「ちびジャスミンちゃん」 第5回2012/05/29 18:48:03

春爛漫、色とりどりの花が咲き乱れ、
心は踊り、オタクや引きこもり以外は
外へ出たくなってしまう季節の到来である

さて、ちびジャスミン一家も
春の香りに誘われて
どうやら つくし採りに行くことになった

山にある川のほとりの堤防。菜の花がいっぱい咲いてて
ジャスミンと妹は 口々に
「ここに つくしがきっとある!!」

学者でもないのに
何の根拠もないくせ 二人の子供は言い張り、
父は 愛車日産チェリーを堤防に停めることになった

しかし、元来イニシャルDも(走り屋のマンガ)
真っ青の飛ばしやの父フミオ、
堤防をガーッと飛ばし、縦列駐車。
これが、のちの事件の発端となるのであることを
しるよしもない、まだ若い父フミオであった(笑)

駐車する前に 降ろしてもらってた、
ちびジャスミンちゃんと母上。
きれいな菜の花を見ながら
つくしを探していた

向こう側に停めた車の場所から
父フミオと妹がこっちへ歩いてきてるのが見えた

「あ、つくし♪」
つくしが大量に生えているのを
発見したジャスミンちゃんは、
「○○○〜!! つくしが生えてるよおおお」
と妹に向かって言いながら
顔をあげた、まさしく そのとき。

蜂の大群が、妹と父上を襲ったのである!!!
蜂の巣箱の真横を フミオがぶっ飛ばしたもんだから
驚いた蜂が敵と思い、やってきたのだ
ミツバチよ、狙うならもっと高度な敵にしたまえ(笑)

すばやく逃げたので難を免れたかと
思いきや、
妹は 頭に3発、ミツバチの針がささっていたのである
大泣きする妹を横目に
なにやら 涼しい顔をしてる父がいた

なぜ???君も襲われたではないか!!!

解説しよう
生き物博士ジャスミンちゃんの登場である
ミツバチは、黒いものを見ると襲ってくる習性があり、
もちろん、人間で言えば、
まっさきに 頭が狙われるのである

ジャスミンちゃんは 発見してしまった
父フミオの頭にいるミツバチを!!!

ミツバチは、ちゃんと狙ったのだった
己の習性通りに。
しかし、DNAは、人間の文明の進化を知らなかった

フミオのパンチパーマのジャングルに
捕らわれの身になっていたのだ!!(笑)
刺すことも逃げることも
出来ないまま、
パンチの迷宮にもがいていた(笑)

ミツバチは 花の蜜を見つけたら
ダンスで仲間に知らせるという
ミツバチよ、知らせておくれ
次は、パンチは狙うなと(笑)

妹がアホなのは、
このとき3発おみまいされたからに違いない(笑)



番外編「お助けマン白書」 2012/03/19 17:36:21

いつか にゃんこと行った 
鉄板屋が目に浮かぶ
飲み会を抜け出して 二人ででかけた

悲しいことがあると メールが来ていた
小さな横顔が 今も恋しい

雨の中 カッパで 
ママチャリこぐ にゃんこに
ときめいた昔が 鮮やかによみがえる

君は知るだろうか
僕の赴任日
フロアをかけまわる君を見ていた

(2番)

僕は転勤した 君と離れた
ご来光登山へも ムリして出かけた

結婚が決まって 周りに聞かれた時
俺は全然平気と 下手な嘘をついたね

僕は見るだろうか ドレス姿を
二人だけのドライブ いつかはもう一度
二人だけの登山 どこかでもう一度


「ちびジャスミンちゃん」 第4回(2012/03/12 11:39:52)

今はあまり見かけなくなったが
ジャスミンちゃんの幼稚園時代、
冬になると、「ツララ」というものは当たり前のように
存在していた

朝、布団から出るのは、
今も昔もおっくうだが(笑)
玄関を出たとき 軒先に「ツララ」がさがっていると
単純なジャスミンちゃんは
喜んでスキップしながら幼稚園に行ったものである

朝日にキラキラ光るツララを
宝石のようだと思う純粋な心の子供達も
やがては『ホンモノ』に目がくらんで
男を苦しめる女か、
苦しめられる男に成長していくのがなんとも悲しい(笑)

ジャスミンちゃんが幼稚園へ行く途中には
大きなビニールハウスがあった
そこは冬になると
家の軒先とは比べ物にならないほどの
長くて太いツララがたくさん出来るのが
この上ない魅力であった

ある日、いつものように
そこを通りかかったジャスミンちゃんの目に
小学生がツララを取って振りまわして
遊んでいるのが映った

小学生が「リボンの騎士」に(手塚治虫のマンガ)
見えたジャスミンちゃんは
ワクワクしながら、魅入っていた(早く幼稚園行けよ)
その騎士は、幼稚園生から見られていたせいか
得意げになり、
勢いでビニールハウスを
突き刺してしまった・・・!!

人間、調子に乗るとろくなことにならない
その小学生が怒られたのはいうまでもなく、
ビニールハウスのおじちゃんが
小学生を怒っている間、
小学生が落としたツララでジャスミンちゃんも
こっそりビニールハウスを刺してみた
勇敢な騎士の香りがした♪

かわいそうに 小学生はおじちゃんと
一緒に連行されていき、
ジャスミン騎士団は、ツララを振り回しながら
ゆうゆうと
幼稚園へ走りさっていった

翌日。
その小学生は 学校でもこっぴどくやられたのか、
元気がなかった

「ちぇ 今日はリボンの騎士しないのかあ」
しょげた小学生を横目に
近所のおうちのお庭のきんかんをかじりながら
幼稚園に向うジャスミンちゃんであった


「ちびジャスミンちゃん」 第3回(2012/01/04 13:34:40)

お正月にかかせないもの・・・しめ飾りや
鏡餅ももちろんだが、
やっぱり おせち料理が一番ではないだろうか。

しかし、食い意地のはったジャスミンちゃんでも
嫌いなものはある。
それは昆布巻きである。

冬のある日、幼稚園から帰った後は
暇をもてあましているジャスミンちゃんに
突然、友達が出来たのだった
お父さんが会社からフナを5匹も
もらってきたからである

たらいの中を元気に泳ぎまわるフナ君たちに
ジャスミンちゃんと妹は
親しみを感じた

たらいに手をつっこんで
洗濯機のように渦巻きをおこして
(フナにははた迷惑)
フナくんたちがくるくる回っているのを喜ぶ、
なんとも残酷な姉妹であった

その夜、フナくんたちは、堀の中では
味わったことのない渦巻きに
目が回って、眠れない夜を過ごしたに違いない

次の日も次の日も 
ジャスミンちゃんは 幼稚園から早く帰ってきては
フナくんと渦巻き遊びをして楽しんだ
(楽しいのはジャスミンちゃんだけ)

もうフナくんは家族の一員だと
ジャスミンちゃんは思い込んでいた

・・・しかし。
現実は そう甘くなかったのである

いつものように ジャスミンちゃんが
たらいの中をのぞいたとき、
フナくんたちは姿を消していた

「お母さん!!!お魚がおらん!!!」

大声で叫んだジャスミンちゃんに
お母さんが悲しく微笑んだ

ジャスミンちゃんの、涙でうるんだ目に
映ったのは
大きなお鍋の中の、
ミイラのように昆布でグルグル巻きにされた
フナ君の変わり果てた姿だった


「ちびジャスミンちゃん」 第2回(2011/12/19 14:01:05)

クリスマスというものは 
大人でも子供でも
常にワクワク楽しい行事である。

当然、ジャスミンちゃんも楽しみにしていた。
幼稚園で 
クリスマス会があるからなのだ。

しかし、その、クリスマス会の当日。
フェイントで、
ジャスミンちゃんは「ハシカ」にかかってしまい、
幼稚園に行けなかったのである。

・・・むろん、クリスマス会もパー!

ジャスミンちゃんは、みんなに配られるケーキを
想像しては
布団の中でハシカと闘っていた。

そんなジャスミンちゃんの闘魂を、
「運動会」や「オルガンの練習」に
見てみたかった、母上であった(笑)

そこへ 不運なジャスミンちゃんを救うかのごとく
現れたのが、
同じバラ組の女の子Yちゃんであった。

「ジャスミンちゃん、Yちゃんがケーキを
持ってきてくれたわよ」
お母さんが枕元に
ケーキの入った箱を置いてくれた。

ジャスミンちゃんは 熱にうなされながらも
心からうれしいと感じた
なんて素晴らしいの!!!

しかし
ふすまの陰から 
そのイチゴの乗ったおいしそうなケーキを
狙う者がいたのである・・・・・。

「これ 食べてよか?」

そのとき、ジャスミンちゃんの熱は
最高潮に達しており、
意識がもうろうとしていた。

クラクラする頭の中、よくわからずに
「う〜ん」と
言ってしまったジャスミンちゃん。
熱が下がって 目が覚めたときには
もちろん、ケーキは消滅していた(笑)

その日から
一つ下の妹にライバル意識が生まれ、
今でも熾烈な争いは続いている。

ハシカのウイルスがジャスミンちゃんを
あわれに思ったのか、
妹はまんまとハシカにかかり、
お正月をハシカと一緒に過ごしたのだった

風邪には気をつけて、
ステキなクリスマスを!!


「ちびジャスミンちゃん」 第1回(2011/12/02 18:57:07

ジャスミンちゃんの母上が 妹の出産のため、
産婦人科に入院していた、
冬のある日のことである

ジャスミンちゃんの幼稚園は
普通の給食ではなく、お弁当とパンが
かわりばんこになっていた
パンの日は幼稚園が用意してくれるが 、
お弁当の日は おうちで作ったものを 持ってくるのである

しかし 母上は入院中なので、
ジャスミンちゃんの今日のお弁当はなかった
母上から100円玉を2つもらったジャスミンちゃんは
幼稚園のすぐ隣にある、
駄菓子やさんでパンを買うことにしたのである

「ごめんくださーい」 おばちゃんがでてきた
「あら?一人?えらいねえ」

パンを1個と牛乳を1つ買うことになっていた
その頃、ジャスミンちゃんの住む地域は
ヤマザキやらフジパンは 登場してなくて
(子供だから知らなかっただけかもしれないが)
リョーユーが王道だった

マンハッタン
(リョーユーの人気商品・チョコのドーナツパン)はこの頃、
まだ誕生しておらず、ここは駄菓子やさんということもあり、
「クリームパン」「ジャムパン」
「あんぱん」「うぐいすぱん」くらいしかなかった

悩むことなくクリームパンに決めたジャスミンちゃんの目に
飛びこんできたもの・・・・
それは これから買おうとしている牛乳の
入った ガラスケース。
キンキンに冷えていたらしく、
ガラスは すこしくもっていた

?・・ 真っ白な牛乳のびんの横に立っている、あれは?
黄色のような、黄緑色のような・・・
牛乳と同じびんに入っているのに
違う、・・・・・・・・・なんだろう???

「おばちゃん  あれは なあに?」

「あー、あれ?
あれはフルーツ牛乳と 言って  
くだものの味がする牛乳なのよ」

ジャスミンちゃんの目には
もうそれしか見えなかった
気がつくと クリームパンとフルーツ牛乳を
茶色の紙袋に入れてもらっていた

キンキンに冷えたフルーツ牛乳のびんは
汗をかいて 紙袋を濡らしてきた
でも幼稚園は  隣にある
だいじょうぶだ

ほんとうは ジャスミンちゃんは  
知っていた
「白い牛乳」しか 持ってきてはいけないことを・・・

しかし  やってしまった
あまりにも  おいしそうだったのだ!!
もう後には戻れない(笑)
行くしかないのである

幼稚園についたジャスミンちゃんの、
今にもやぶけそうな紙袋を見て
年長組の先生が、

「あら、ジャスミンちゃん 
 自分で牛乳 買ってきたの?えらかったねえ  
 先生が冷蔵庫に 入れとくね」

「あ!  せんせい!」

・・・・・おいしそうだった・・・
ジャスミンちゃんの目に
焼きついて離れなかった・・・
 
一口も飲めずに終わったあの、液体・・・

そのあと、幼稚園児にして
もう、廊下に立たされたジャスミンちゃん(泣)
しかし 反省の気持ちより、
あの、フルーツ牛乳を
先生が飲んでしまったのではないかと
いつまでも
いつまでも気になっていた・・・・