働く人への生活アドバイス『マイクの裏の人間模様』

NHKアナ 広瀬久美子

 仕事を続けられたのは・・仕事が好き・緊張感がある・一つのことをやりとげる努力が必要などなど。
 何になりたいか?何をしたいか?より、目の前にあることを一所懸命にやることが大切。
 それにすばらしい先輩に恵まれた。

   アナウンサー部は男性100人、女性20人の先輩がおり、最初は重箱の隅も恥ずかしいくらい細かいことを、いい年をした男性上司から言われた。殺してやりたいと思った。テレビで見るアナウンサーと私たちに教える態度とは百八十度違う。家ではどのような生活や会話をしているのだろうと思ったりもした。
 NHKという公共放送の中での仕事は標準的な厳しい縛りがあります。
 「宅急便が郵便より便利」と言ったらダメ、郵便局が文句を言ってくるのではなく「宅急便は」クロネコの商標、「タッパーウエア」もダメ(密閉容器と言い換え?)。また人の名前・地名を間違えたら大変、投書の山。最近は少しゆるくなった。
 厳しく育ててくれたその上司がいたので今日があると、その時はわからなかったが今は感謝しています。
   果たして自分は後輩にこのような教え方をしてきたか?(時には酒を飲ませたか?)
  自分がやったことは自分で責任を取ればいいが他人がやったことはどうするか?
 22年間続いた「土曜サロン」でパートナーのゴンタロウさんから学んだことの一つ、”無理に謙虚にならなくても!”
 一つの枠にはまってしまうと少しずつ世の中の動きに合わなくなってくる。はまりすぎるとまずい。枠とは?いろんな枠があります。
 家のこと・亭主・子ども・親の世話は妻という枠。
   男は仕事をすればいいという枠。
 家に帰ったらご飯ができている、女性が働いていたら誰が作る。
 一人の人間としてパートナーを見ることが必要である。
 「家のことをちゃんとするなら仕事をしてもいい」と言いますが・・そんなに何でもかんでも誰ができますか。
 理解は枠をはずすことから始まります。
  飯・風呂・寝るそれに「そうだね」・「いいようにすれば」五つしか言葉がない。  会話がない、会話として続かない。 相手のことを考えることが大事です。
 家庭は社会の中の小さな核である、 家庭では言葉や会話の練習もできる。
  言葉は大事である
  [例えば] 妻に綺麗だねとか美しいとか・・ほめられれば美しくしようと努力
       をする。
(ほめるところが無くても何かさがしてほめる)
         夫にはありがとうとかご苦労さまとか健康でお願いしますとか。
       ・・・給料の運搬人ではない。

 人間としての思いやりが必要である、枠を取り外ずせば生活も変わります。
 相手を人間としてどれだけ想いやることができるか?この思いやりが枠を外す。
 いい嫁をすることは才能ある男性をダメにする。
 67歳夫・68歳妻、この夫は指示を受けないと風呂にはいることもできない、パンツをはきかえていいかもわからない(痴呆でも何でもありません自分で判断ができないだけ)。
  何でもかんでもすることは、男性が考えなくなり、特に年老いてからは世話も大変。 
  自分も結婚したてのころは一つの枠のなかで、料理を一生懸命に作った。でも、夫はおいしいとも言わない。外食が好きと・・。そこで夫「あなたの仕事はアナウンサーで料理は片手間、レストランの調理師は料理を作ることが仕事。調理師にアナウンサーの仕事をしなさいというのと同じである」、これで吹っ切れて、以降多忙なときは外食をするようにして、自分本来の仕事が安心してできるようになりました。
 最近、定年離婚が急増している。 
 妻に先立たれた夫の平均余命は3年、夫に先立たれた妻の平均余命は15年
  何かに打ち込む・・するとこれに生活がついています。
  ユーモアを解さないとだめ:
  神津カンナさんのおじいさんは倒れたときに親族一同に「私が死んだら金庫の中を見ろ」と言った、みんな一生懸命看病してそれから10年生きた。亡くなった後みんな期待して金庫を開けた。中には紙切れ一枚「残念でした」何と素晴らしいユーモア。
最後に60才の人へのアンケート
 旅行に誰と行きますか・・・ 男性で妻と   72.2%
                                     女性で夫と  10.2%
 話し相手は誰を考えるか・・ 男性で妻と   46.6%
                                   女性で夫と  20.0%
                                  〃 近所の人と これも20.0%
 みなさん元気で頑張りましょう。                       (拍手)