パン
みなさん、朝食はパンとごはんどちらを召し上がっていますか。パンという方も多いことでしょう。 また、最近は菓子パンなどを含めいろいろな種類のパンや海外のパンが紹介されていたり、テレビで、おいしいパンの店を紹介する番組を目にしたこともあると思います。そこで、「パン」をテーマに取り上げてみます。 まずは、パンの歴史をたどっていきますと今から六千年前、紀元前四千年前にメソポタミアで小麦粉を水でこね、薄く平たく焼いただけのものを食べていたそうです。このパンは無醗酵のものでした。チャパティーという強力粉と水から作るこのパンは、この無醗酵パンの一つです。その後、古代エジプトで偶然から醗酵パンが生まれました。そして、パンの作り方はエジプトからギリシャへと伝えられ、製パン技術を持った専門のパン職人も現れるなど製パン技術は発達し量産されるようになりました。 さらに、ギリシャとの戦争に勝ったローマ軍によりギリシャのパン職人が捕虜としてローマに連れて行かれ、そこでさらに発展していきました。その後ヨーロッパ全土へと広がり各国の風土にあった様々なパンが作られるようになりました。 日本には、戦国時代に鉄砲やキリスト教とともに伝えられたといわれています。キリスト教が禁止されてからは長崎などで西洋人のためにつくられていましたが、幕末に兵糧として江川太郎左衛門により試作されました。修好通商条約が結ばれるようになると横浜、神戸などでパンづくりが広がり、明治に入り初代、木村屋安兵衛が日本人の口に合うパンづくりに取り組み、あんパンをつくりあげました。第二次大戦後は、食生活の洋風化が進みパンは主食の一つとして定着しました。 パンの原料の小麦粉について パンの原料は小麦粉ですが、これに含まれるタンパク質は、その大部分がグルテニンとグリアジンというものです。小麦粉に水を加えてこねることにより、この二つのタンパク質が水を吸収し結びつきグルテンという物質が形成され、パン生地ができあがります。このグルテンの量により、生地の粘りやのびに違いが出てきます。この粘りが生地の中に気泡を幕のように包み込みます。気泡はパン生地の醗酵とともに大きくなりグルテン構造が強くないと気泡を包む幕が破れてしまいます。しっかりしていれば、薄い膜に包まれた細かい気泡がたくさんでき、ふっくらとしたきめ細かいパンになります。 強力なグルテンをたくさんつくることができるのは、タンパク質の含有量の多い小麦粉ですが、作るパンの種類によって使う粉の種類が違ってきます。 (おわり) |