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室町無頼
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日本史上初めて武士階級として一揆を起こした室町時代の人物・蓮田兵衛の戦いを描く。戦争というテーマに向き合っていた大林監督から『このバトンを君に渡すよ』と言われた入江悠監督の作品。「応仁の乱前夜の京。大飢饉と疫病が発生、加茂川べりには死体が放置され、人身売買や奴隷労働が横行、格差社会となっていた。自由人の蓮田兵衛は、密かに倒幕と世直しを画策し、立ち上がる時をねらっていた。手下となった才蔵をはじめ、兵衛のもとに集った無頼たちは巨大な権力に向けて暴動を仕掛けるが…」。監督が『社会からはじかれた人たちを描き観客にもその“苦み”を抱えてほしい』と言っている、何時の時代も同じだが、この映画のようなエネルギーが今欲しい。 |
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アプレンティス ドナルド・トランプの創り方
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成功を夢見る20代のトランプが、伝説の弁護士に導かれて驚くべき変身を遂げ、トップへと成りあがるまでの道のりを描く。「1970年代から1980年代を舞台に、気弱で繊細だった20代の青年実業家ドナルド・トランプがマッカーシズムで悪名を馳せた弁護士ロイ・コーンと出会い、一流の実業家へと育て上げられた末に、コーンの想像を超える怪物へと変貌を遂げていく・・・」。すべてが事実とは思わないが、今のトランプを見るとなるほどと思えるエピソードがたくさん。もともとそんな人間だったとは思うが怪物へと成長?していく過程が興味深い。とにかく勝つことにこだわり勝者になればなんでも思い通り、黒を白と言ってすべてを思い通りにする。こんな世界は怖い! |
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敵
5(831) |
東京国際映画祭で作品賞、監督賞、主演男優賞の3冠に輝いた作品。長塚京三主演でモノクロ映画。「渡辺儀助、77 歳。大学教授の職を辞して 10 年―妻には先立たれ一人暮らし。料理は自分でつくり、晩酌を楽しみ、時には友人と酒を飲み交わす生活。預貯金が後何年持つか、すなわち自身が後何年生きられるかを計算しながら、来るべき日に向かって日常は完璧に平和に過ぎていく。遺言も書いた、もうやり残したことはない。だがそんなある日、パソコン
の画面に『敵がやって来る』と不穏なメッセージが流れてくる。」その後の展開は夢なのか妄想なのか?じっくり観て欲しい。“敵”は一人暮らしの老人が抱える“漠然とした不安、又は中年男性心のうちにある? |
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ビーキーパー
4(830) |
ジェイソン・ステイサム主演のアクション映画 「養蜂家(ビーキーパー)として隠遁生活を送る男アダム・クレイ。ある日、彼の恩人である善良な老婦人がフィッシング詐欺に遭って全財産をだまし取られ、絶望のあまり自ら命を絶ってしまう。怒りに燃えるクレイは、社会の害悪を排除するべく立ちあがる…。」。詐欺集団に全財産をだまし取られた恩人の
復讐のため、そして世界の秩序を守るため容赦なく死の果てまで追いかける..。なんも考えずに楽しめて気分がスカッとした。こんなヒーローがいてくれたら最高なのに。振込詐欺のコールセンターが出てくるが、そこの連中は悪いことをしていると思っていないところが怖い! |
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お坊さまと鉄砲
3(829) |
「2006年。長年にわたり国民に愛されてきた国王が退位し、民主化へと転換を図ることが決まったブータンで初めて行われる選挙。村の徳の高いお坊さまが言いました。『次の満月までに銃を2丁用意せよ』若いお坊さまは銃を探しに山を下りて行く。時を同じくして、アメリカからアンティークの銃コレクターが“幻の銃”を探しにやって来て、村全体を巻き込んでの騒動へ・・・」。一切殺生をしないブータンの人々、そこに何故銃が必要なのか?ラストに納得。『変わりゆく世界で、変わらないもの』人の幸せとは何か?を私たちに問うている、素晴らしい映画。発展のために人々が不幸になるのは本末転倒ではと考える。考えさせられて笑わせられて満足! |
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劇場版
ドクターX
2(828) |
テレビでシリーズ化された米倉涼子主演の医療ドラマ『ドクターX 外科医・大門未知子』のシリーズ完結編となる劇場版。このシリーズは好きだったので観にいった。「大門未知子は、某国の大統領を救うため、日本を離れていた。その頃、神津比呂人が新病院長に就任した東帝大学病院では、合理化が進み、医師や看護師が解雇されていた。同僚の森本に呼び戻された未知子は、比呂人と意気投合するが…」。テレビより刺激度が強い分、面白い。いつも思う、こんな医者がいたらいいのに…って。西田敏行は相変わらずうまくて、亡くなったのがホントに惜しい。エンドロールで、今までのドクターXの出演者の映像が出てくるのは懐かしかった。 |
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太陽と桃の歌
1(827) |
スペイン・カタルーニャ地方を舞台にした自然と人間の問題を描くヒューマンドラマ。「カタルーニャで、三世代に渡る大家族で桃農園を営むソレ家。例年通り収穫を迎えようとした時、地主から夏の終わりに土地を明け渡すよう迫られる。桃の木を伐採して、代わりにソーラーパネルを敷き詰めるというのだ。父親は激怒するが、妻と妹夫婦はパネルの管理をすれば“楽に稼げる”という囁きに心を動かされていく。それぞれに危機に対処しようとする家族、大きな亀裂が入ったまま、最後の収穫が始まる。」。無垢な子供たちと果樹園で働く大人たちの日常が淡々と描かれる姿が何ともほほえましい。ベルリン国際映画祭金熊賞受賞作。 |