☆☆☆☆ 夏こそ自然の中で深呼吸 ☆☆☆☆

 

生活評論家 児玉芳子

     夏を迎える

梅雨があければ青空に入道雲がもくもくとわき、明るく強い陽光がカァ〜ツと照りつけて、いよいよ夏は本番。海へ山へと想いは駆けて週末の休日が待たれます。あ、去年の水着は着られるかな?ちょっと太ったムリかな?タオル地のヨットパーカーってカッコイイから買おうかな?山岳用品売場でも若い男女のほかに近頃は中高年の山好きのグループが何かと品定めに余念がありません。夏は暑い!暑いから辛い!ではなく暑さを楽しまなくてはせっかくの夏に悪いじゃないですか。赤道直下のマレーシアやシンガポールあたりでは涼しい室内から日中の戸外へ出ると、40℃の空気はかげろうのようにゆれて焼けつく暑さ。あわててサングラスをかけ、帽子をかぶりますが、一番に暑さで温まってくるのが実はお腹です。」お腹が40℃を超える暑さをいち早くキャッチし、ムァ〜ット暑くなってゆくのがよくわかります。人間がエアコンのきいた部屋にいると一番冷えているのは手先でも足でもなく実はお腹だったのだ!と発見し、冷房の効いた部屋で働くときはお腹を温めなくては健康によくないナ、と思ったりしています。

緑に囲まれた山荘で森林浴をして体をいやすもよし、南海の砂浜で日光と暑さをたっぷり楽しむもよし、夏はビル街から脱出して自然の中に身を置いて深呼吸すれば生命蘇る感じがします。暑さの中で農作業をする人が首にタオルをかけていたり、西部劇のガンマンが暑さの中で木綿のスカーフを首に巻いているのが理解できるようになれば、あなたの“夏”も一人前といえるでしょう。汗することの少ない都市生活は人間として不自然です。夏はしっかり汗をかいて人間らしさを取り戻すよい季節なのかも知れません。

                                           終わり