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シンプル・アクシデント/偶然
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初めて見たかもしれないイラン映画 『イランの人々 やり場のない怒り』。監督は世界的にも評価されるが、“反政府活動のプロパガンダ”をしたとして懲役刑の判決受けている名匠パナヒ監督。「かつて不当に逮捕・拷問され、体と心に傷を負った整備士ワヒドは、仕事場に訪れた義足の男の足音から、自分を拷問したかつての看守だと確信する。
彼を拉致し、荒野で生き埋めにしようとするが、男は『人違いだ』と主張。顔を知らないワヒドは、本当に相手が拷問官なのか確認するため、同じく拷問された人々を訪ね歩く…。」。真実が明らかにならないまま、物語はスリリングでブラックユーモアあふれる展開を見せ、イラン社会の不条理を浮き彫りにしていく。衝撃のラストに怖くなる。 |
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プラダを着た悪魔2
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20年ぶりに、前作のメンバーが再結集。「あれから20年、ファッション業界はめまぐるしく変化し、伝統的な雑誌『ランウェイ』はデジタル化の波に押され、危機に瀕している。ミランダ(メリル・ストリープ)はカリスマ編集長として君臨し続けるが、雑誌の立て直しを余儀なくされる。一方、かつてのアシスタントでファッション界の重鎮へと成長したアンディ(アン・ハサウェイ)は、対立しながらも彼女を支える立場へと…。」。20年経っても、みんな魅力的(メリル76歳、アン43歳)。華やかなファッションもおしゃれで素敵、それとネット社会の現実をリアルに描き出して現代に問題提起しているところもいい。『お金もブランドもいらない。あなた自身がアイコンなのだから』とラストのセリフ。 |
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カミング・ホーム
16(880) |
79歳、ひとりぐらし。孤独な生活に突如、おかしな“奇跡”がやったきた。「ある小さな町、ミルトンの生活は週に1度の町議会に出席すること。近くに住む娘が時々様子を見に来るものの、認知症の初期症状が出始めていた。そんなある日、庭に謎の飛行物体が不時着してしまったから、大変!うっかり口を滑らすと、妄想だと決めつけられてしまう。そんななか近所に住む世話好きのサンディと詮索好きのジョイスの知るところとなり、三人の共通の秘密となる。」。老人版ET?ホッコリきてとてもよかった。『失わていく記憶、変わりゆく家族との関係性。誰もが人生の終盤に迎えるテーマを笑いと涙で包み込む』とあった。年をとっても“これからの人生”に向き合わなくては…。 |
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決断するとき
15(879) |
アイルランドに実在した『マクダレン洗濯所』の実話を基に映画化。「1985年、アイルランドの小さな町の修道院で、理不尽に虐げられている1人の少女の存在を知ってしまったごく平凡な石炭商の男。彼は大切な家族の平和を脅かしてまで少女を助けるべきか、見て見ぬふりをするべきなのか葛藤を深めていく。」。数百年に渡り強制収容と労働の場であったマグダレン洗濯所の実態が暴かれていく。主演のキリアン・マーフィの静かな演技と修道院の院長シスター・メアリーを演じるエミリー・ワトソン(ベルリン国際映画祭で最優秀助演俳優賞)が素晴らしい。説明的な描写が削がれているので理解しにくい部分があるが観終わってじっくりと胸に迫ってくる。 |
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ハムネット
14(878) |
『ハムレット』の誕生の背景にあった悲劇と愛の物語を、フィクションを交えながら描いたドラマ。ジェシー・バックリーがアカデミー主演女優賞を受賞。「1958年イギリスの小さな村で、子どもたちに語学を教えていたウィリアム・シェイクスピア。自由奔放なアグネスと恋に落ち結婚するが、やがて作家として活動するため、単身ロンドンへ行ってしまう。残されたアグネスは夫がいないなか、3人の子どもの育児や家事に奮闘、幸せな日々が流れていたが、11歳の息子のハムネットが命を落とす不幸に見舞われる。」。ゆっくりと流れる時間の中で描かれる家族の物語。妻アグネスの逞しさと愛があり天才作家は生まれたのかも…。 |
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砂丘
13(877) |
1970年、ミケランジェロ・アントニオーニ監督の作品。ロサンゼルスとデスバレー(死の谷)を舞台に、一組の男女が繰り広げる愛の心象風景。若いころ刺激を受けた映画、今観るとこんなに奥が深かったのかと思う。「1960年代末、学生集会でのむなしい議論に嫌気がさしたマークは、拳銃を手に学内で弾圧行為に及ぶ警官隊に立ち向かうが、発砲するチャンスを逸して逃走する。そして飛行場でセスナ機を奪い、大空へと飛びたつ。一方、不動産会社で秘書として働くダリアは、会議に参加するため、車で広大な砂漠を横断していた。そんな2人が偶然出会い、死の谷を見渡すことのできる砂丘にたどり着く。」。不正への怒りや政府の暴力、産業の腐敗、55年も前の映画だが現代にも通じる。 |
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ナースコール
12(876) |
“病院という社会の縮図に潜む〈歪み〉を目撃する、スリリングな90分”とあった。イャ~面白かった、まるでその場にいるような緊張感!自分には絶対にできない仕事と思った、看護師の皆さんを尊敬します。「ベテラン看護師フロリアは、同僚の急な病欠により、満床の外科病棟で看護学生の指導もこなしながら、一人で多くの患者対応に追われる。次々と鳴り響くナースコール、患者の要望、緊急対応に追われ、精神的・肉体的に極限まで追い詰められ混乱の中で投薬ミスを犯してしまう。そしてさらに過酷な状況に…。」。看護師の過酷な労働実態と、現代の医療現場が抱える深刻な問題を浮き彫りにしている(エンドロールの数字にびっくり)。病院でイライラしたらこれを観ると優しくなれる。 |
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センチメンタル・バリュー
11(875) |
カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞するなどアカデミー賞の候補にも挙がっている。「オスロで俳優として活動するノーラと、家庭を持ち息子と夫と平穏な日々を過ごす妹アグネスのもとへ、映画監督の父グスタヴが現れる。父は家族を捨て、出て行ってから音信不通だった。自身の15年ぶりの復帰作となる新作映画の主演をノーラに依頼するグスタヴだったが、怒りと失望を抱え込んでいるノーラはそれをきっぱりと拒絶する。」。名監督の作品は、時代と舞台がよく変わりわかりにくい、観終わってそいうことだったのかとなる。映画通の作品かも…。葉子ママはよくわからなかったと言っていた。『センチメンタル・バリュー』とは、個人の愛着や思い入れによって決まる価値のこと。 |
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災 劇場版
10(874) |
タイトルは“さい”、WOWOWにて放送されたドラマの劇場版で全6話を再構築したもの。ヒッチコックの『サイコ』(アンソニー・パーキンス主演)を思い起こす、久しぶりに観たサイコ・サスペンス。「平凡な日常に突然不可解な災いが降りかかる。警察が事故や自殺として処理する怪死事件の裏で、変幻自在の男(香川照之)が暗躍し、人々の日常を崩壊させていく様子を描く。6人の異なる境遇の男女と、彼らの周辺に出没する男の謎を追う刑事…。」。よくできていて、観ていて怖くなるが
『えっ、ここで終わり?』と言う感じで真相が解明されないままで不満が残った。香川の怪演が光る、こんな男には絶対に会いたくない。サン・セバスティアン国際映画祭コンペティション部門正式招待されている。 |
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木挽町のあだ討ち
9(873) |
原作は直木賞と山本周五郎賞をダブル受賞している(2023年book紹介)。「雪の夜、木挽町の芝居小屋周辺で若衆・菊之助が見事な仇討ちを成し遂げる。2年後、この美談の真相を追う男が現れ、芝居小屋の人々の証言から、仇討ちに隠された驚くべき“秘密”と人々の情が明らかになる。」。原作も面白かったが映画の出来もよく2時間全く飽きさせない。柄本佑の食えない切れ者と言った演技がいいし、もちろん渡辺謙の重厚さは相変わらず。万人が楽しめるエンタメミステリー作品、原作を読んでいなくて結末を知らない人にはすごく面白いと思う。 |
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嵐が丘
8(872) |
これまで(100年以上にわたり35回以上)映像化されてきたエミリー・ブロンテの名作小説『嵐が丘』。あまりに激しく狂気的な愛、原作を読み白黒映画を観たのは50年以上前のこと、懐かしい。「ヨークシャー地方の高台『嵐が丘』にたたずむアーンショウ家の屋敷。令嬢キャサリンは、屋敷に引き取られた孤児ヒースクリフと幼い頃から心を通い合わせていた。やがあて二人は強くひかれ、愛し合うようになるが、身分の違いや時代の渦に翻弄され、予期せぬ運命をたどる。永遠を誓った愛は狂気の復讐へと変貌を遂げ、多くの悲劇を巻き起こしていく。」。原作(詳細は忘れている)とは違う部分もあるようだが現代風に描くとこうなんだろうな。やはり名作には重みがある。 |
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旅の終わりのたからもの
7(871) |
ソ連から非社会主義政権へと移行してまだ間もない1991年のポーランドが舞台。「ジャーナリストでニューヨーク育ちの女性が、自らのルーツを知ろうとホロコーストを生き延びた父と共にポーランドを訪れ、少しずつ明かされる家族の過酷な記憶に触れていく。」。ラスト近くにアウシュビッツ=ビルケナウ強制収容所を訪れるシーンは圧巻、今は一般の人も見学できるようだが画面を見ているだけで怖くなる。『紛争の絶えない現実の中で、戦争を知らない世代にホロコーストをどう伝えるのか、それはとても難しい。頭でっかちでもなく、悲劇そのものを見せるわけでもなく、アウシュビッツを見渡すシーン、それだけで多くのことが語られているように感じる。』とあった。 |
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世界一不運なお針子の人生最悪な1日
6(870) |
スイスの美しい田舎町、針と糸の力で自らの運命を切り開いていく一風変わったお裁縫クライムサスペンス。「針子をしているバーバラは、母を亡くし譲り受けた“喋る刺繍”のお店は倒産寸前。ある日、常連客との約束に遅刻した上、ミスをして激怒させてしまう。店に戻る途中、麻薬取引の現場に遭遇する。売人の男たちは血まみれで倒れ、道には破れた白い粉入りの紙袋、拳銃そして大金の入ったトランク。<完全犯罪(横取り)><通報><見て見ぬふり>の運命の三択がバーバラの頭をよぎる。」。人生に最大のピンチの時三つの選択、彼女はどれを選ぶか?第4は?。『針糸は縫うものではないのだな』、こんな感じの映画は珍しい、それなりに面白かった。 |
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プラハの春
不屈のラジオ報道
5(869) |
チェコスロバキアで起こった民主化運動『プラハの春』で、市民に真実を伝え続けたラジオ局員たちの奮闘。「1968年、ソ連の支配下にあったチェコスロバキアで民主化の機運が高まる中、国営ラジオ局の国際報道部は検閲に抵抗し自由な報道をしていた。技術者トマーシュは、学生運動に参加する弟を守るため、報道部を監視するスパイとして異動させられる。しかし局員たちの姿勢と、真実を伝えるラジオの力に魅せられ彼らと共に戦うことを決意する。」。現代にも通じる『言論の自由』と『国家の圧力』をテーマにした見ごたえのある映画。“私たちが目にしている情報は真実なのか?自分の頭で考え、意見はできるのか?”劇中で『今、私は自分の言葉で話しています』と。 |
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ワーキングマン
4(868) |
『ビーキーパー』と同じデビッド・エアーが監督を務め、シルベスター・スタローンが製作・共同脚本として参加。前作よりこちらが面白かった。「元特殊部隊員のレヴォン(ジェイソン・ステイサム)は、平穏な生活を選び、現場監督として働いていた。質素な生活を送り、娘の良き父親になりたいと願っていたが、恩人である建設現場の上司の娘ジェニーが攫われてしまう。彼は行方不明のジェニーを捜すうちに、人身売買を生業とする凶悪な犯罪組織の存在を突き止め、封印していた特殊部隊のスキルを発動する…。」。単純なストーリーで何も考えなくて観られるところがいい。敵役がロシアンマフィアだし、ステイサムの映画はやはりスカッとする。 |
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チャップリン
3(867) |
「数々の名作、プライベートフィルム、インタビューなどの映像とともに、“放浪紳士”のルーツを探るべく、息子マイケルが関係者やゆかりのある場所を訪ね歩く。 偉大過ぎる人を父に持ったマイケルの苦悩。壮絶な幼少期から家族と過ごした時間まで、チャップリンの波乱に満ちた人生を辿る。」というもの。懐かしの映像と共にチャップリンの人となり、また家族の悩みなどがよくわかる。若いころチャップリンの映画はただ面白だけと思って観ていたけど、こんなに深い意味があっとは読めなかった。ユダヤ人や共産主義者のレッテルを張られアメリカ(権力)から追われたのは、偉大過ぎたのだろう。今の世界(日本も含め)はあの頃から一歩も進歩していないどころか逆行している。 |
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SPIRIT WORLD
スピリットワールド
2(866) |
カトリーヌ・ドヌーブが主演、竹野内豊、堺正章、風吹ジュンらが出演、迷える大人たちの希望と再生を描いたファンタジードラマ。何と、ドヌーブ82歳。「父であるユウゾウの死をきっかけに高崎を訪れたハヤトは、離婚した母に思い出のサーフボードを届けてほしいという父の遺言と、フランス人歌手クレアのコンサートチケットを見つけた。しかし、その翌日クレアの突然の死を知る。父の遺言を果たすため、母を捜す旅に出るハヤト。一方、死後の世界で彷徨うクレアは、ユウゾウと出会い、見えない存在としてハヤトの旅路を見守ることになる。」。“スピリットワールド”とは霊的な存在が住むと言われる架空の場所とのこと。会話が少なく話は淡々と進む、観る者がじっくりと味わう映画。 |
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シャドウズ・エッジ
1(865) |
71歳のジャッキー・チェンが主演を務め、追跡のエキスパートが率いる警察とサイバー犯罪集団の戦いを描いたバトルアクション。久しぶりにジャッキーをみたが結構面白かった、香港映画らしい。「マカオで、サイバー犯罪集団による巧妙な強奪事件が続発。監視システムも乗っ取られ捜査に行き詰まった警察は、すでに現役を退いた追跡のエキスパート・黄徳忠(ジャッキー)に協力を依頼。警察の若き精鋭たちとチームを組み、『影』と呼ばれる元暗殺者が率いるサイバー犯罪集団を追うことに。」。カンフー寄りでなく痛快なアクション映画として素晴らしい仕上がりでよかった。サイバー犯罪って実際こうなんだろうなと怖くなった。 |