもない唯々戦争が悪いだけ。当時珍しくウクライナでロケが行われていて、ひまわり畑の中でソフィア・ローレンが夫の消息を尋ねるシーンでは老婆がウクライナ語で答えている。一部売上金はウクライナ人道支援のための寄付に充てられる。
アンネ・フランクと旅する日記

13(730)
アンネ・フランクが空想の友だち(キティー)宛てにつづっていた「アンネの日記」を原案に描いたアニメーション映画。「アムステルダムの博物館『アンネ・フランクの家』での展示を前に“アンネの日記オリジナル版”からキティーが実体化して現れた。彼女は日記に書かれていないアンネの消息を知らず、日記を持ち出してアムステルダムの街を彷徨う。アンネの足跡を辿るほどその惨状を知ることに・・・」 。話は過去のことばかりではなく、現在の貧困や移民問題を織り交ぜている作りだった.。未来を信じるアンネから今を生きるキティーへとつなぐ希望の光とは?しかし、人種差別や外国人排斤、紛争からの難民たちが今も世界で増えている現代に、アンネからのメッセージでしょう!
親愛なる同志たちへ

12(729)
舞台は1962年のフルシチョフ政権下。ソ連で30年間も隠蔽された民衆弾圧事件を題材に撮りあげた社会派サスペンス。「ソ連南部ノボチェルカッスクの機関車工場で大きなストライキが発生。危機感を覚えた政府はスト鎮圧と情報遮断のため、幹部を送り5000人の市民への銃撃を開始する。パニックの街で娘のスヴェッカを探す共産党員で市政委員も務めるリューダは、党への忠誠が揺れ始めてしまう。」 事件から60年経った今でも香港、ミャンマー、ウイグル地区など民衆弾圧事件は絶えない、ましてロシアによるウクライナ侵攻。権力というものの怖さ!監督は84歳のロシアの巨匠コンチャロフスキー、2020年制作“ウクライナ”の前の映画。モノクロ映像でリアル感が出ている。
コーダ
あいのうた


11(728)
アカデミー賞作品賞・助演男優賞・脚色賞を受賞。「家族の中でたった一人“聴者”である少女・ルビーは、『歌うこと』を夢みた。そして、彼女が振り絞った一歩踏み出す勇気が、愉快で厄介な家族も、抱えた問題もすべてを力に変えていく・・・」 家族を残して夢を追うべきか、諦めるべきか、ルビーの選択とは、家族の想いとは。いたる所に相手を思う気持ちがあふれ、観る者の心が和んでいく。『コンサート会場で、舞台にルビーの姿が見えるが家族に歌声は聞こえない。しかし観客の反応から彼女の歌が素晴らしいことが伝わってくる』 。コーダ(CODA)とは、Children of Deaf Adults=「耳の聴こえない両親に育てられた子ども」という意味。
ナイトメア・アリー

10(727)
1946年に出版された小説が原作。父を殺し、成功を目指す主人公がショービジネス界の栄光とその陰に潜む不穏な闇を描く。今年のアカ デミー賞では作品賞など計4部門にノミネートされていた。「怪しげな見世物を売りにする、ショービジネスの世界に足を踏み入れた詐欺師のスタン。彼は読心術を使い、スターになろうとしていた。ルックスと才能で順調に成功を収めていくスタン。しかし、彼はまだその栄光の先に潜む、底知れぬ闇に気づいていなかった・・・」 タイトルの意味は“悪夢小路”。『人を騙して成功するなんてロクなことない、欲に溺れてはいけませんよ』 と教えてくれる。演技、映像、美術、,音楽と素晴らしかった。
オペレーション・ミンスミート/ ナチを欺いた死体
9(726)
実話に基づいたスパイサスペンス「1943 年、第二次世界大戦下、英国諜報部(MI5)は、とんでもない奇策をチャーチル首相に提案。高級将校に仕立て上げた死体にニセの機密文書を持たせ地中海に放出し、ヒトラーを騙そうというのだ。この作戦は、真実と嘘が表裏一体の世界の中で、MI5 の諜報員、ヨーロッパ各国の二重三重スパイたちを巻き込み、駆け引き、策略、罠、そして裏切り合戦へと発展していく」 アクションなんてほぼ無いのに、心理戦だけでハラハラさせる面白さがある。007の作者イアンフレミングがMI5 時、実際に関わっていたのにも驚き、もちろん作戦メンバーとして登場する。時代は違えども、相手の情報をいち早く掴み裏をかくというのが戦争の常道?怖い!
テレビで会えない芸人

8(725)
立川談志や永六輔、井上ひさしらに愛された芸人・松元ヒロの生き方、彼の笑いから現代社会を映し出したドキュメンタリー。何故、松元ヒロはテレビから去ったのか。テレビで会えない芸人の生き方を選択した彼の笑いの哲学から、モノ言えぬ社会の素顔が浮かび上がる。鹿児島出身の69歳、“お笑いスター誕生”でダウンタウンを退けて優勝を果たした経歴を持つ。笑いのネタを通して感じるのは政治と庶民の肌感覚のズレ、個々の政治思想やお笑いの好みの話ではなく、生活そのものが厳しい人は大勢いるこのご時世、結局あの件はどうなったの?辞任すれば無罪放免、証拠となる資料は黒塗り、等挙げだしたらきりがない我が国の不透明な政治に物申芸人がいてもいいじゃないか。
ナイル殺人事件

7(724)
大好きなアガサ・クリスティ原作、ミア・ファローが出演した1978年の映画を思い出す。と言っても、内容はよく覚えていない。「新婚旅行中の夫婦、そして彼らの招待客たちを乗せた豪華客船がナイル川を進んでいた。そんな中、船内で乗客が次々と何者かによって殺されていく。船に乗っていた名探偵・ポアロは、謎に包まれたこの事件を解明しようと奔走する」 ポアロを前作に引き続きケネス・ブラナーが演じているが、私はやはりテレビシリーズのデヴィッド・スーシェ方が好き。ただ、プラナーの前作“オリエント急行殺人事件”より、こちらが面白かった。トレードマークのポアロの髭の意味が明かされる?
ブラックボックス/音声分析捜査

6(723)
旅客機墜落事故の真相究明にあたる音声分析官が航空機業界の闇を暴くサスペンススリラー。「ヨーロピアン航空の最新型機がアルプスで墜落し、乗客乗務員316人全員が死亡。さらに、事故機のフライトレコーダー、通称“ブラックボックス”を開いた航空事故調査局の音声分析官ポロックが、謎の失踪を遂げる。ポロックから調査を引き継いだマチューは・・・」 ハイパーテクノロジーの世界と航空会社や航空機の製造業者のなどの陰謀などが絡み、実際にあり得る話だろうなと思いながら観た。単純に飛行機に乗ったらスマホなどの電源を切らなければならない理由もよく分かった。
ウエスト・サイド・ストーリー

5(722)
1961年の『ウエスト・サイド物語』をスピルバーグが再び映画化。「1957年のニューヨークのウエスト・サイドでは、夢や成功を求めてやってきた移民たちが暮らしている。一方、社会への不満を抱える若者たちは、仲間でチームを作り、敵対するようになる。そんな中、チームのリーダーを兄にもつ女性が、対立関係にあるチームの元リーダーと出会い、惹かれ合う・・」 敵対する白人とプエルトリコ出身の二つのギャング、この二つのグループが自分たちの居場所がないと訴えている。移民と差別、人種間の対立など今日の米国が抱えている問題と重なる、60年前と変わらない。社会の分断を乗り越えようとした、禁断の愛の物語。旧作でアニタ役を演じたリタ・モレノも出演。
クライ・マッチョ

4(721)
御年91歳のクリント・イーストウッドの監督・主演映画、監督50周年記念作品。「ロデオ界の元スターのマイク(イーストウッド)は、落馬事故をきっかけに家族とも別れ、今は競走馬の種付けの仕事をしながら一人で暮らしている。ある日、彼は元雇用主にメキシコにいる息子を連れ戻すよう頼まれ、メキシコに向かう」 物語を語るとはこういう映画のことを言うのでは・・・、雰囲気がとてもいい。ロードムービー的な映画だが、セリフ、映像にいちいち感動し、あっという間に終わった。『自分のことは自分で決めろ』 この科白は、半世紀分以上もの年の差がある少年に向かって放たれる主人公の言葉だ。老境に入ったイーストウッドだからこそ作れた映画。
新聞記者

(Netflixドラマ)
2019年に劇場公開された映画を全6話のドラマとしてNetflixから全世界同時配信されたもの。「“新聞業界の異端児”と呼ばれる主人公が、政府の汚職疑惑を巡る問題に直面し、世論や権力の間で板挟みになりながらも、真実を暴こうと奔走する・・・」中身が映画よりぐっと濃く、より現実に近い。森友事件をテーマに赤木さんの自殺の原因など真正面から取り組んでいる、スポンサーに気を遣う地上波のTVなどでは絶対に作れないでしょう。ぐいぐい引き込まれていくが段々怖くなり、最後は泣けてきた。出演者は米倉涼子、横浜流星、吉岡秀隆、寺島しのぶ、柄本時生、小野花梨、綾野剛など豪華。
ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男
3(720)
環境汚染問題をめぐって1人の弁護士が十数年にもわたり巨大企業との闘いを繰り広げた実話を映画化したもの。「1998年。オハイオ州弁護士ロブは、ウェストバージニア州の農場主テナントからある調査依頼を受ける。それは大手化学メーカーのデュポン社の工場から出た廃棄物が土地を汚染し、190頭の牛が病死したというものだった。調べるうちに、デュポン社が発がん性物質の危険を隠蔽し、40年にわたってそれを廃棄していたことを知る。やがては訴訟に・・・」 どこの国でもでも企業・科学者・政府の壁を突き崩すのは難しい、水俣病もしかり。でも、しっかり映画にできるところがアメリカの凄いところ。
悪なき殺人

2(719)
第32回東京国際映画祭で観客賞と最優秀女優賞を受賞したサスペンス。「吹雪の夜、フランスの山間の町で女性が失踪し、殺害された。犯人として疑われた農夫のジョセフ、彼と不倫関係にあったアリス、そして彼女の夫ミシェルなど、それぞれに秘密を抱えた5人の男女の関係が、失踪事件を軸にひも解かれていく」 偶然の連鎖が、とても面白く観ていてどんどん物語の中に引き込まれていく。『誤解や秘密、妄想、失望、幻滅から生じたフラストレーションの溜まった非対称の愛の物語』 との評があったが、まさにその通り。練りに練られた脚本がすごい、よくこんなストーリーを考えつくものです・・・。
ヴォイス・オブ・ラブ

1(718)
世界的歌姫セリーヌ・ディオンの半生を基に作られた音楽映画(フィクション)。「1960年代、カナダ。ケベック州に暮らす音楽好きな一家の14人目の末っ子アリーヌは、5歳の時に人前で歌いはじめ、その並外れた歌唱力で町の話題を集める。12歳にしてデビューを果たしたアリーヌは、すぐに天才少女としてもてはやされるように・・・」 タイタニックの主題歌「My Heart Will Go On」を歌っている人です。監督・脚本・主演はバレリー・ルメルシエ。彼女は1964年生まれの57歳ですが12歳の頃から現在までのセリーヌを演じるのだから凄い。よかった!ただ、もっと曲をしっかりと聴かせるシーンが多い方がよかったのに・・・。

2022年cinema  ランキング 
 1 位 戦争と女の顔
 2 位 トップガン マーヴェリック
 3 位 破戒
 4 位 ペルシャン・レッスン 戦場の教室
 5 位 キングメーカー/大統領を作った男
 6 位 ベイビー・ブローカー
 7 位 コーダ あいのうた
 8 位 ウエスト・サイド・ストーリー
 9 位 ザリガニの鳴くところ
10 位 ミセス・ハリス、パリへ行く
11 位 ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男
12 位 君を想い、バスに乗る
13 位 オフィサー・アンド・スパイ
14 位 親愛なる同志たちへ
15 位 PLAN75
16 位 アンネ・フランクと旅する日記
17 位 ベルイマン島にて
18 位 ナイトメア・アリー
19 位 ナイル殺人事件
20 位 クライ・マッチョ
21 位 オペレーション ミンスミート/ナチを欺いた死体
22 位 悪なき殺人
23 位 ブラックボックス 音声分析捜査
24 位 ヴォイス・オブ・ラブ
ひまわり
終電車
新聞記者(Netflixドラマ:全六話)
テレビで会えない芸人(ドキュメンタリー映画)
エリザベス/女王陛下の微笑み

※はデジタル・リマスター版として再上映されたものでランキングから外しています。
 同様にネット配信やDVDで観たものやドキュメンタリーも外しています。